蔓延って漢字、それほど難しくないのに、なぜ漢字を使わないんだろう。
結論からいうと、蔓の字が常用漢字では無いために、法令で使うことが出来ないからなのです。
ではどうすれば法令で使えるようになるかというと、使用頻度が高まり、常用漢字に登録されれば、法令でも使えるようになるらしいです。
まん延以外でも、
障がい者を、障害者、障碍者と漢字表記出来る。
害は常用漢字だが、碍は常用漢字ではない。
障がい者と表記するのは、まん延とは違い、害の持つイメージが負のイメージだからであって、使わないようにしたにすぎず、それではと碍は負のイメージが無いので、常用漢字に登録しようとしたが、利用頻度が低いという理由からか、登録を見送られてしまったのです。
確かに碍を使う頻度って少ないなとは思う。
例えば日本ガイシというメーカーをご存知でしょうか。
このガイシが碍子という漢字で、電柱とか電線とかでよく使われる絶縁するための器具です。
碍(さまた)げるという訓読みがあるけれど、同じさまたげるならば、一般的には妨げるを使ってしまうだろう。
石偏からも解るように、マテリアルとしては碍子のような漢字は使われるが、利用頻度は業界の人くらいしか使わなそうではある。
例えば四字熟語を探してみると、
衣類無碍、弁済無碍、無辺無碍、融通無碍、
と見つかるが、いずれも無碍(むげ)として使われている。
これからも、利用頻度や活用頻度が少ないことが伺える。
そう言えば、自分のブログでも子供という漢字表記を避け、子どもとしているのは、供という漢字がお供え物の供という字の持つ意味から使わないようにしているのですした。
これが表音文字のデメリットのひとつでもあるのかもしれない。
漢字は一文字でも意味があるので、良いも悪いもイメージがある。
法令に使えないから、差別的意味合いを避けるために、他にもいろいろな理由があってひらがな表記やカタカナ表記にして回避していたりするのだろう。
でも、今どきは賢いIMEがあるので、難しい漢字でも難なく使えてしまうので、なんでわざわざ使わないという選択肢を取るのかという思いがあっただろう。
法令は誰でも読めなければならないという理由で、常用漢字に限定しているのだとしてもだ、その熟語が持つ意味を正しく知らなければ、書いてあることはちんぷんかんぷんであることに変わりがない。
ましてや日本語は同音異義語が多いので、漢字表記で間違いを減らす必要性もある。
常用漢字じゃなかったとしたら、ふりがなを振ればいいのではないだろうか。
蔓延を使っていくことで、蔓の漢字が利用される頻度が高まり、常用漢字になる可能性は高まるのであって、常用漢字じゃないから法令として使えない、法令として使えないから他の場所でも使わない、ということでは、これこそ負のスパイラルに入ってしまって抜け出せなくなってしまっているのではなかろうか。
法令としては使えないけれども、ニュースのタイトルとかには積極的に使って、世に浸透させるのが良いのではないかと、私は思うのでした。
ではでは