午後のひとときに数学の問題を解いてみる。
問題
19から80までを並べた192021…787980という124桁の数が、1980で割り切れることを証明せよ。
中学生の数学程度の難易度です。
考え方は、困難の分割です。
124桁の数の割り算を筆算やろうものなら大きな紙が必要になるだろうし、計算機でやろうとしても入力出来ないだろう。
まず、1980を素因数分解する。
1980=22・32・5・11
つまり、それぞれの素因数すべてで割り切れることを証明すればよい。
では、簡単なところからはじめます。
22・5=20で割り切れるかを考える。
末尾が80なので、20で割り切れるのは明白。
明白としたが、厳密に考えてみる。
80÷20=4
100÷20=5
より、20で割り切れる。 …(1)
32=9で割り切れるかを考える。
すべての桁を足し算し、それが9で割り切れればよい。
20から79までを十の位と一の位で分けて考える。
十の位は、
2×10+3×10+...+7×10=(2+3+4+...+7)×10=(2+7)×3×10=9×3×10 …(a)
一の位は、
(0+1+2+...9)×(7-2+1)=(0+9)×5×6=9×5×6 …(b)
19と80は、1+9+8+0=18=9×2
よって9で割り切れる。 …(2)
11で割り切れるかを考える。
奇数番目の桁の和と偶数番目の桁の和の差が11で割り切れればよい。
(a)と19と80より、偶数番目の桁の和は、9×3×10+1+8=279
(b)と19と80より、奇数番目の桁の和は、9×5×6+9+0=279
279-279=0
よって、11で割り切れる。 …(3)
(1)、(2)、(3)より、1980で割り切れる。
//
中学生程度の難易度と書いてしまったが、厳密な話しをするとなかなか難しい。
上記で端折った部分を書いてみよう。
ある数xが3で割り切れるということが、なぜxの各桁の和が3で割り切れることと同義なのか。
1桁の3の倍数は、0、3、6、9で、これらが3で割り切れるのは明白。
2桁の数を10a+bとする。但し、a、bは1桁の0または正の整数とする。
10は3で割ると余りが1である。
10a+b≡a+b (mod 3)
という合同式が成り立つ。
同様に、10n(但しnは0を含む自然数)も3で割ると余りが1になるので、
数学的帰納法より、ある数xが3で割り切れると、xの各桁の和が3で割り切れるは同義となる。
これは、9に対しても同じことが言え、10nを9で割れば余りが1なので、
ある数xが9で割り切れると、xの各桁の和が9で割り切れるは同義となる。
続いて11です。
1桁、2桁の11の倍数は、0、11、22、33、…、99で、十の位から一の位を引いた値は等しく0です。
102=100は11で割ると余りが1
103=1000は11で割ると余りが10
これらより、
102n≡1 (mod 11)
102n+1≡-1 (mod 11)
という合同式が出来る。
これより、偶数番目の桁の和と奇数番目の桁の和の差が11で割り切れれば良いとなります。
ぜんぜん中学生の数学の範疇じゃなかったですね。
小学校の算数のときに、こういう法則を習ったりして、不思議だなぁと興味を持って、算数や数学と長く接してくれることを願うばかりです。
算数や数学は、面倒くさいことを簡単にする方法を考えたりする学問だったりします。
なので、面倒くさがり屋さんこそ、算数や数学が楽しいのかもしれません。
問題
19から80までを並べた192021…787980という124桁の数が、1980で割り切れることを証明せよ。
中学生の数学程度の難易度です。
考え方は、困難の分割です。
124桁の数の割り算を筆算やろうものなら大きな紙が必要になるだろうし、計算機でやろうとしても入力出来ないだろう。
まず、1980を素因数分解する。
1980=22・32・5・11
つまり、それぞれの素因数すべてで割り切れることを証明すればよい。
では、簡単なところからはじめます。
22・5=20で割り切れるかを考える。
末尾が80なので、20で割り切れるのは明白。
明白としたが、厳密に考えてみる。
80÷20=4
100÷20=5
より、20で割り切れる。 …(1)
32=9で割り切れるかを考える。
すべての桁を足し算し、それが9で割り切れればよい。
20から79までを十の位と一の位で分けて考える。
十の位は、
2×10+3×10+...+7×10=(2+3+4+...+7)×10=(2+7)×3×10=9×3×10 …(a)
一の位は、
(0+1+2+...9)×(7-2+1)=(0+9)×5×6=9×5×6 …(b)
19と80は、1+9+8+0=18=9×2
よって9で割り切れる。 …(2)
11で割り切れるかを考える。
奇数番目の桁の和と偶数番目の桁の和の差が11で割り切れればよい。
(a)と19と80より、偶数番目の桁の和は、9×3×10+1+8=279
(b)と19と80より、奇数番目の桁の和は、9×5×6+9+0=279
279-279=0
よって、11で割り切れる。 …(3)
(1)、(2)、(3)より、1980で割り切れる。
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中学生程度の難易度と書いてしまったが、厳密な話しをするとなかなか難しい。
上記で端折った部分を書いてみよう。
ある数xが3で割り切れるということが、なぜxの各桁の和が3で割り切れることと同義なのか。
1桁の3の倍数は、0、3、6、9で、これらが3で割り切れるのは明白。
2桁の数を10a+bとする。但し、a、bは1桁の0または正の整数とする。
10は3で割ると余りが1である。
10a+b≡a+b (mod 3)
という合同式が成り立つ。
同様に、10n(但しnは0を含む自然数)も3で割ると余りが1になるので、
数学的帰納法より、ある数xが3で割り切れると、xの各桁の和が3で割り切れるは同義となる。
これは、9に対しても同じことが言え、10nを9で割れば余りが1なので、
ある数xが9で割り切れると、xの各桁の和が9で割り切れるは同義となる。
続いて11です。
1桁、2桁の11の倍数は、0、11、22、33、…、99で、十の位から一の位を引いた値は等しく0です。
102=100は11で割ると余りが1
103=1000は11で割ると余りが10
これらより、
102n≡1 (mod 11)
102n+1≡-1 (mod 11)
という合同式が出来る。
これより、偶数番目の桁の和と奇数番目の桁の和の差が11で割り切れれば良いとなります。
ぜんぜん中学生の数学の範疇じゃなかったですね。
小学校の算数のときに、こういう法則を習ったりして、不思議だなぁと興味を持って、算数や数学と長く接してくれることを願うばかりです。
算数や数学は、面倒くさいことを簡単にする方法を考えたりする学問だったりします。
なので、面倒くさがり屋さんこそ、算数や数学が楽しいのかもしれません。