無限という言葉、幼少の子どもでも使うことがある、かなりポピュラーな単語である。
数学でいうところの無限を研究していた人として、
ドイツのリヒャルド・デデキント(1831/10/6-1916/2/12)
ドイツのゲオルグ・カントール(1845/3/3-1918/1/6)
と最近の研究者が多い。
しかし、インドのジャイナ教の経典であるスーリヤ・プラジュニャプティには、可算無限、不可算無限、無限の3つがあると書かれている。
この経典は紀元前400年から西暦200年ごろのインド数学らしいので、かなり昔から無限はかんがえられていたことになり、カントールの定義したℵ0(アレフゼロ:可算無限)、ℵ1(アレフ1:非可算無限)、ℵ2、…とも酷似しているように思える。
数学上の未解決問題として「連続体仮説」というものがあったが、1963年に「連続体仮説は証明も反証も出来ない命題である」ということが証明されました。
さて、可算無限と非可算無限とはなんぞや
可算とは、(漏れなく)数えることが出来る、非可算とは、数えることが出来ない、無限ということです。
例えば自然数は、1、2、3、…と無限に漏れなく数えることが出来ますので、可算無限(集合)です。
同様に、整数は、0、1、-1、2、-2、3、-3、…という数え方をすれば漏れなく数えることが出来るので、可算無限(集合)です。
では、正の有理数は可算無限(集合)でしょうか?、非可算無限(集合)でしょうか?
1/1 | 1/2 | 1/3 | 1/4 | 1/5 | … |
2/1 | 2/2 | 2/3 | 2/4 | 2/5 | … |
3/1 | 3/2 | 3/3 | 3/4 | 3/5 | … |
4/1 | 4/2 | 4/3 | 4/4 | 3/5 | … |
5/1 | 5/2 | 5/3 | 5/4 | 4/5 | … |
︙ | ︙ | ︙ | ︙ | ︙ |
のようにし、1/1、1/2、2/1、1/3、(2/2)、3/1、…と斜めに順番に数えることで可算無限(集合)だとしている。
確かに漏れはないのだが、同じ数を何度も数えているじゃんと思っていました。
∞-∞は不定なので、有理数はどの無限に属するのか怪しいとまで思っていました。
こういう私のようなひねくれた人間もいるだろう。
さて、先の記事でいろいろと互いに素の行列式を書いてきました。
有理数の定義として、m/nが整数の比で表せるものである。
つまり、既約分数を考えればよいわけで、m, nが互いに素であるが使える。
互いに素の行列式
R= | -1 | 2 | =R-1, S= | m | n | -m | -n | ||||
0 | 1 | n | m | n | m |
と定義し、行列の積RSを求めると、
行列の積RSの1列が親ノード、2~4列が子ノードの、
3進木構造であることがわかる。
ある互いに素な(m, n)、m>nを入れ、行列の積RSの1列(mp, np)を求める、求まった親をまた入れて、という操作を続けると、(2, 1)か(3, 1)のどちらかにたどり着く。
これらが、3進木の根である。
つまり、2変数が互いに素は、2本の3進木なので、漏れなく、ダブリもなく、根から子、孫、…、と数えていけるので、有理数は可算無限(集合)であると言える。
では、無理数はというと、これは数え上げることが出来ないので、非可算無限(集合)ということになります。
おまけ
Owndで互いに素、ピタゴラス数、アイゼンシュタイン数の親、子を行き来出来るツールを作っておきました。
画像クリックで飛びます。
Parentボタンで親へ、Childボタンで子へ、Randomボタンで適当な互いに素な(m, n)を設定し、(2, 1)ボタンは(3, 1)ボタンとトグルになっていますので、どっちの根の3進木なのかを選べます。
但し、Randomボタンを押したときは、
m-n≡0 (mod 2)のときは、(3, 1)
m-n≡1 (mod 2)のときは、(2, 1)
となるので、自動的に変化します。
ではでは