午後のひとときに、ジュニア数学オリンピックの問題にチャレンジしてみる。
この動画の最終問題。
問題
各桁の数字が相異なるような37の倍数のうち、
最大のものを求めよ。
シンキングタ~イム
まずは問題文を読み解く。
各桁の数字が相異なるような(37の倍数のうち、)
最大のものを求めよ。
括弧を読み飛ばすと、
9876543210
が答えであることは自明ですが、これが37の倍数かと言われると、そんな問題は出題されないだろう。
なぜ37が選ばれたのだろうか。
おそらくここがキーなのだろう。
まず、9876543210を素因数分解してみると、
9876543210=2・32・5・17・379721
まぁ、素因数分解をやらずとも、桁の順番に左右されない倍数判定で使えるものは、3と9であり、9876543210は9で割り切れる。
つまり、
求めたい数は、
3で割り切れる。
9で割り切れる。
37で割り切れる。
よって、
37×3=111で割り切れる。
37×9=333で割り切れる。
ということが解る。
111はかなり都合の良い数である。
ここから、3桁のゾロ目はすべて、37の倍数であることを利用します。
9 876 543 210
のように、下から3桁ずつに区切る。
9 000 000 000 は37で割ると余りは、
3桁のゾロ目は37の倍数であり、
9+0+0=9 (mod 37)
というように簡単に余りを求めることが出来る。
9 876 000 000 は37で割ると余りは、
9+876+0+0
とやってもよいが、ここでも3桁のゾロ目を使って、
876-888=-12
と考えるほうが楽なので、
9-12+0+0=-3≡34 (mod 37)
同様に、
9 876 543 000 は37で割ると余りは、
9-12+(543-555)+0=9-12-12=-15≡22 (mod 37)
9 876 543 210 は37で割ると余りは、
9-12-12+(210-222)=9-12-12-12=-27≡10 (mod 37)
のように、安直に-12ずつしていけばよい。
最大の数を求めたいので、
9 876 543 000 から考えてみる。
9-12-12+0=-15≡22 (mod 37)
2、1、0で作れる3桁の数を37で割った余りを求めると、
012≡12 (mod 37)
021≡-16 (mod 37)
102≡-9 (mod 37)
120≡9 (mod 37)
201≡16 (mod 37)
210≡-12 (mod 37)
となり、-15には出来ないので、ここには解が無いことが解る。
9 876 000 000 で考えてみる。
9-12=-3 (mod 37)
ここで、先の2、1、0の組み合わせの左辺に、333を加えれば、5、4、3の組み合わせと同じなので、2、1、0の組み合わせの中で、足して3 (mod 37)になるペアを探すと、
012≡12 (mod 37)
102≡-9 (mod 37)
のペアのみが見つかる。
102>012なので、
102 012
という6桁の数は37で割ると余りは3となり、
下3桁は012に確定し、
102+333=435
と残りも435と確定する。
答え 9876435012
福良さん、須貝さん、鶴崎さんの3人が集まっても解くのに時間が掛かった問題を、出来る限り速く解ける方針が見つかって、実際に解けたので、満足です。
それにしても、数オリは難しいなぁ。
ではでは