とりあえず、小まとめをしてみます。
六分儀という機械を使うと、星などの高度角(仰角)を測ることが出来ます。
例えば、北極星の高度角から、観測地点の緯度が解ります。
計算式は、
北極星の高度=観測地点の緯度
です。
裏を返せば、北極星の高度だけでは、観測地点の経度は解りません。
これは、北極星はいつ何時でも、観測地点から同じ場所に見えるからです。
続いて、太陽の高度を測ったとしたらどうなるのか。
太陽の高度だけが解っても、観測地点の緯度や経度は解りません。
それは、太陽の高度は季節や時刻と共に変化するからです。
では、日付と時刻も記録したら何らかが求まるのか。
膨大なデータと照らし合わせれば、緯度経度を見つけ出すことは出来るかもしれません。
収集する方も、検索する方も、データが膨大であると大変ですよね。
というわけで、何かしら特定の太陽の高度についてであればデータ量が減って検索も楽です。
誰しもが共通の認識となるような太陽の高度。
それは、太陽が一番高く昇った状態、つまり南中高度である。
その時の時刻を南中時刻と言う。
では、観測地点の南中高度と南中時刻が解ると、何が求まるのか。
実はこれだけでも何も解りません。
これ以外に必要なものはデータです。
どんなデータかというと、均時差です。
均時差とは、日々の南中高度の時刻を記録したデータで、12時の前後何分の時差として記録されています。
また、このデータは2つのサインカーブの合成波と近似しており、近似式によって求めることが可能です。
観測地点の南中時刻と均時差の表があると、何が求まるのか。
南中時刻と均時差との差によって、経度のズレが計算出来る。
つまり、観測地点の経度が求まるということです。
六分儀によって観測する星は、
太陽
太陽系の惑星
月
太陽系以外の星(北極星、黄道十二星座など)
と4つのパターンとなることが数学的に解ってきます。
一番計算が簡単なのは、月と太陽系以外の星、続いて太陽、一番面倒なのは太陽系の惑星です。
天動説として地球を中心に考えて、他の星々の動きを式にするので、地球の衛星である月は簡単、また太陽系以外の星も、十分に距離が遠いので簡単となる。
続いて太陽であり、地球の公転と自転という2つの円運動の合成、つまり2つのサインカーブの合成波となる。
一番面倒なのは、その太陽を中心にまわる太陽系の惑星となり、更に円運動が1つ追加されることになるのは明白。
ここからは推測の域を出ないが、六分儀を購入すると、旧グリニッジ天文台での観測データないし近似式によるデータが添付されているのか、どこかのサイトにアクセスしてそのデータを入手出来るのではなかろうか。
でなければ、六分儀のパフォーマンスの半分も発揮出来ないという事になりかねない。
とりあえず、その4はこのへんで。
ではでは
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六分儀を使って緯度経度を知る -その4-
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