FBに面白い数学ネタがあったので、紹介します。
三角形の辺の長さが、a、b、cで、
それぞれが奇素数のとき、
この三角形の面積をSとすると、
S2の小数部は、3/16=0.1875となる。
例えば、a=3、b=5、c=7という三角形があったとする。
面積の2乗は、(15・9・5・1)/16=675/16となる。(求め方はあとで説明します。)
675/16=42.1875
確かに小数部は3/16=0.1875となっている。
三角形の3辺の長さから面積を求める公式としてヘロンの公式がある。
S=√(a+b+c)(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c)/4
これより、
S2=(a+b+c)(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c)/16
のように表せ、分母の16は容易に求まる。
では、分子の3はなんだろうか。
3辺の長さから面積の2乗を求める関数を
s(a,b,c)=S2
とする。
とりあえず、簡単なところから攻めてみる。
仮に、a=b=c、つまり正三角形のとき、
s(a, b, c)=s(a, a, a)=(3a)(a)(a)(a)/16=3a4/16
3a4≡3 (mod 16)
が示せればよい。
aは奇素数だが、ここでは奇数として考えてみる。
a2≡5±4 (mod 16)
a4≡1 (mod 16) ...(1)
3a4≡3 (mod 16)
これより、辺の長さが奇数の正三角形の面積の2乗の小数部が3/16になることが示せた。
仮に、b=c、つまり二等辺三角形のとき、
s(a, b, c)=s(a, b, b)=(2b+a)(2b-a)(a)(a)/16=(4b2-a2)a2/16=(4a2b2-a4)/16
4a2b2-a4≡3 (mod 16)
が示せればよい。
(1)式より、
4a2b2-1≡3 (mod 16)
4a2b2-1+1≡3+1 (mod 16)
4a2b2≡4 (mod 16)
4*4a2b2≡4*4 (mod 16)
16a2b2≡0 (mod 16)
仮に、a=b、つまり二等辺三角形のとき、
s(a, b, c)=s(a, a, c)=(2a+c)(c)(c)(2a-c)/16=(4a2-c2)c2/16=(4a2c2-c4)/16
これは、b=cのときと同様。
これらより、辺の長さが奇数の二等辺三角形の面積の2乗の小数部が3/16になることが示せた。
残りは、
3≤a<b<c<a+bのみを考えればよい。
b=a+2m
c=a+2m+2n<2a+2m
m, n∈N
m>0, n>0
とする。
s(a, b, c)=s(a, a+2m, a+2m+2n)
=(3a+4m+2n)(a+4m+2n)(a+2n)(a-2n)/16
=((2a+4m+2n)2-a2)(a2-(2n)2)/16
=(4(a+2m+n)2a2-16(a+2m+n)2n2-a4+4a2n2)/16
より、
4(a+2m+n)2a2+4n2a2-a4≡3 (mod 16)
が示せればよい。
(1)より、
4(a+2m+n)2a2+4n2a2-1≡3 (mod 16)
4(a+2m+n)2a2+4n2a2-1+1≡3+1 (mod 16)
4(a+2m+n)2a2+4n2a2≡4 (mod 16)
4(4(a+2m+n)2a2+4n2a2)≡4*4 (mod 16)
16((a+2m+n)2a2+n2a2)≡4*4 (mod 16)
よって、
3辺がすべて奇数の三角形の面積をSとすると、S2≡3 (mod 16)が常に成り立つ。
よって、3辺がすべて奇数の三角形の面積の2乗の小数部は3/16=0.1875となる。
実は、奇素数である必要はなかった。
もっと言えば、最後の
3≤a≤b≤c<a+b
b=a+2m
c=a+2m+2n<2a+2m
m, n∈N
m≥0, n≥0
という条件でやれば、先の正三角形や二等辺三角形での証明は不要である。
整数の合同式において、
a≡b (mod n) ∧ c≡d (mod n) のとき、
a+c≡b+d (mod n)
ac≡bd (mod n)
という性質があります。
これらの性質より、
整数mにおいて、am≡bm (mod n)
正整数q>0において、aq≡bq (mod n)
ということまで導ける。
ということを、高校の授業で習った記憶がないんだが、どうなんでしょうね。
3辺が整数の三角形について、もっと書くことがあるので、それは後々。
ではでは
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3辺が奇数の三角形の奇妙な性質
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