前回は、北極星の仰角が解ると、観測点の緯度が解ります。
というところまで考えてみました。
さて、いつでもどこでも北極星が見えるわけではありません。
星なので、基本夜の間しか見えません。
ならば、昼ならどうするか。
昼と言えば太陽ですよね。
では太陽から緯度を知るにはどうすればよいのか。
太陽は、同じ場所で観測すると、東から昇って、西に沈んでいく。
北極星のように観測する場所に関わらず一定の仰角にいません。
それはなぜかというと、
・地球は自転していること
・地軸が公転面に対して約23.4˚ズレていること
の2つが大きな要因かと思われます。
まず、地球は太陽系の惑星で、太陽の回りを公転しています。
この公転は平面上を回っていると考えてよいレベルのものなのでしょう。
実際は8の字を描いています。
私は天文学者や物理学者でないので、なぜそうなのかは説明できません。
地球は北極点と南極点を通る軸で自転しています。
その軸を地軸と言って、公転面と地軸が垂直な関係になく、約23.4˚の角度を保っています。
もし、地軸が公転面と垂直な関係にあったなら、太陽は常に赤道の真上を通ることになります。
先の北極星の例とは逆になりますね。
北極点または南極点に立っているとしたら、太陽は水平方向(仰角0˚)
これは正しいでしょうね。
赤道上に立っているとしたら、太陽は真上(仰角90˚)
と言いたいところなのですが、これはそういうタイミングであればそうとしか言えません。
例えば、赤道上の同じ観測地点で昼の12時といったように限定すれば、太陽は真上と言えるかと思います。
北極点や南極点以外の観測地点からでも、同様な何かしらの値を固定することで、観測地点の緯度を計算することが出来るということです。
その何かしらは日付を含めた時刻ですね。
私は日本に住んでいるので、日本を例にしてみます。
日本は赤道よりも北に位置するので、北半球ですね。
ですので、太陽は東から昇って西へ沈むのは変わらないが、太陽が天頂に見えることはなく、必ず南側に見えるということです。
(南半球であれば、北側に見えるのでしょうね)
そこで一番記録しやすいのが、太陽が真南に見えるときの仰角ということになります。
真南であるから、一番高度が高い位置になります。
その時の太陽の高度を太陽の南中高度、その時刻を南中時刻と呼ぶ。
南中高度は角度で表され、一番高度が高い時の太陽の仰角ということです。
そこで、簡単な例として、夏至や冬至という季節を考えてみます。
簡単に言えば、夏至は一番日が長く、当時は一番日が短い日です。
どんな関係式が出来るかというと、
[夏至の太陽の南中高度]=90˚-[観測地点の緯度]+23.4˚
[冬至の太陽の南中高度]=90˚-[観測地点の緯度]-23.4˚
という式になります。
一番右の項の値を見てください。
符号が違いますが、23.4˚という地軸の傾きが出てきました。
春分の日、秋分の日も考えてみましょう。
[春分の日の太陽の南中高度]=90˚-[観測地点の緯度]
[秋分の日の太陽の南中高度]=90˚-[観測地点の緯度]
この2つの日は地軸の傾きを無視出来る日ということも出来ますね。
観測地点の緯度が知りたいので、移項すると、
[観測地点の緯度]=90˚-[春分の日の太陽の南中高度]
[観測地点の緯度]=90˚-[夏至の太陽の南中高度]+23.4˚
[観測地点の緯度]=90˚-[秋分の日の太陽の南中高度]
[観測地点の緯度]=90˚-[冬至の太陽の南中高度]-23.4˚
これで、春分の日、夏至、秋分の日、冬至のときの、南中高度から観測地点の緯度が計算出来ます。
とりあえず、日にちが限定されたときの、緯度を求めることが出来ました。
まだ経度について触れていません。
1年365日求めたいということになるのだが、その2はこのへんで。
ではでは
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六分儀を使って緯度経度を知る -その2-
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