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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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六分儀を使って緯度経度を知る -その3-

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さて、ここまでは北極星の高度や太陽の南中高度を計測することで、観測地点の緯度を計算で求めることが出来る。
というところまでやりました。

とは言っても太陽の関しては年中調べられるまでの式を提示したわけではなく、夏至、冬至、春分の日、秋分の日の4日だけしか提示してません。
また、経度についてまだぜんぜん触れていません。
触れていないのは、説明が難しいからw。

太陽の南中時刻が解ると、経度を求めることが出来ます。

例えば、ある1つの観測地点で毎日、南中時刻を記録したとします。
そうすると、12時を跨いで、前後15分程度のズレが出てきます。
このズレを均時差(きんじさ)と言います。

この均時差を求める近似式があります。
この均時差は2つの三角関数の和となっています。

日付毎に並べてみると、


このグラフはエクセルで計算させて散布図でプロットしたものです。

このようなグラフになります。
横軸が日付で、曲線の左端が1月1日、右端が12月31日です。
縦軸は時刻の分です。

例えば、東経135˚の均時差の詳細データと、六分儀と、日本標準時(GMT+9)にセットされた日付と時刻が解る腕時計を付けて漂流していたとしましょうか。

2018年7月x日に太陽の南中高度を計ると12時ピッタリでした。
上記表で2018年7月x日の均時差を調べると-5分でした。
日本標準時の子午線は東経135˚です。

さて、観測値は経度何度でしょう。

地球が自転で1周するのに1日掛る。
1周は360˚なので、
360÷24=15
より、1時間で15˚回るとも言えます。

時刻と角度の単位が分、秒と同じなので、
時刻は時=h、分=m、秒=s
角度は度=˚、分='、秒="
とします。
1h=15˚
4m=1˚
1m=15'

まず、日本標準時子午線は兵庫県明石市を通ります。
明石市では、南中時刻が-5mなので、7月x日11時55分に太陽が真南に位置します。

漂流した人の観測地点では、南中時刻が7月x日12時00分でしたので、明石市よりも5分遅いことになります。

今回は、時間にして5sのズレでした。
角度としては1˚15'のズレとなります。

太陽は東から昇って、西に沈む。
よって、東経135˚の明石市よりも西に1˚15'
135˚-1˚15'=133˚45'
と経度が求まります。

つまり太陽の南中高度だけ解っても、観測場所の特定は出来ません。
太陽の南中時刻、均時差の詳細データが揃って、観測地点の経度が特定出来るということになります。

とりあえず、その3はこのへんで。


ではでは
 


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