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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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三角関数 -オイラーの公式と三倍角-

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5度系がまとまっても終わりじゃないんですよ。
まだまだ三倍角のやり残しはあるのです。

cos18˚から三倍角でcos6˚を求めてしまおうってわけです。

オイラーの公式を使って、18度系は求まっているので、それらに三倍角を適用しましょう。

一応、三倍角をおさらいしておきましょうか。


三倍角の公式
sin3θ = 3・sinθ - 4・(sinθ)^3
cos3θ = 4・(cosθ)^3 - 3・cosθ

これのcosの方を使う。

cos3θの値が解っているとして、cosθの値をxとおいて、式を変換していく。

cos18˚を例にする。

cos18˚ = y = √(10+2√(5))/4
cos6˚ = x

として、xを求めたいってことです。

先の三倍角のcosの式に代入すると、

y = 4x^3 - 3x
4x^3 - 3x - y = 0
x^3 - (3/4)x - y/4 = 0

と、ここまでは、中学生や高校生、はたまた強者小学生は導けるだろう。

ここでカルダノの解法を使います。

因みに、大学で数学を専攻していましたが、特に教えてもらったり、使った記憶はないので、自分で調べて覚えないとならないだろう。

x = u + v

とおいて、

(u+v)^3 - (3/4)(u+v) - (y/4) = 0
u^3 + 3u^2v + 3uv^2 + v^3 - (3/4)(u+v) - (y/4) = 0
u^3 + 3uv(u+v) + v^3 - (3/4)(u+v) - (y/4) = 0
u^3 + v^3 - (y/4) + 3uv(u+v) - (3/4)(u+v) = 0
u^3 + v^3 - (y/4) + (u+v)(3uv-(3/4)) = 0

x = u+v ≠ 0 の x を求めたいので、

u^3 + v^3 - (y/4) = 0 …(1)
かつ
(3uv-(3/4)) = 0 …(2)

を満たすuとvが見つかればよいという風に考えます。

(2)式より、

(3uv-(3/4)) = 0
3uv = 3/4
uv = 1/4
v = 1/(4u)

これを(1)式に代入すると、

u^3 + (1/(4u))^3 - (y/4) = 0

u≠0なので、両辺を(u^3)倍すると、

(u^3)^2 + 1/(4^3) - (y/4)(u^3) = 0

u^3 = Xとおくと、

X^2 - (y/4)X + 1/(4^3) = 0

という二次方程式になり、解の公式より、

X = u^3 = (-(-y/4)±√((-y/4)^2-4/(4^3))/2
= ((y/4)±√((y/4)^2-1/4^2))/2
= ((y/4)±(1/4)√(y^2-1))/2
= (y±√(y^2-1))/8

u^3 = (y+√(y^2-1))/8

として、(1)式に代入すると、

v^3 = (y-√(y^2-1))/8

となります。

つまり、uとvは可換(交換可能)であるということで、uとvを入れ替えても一般性は失われないということです。

さて、u^3を求めなくてはならないのです。

そこで登場するのが、ω(オメガ)です。

ωは3乗すると1になる複素数です。

求め方は、図形から計算するとわかりやすいです。

複素平面に単位円を描いて、実数直線上の1を頂点とし、単位円に内接する正三角形を描きます。

この正三角形の頂点の座標(実数部, 虚数部)で複素数として、

ω = (-1+√(-3))/2
ω^2 = (-1-√(-3))/2
ω^3 = 1

と固定しましょうか。

なぜ固定したかというと、ωとω^2は、どちらも2乗すると入れ替わってしまうので、固定しておくとあとあと便利かなと思います。

さて、ωを理解したところで、uを求めます。

u = {
ω^3・(y+√(y^2-1))^(1/3)/2 ,
ω^1・(y+√(y^2-1))^(1/3)/2 ,
ω^2・(y+√(y^2-1))^(1/3)/2
}

という3つが求まり、同様にvも

v = {
ω^3・(y-√(y^2-1))^(1/3)/2 ,
ω^2・(y-√(y^2-1))^(1/3)/2 ,
ω^1・(y-√(y^2-1))^(1/3)/2
}

となり、x = u + vから、

x = {
(ω^3・(y+√(y^2-1))^(1/3) + ω^3・(y-√(y^2-1))^(1/3))/2 ,
(ω^1・(y+√(y^2-1))^(1/3) + ω^2・(y-√(y^2-1))^(1/3))/2 ,
(ω^2・(y+√(y^2-1))^(1/3) + ω^1・(y-√(y^2-1))^(1/3))/2
}

となり、ここまで端折っちゃってもいいです。

さて、もう少し使いやすいように式を変形しましょうか。

yが有理化された分数であると想定して、分子をm、分母をnとします。

x = {
(ω^3・((m/n)+√((m/n)^2-(n^2/n^2)))^(1/3) + ω^3・((m/n)-√((m/n)^2-(n^2/n^2)))^(1/3))/2 ,
(ω^1・((m/n)+√((m/n)^2-(n^2/n^2)))^(1/3) + ω^2・((m/n)-√((m/n)^2-(n^2/n^2)))^(1/3))/2 ,
(ω^2・((m/n)+√((m/n)^2-(n^2/n^2)))^(1/3) + ω^1・((m/n)-√((m/n)^2-(n^2/n^2)))^(1/3))/2
}

となって、√の中の分母のn^2を外に出せます。

x = {
(ω^3・(m+√(m^2-n^2))^(1/3) + ω^3・(m-√(m^2-n^2))^(1/3))/(8n)^(1/3) ,
(ω^1・(m+√(m^2-n^2))^(1/3) + ω^2・(m-√(m^2-n^2))^(1/3))/(8n)^(1/3) ,
(ω^2・(m+√(m^2-n^2))^(1/3) + ω^1・(m-√(m^2-n^2))^(1/3))/(8n)^(1/3)
}

ここまでやっとけば、後が楽ですね。

さて、なんで答えが3つもあるの?って思った方。

例えば、三倍して18度になる角は何度ですか?と聞かれれば、18÷3=6で6度と答えるでしょう。

でも、360度でぐるっと一周しているわけですよ。

なので、(360+18)/3 = 126、(720+18)/3 = 246、も答えなんですよね。

また、三角関数はx軸にもy軸にも対象な図形なので、符号を変えたり、折り返したりと、使い回しができます。

さて、cos18˚からcos6˚を求めてみると。

cos18˚ = y = m/n = √(10+2√(5))/4
m = √(10+2√(5))
n = 4

m^2 = 10+2√(5)
n^2 = 4^2 = 16
m^2 - n^2 = -6+2√(5)

√(5) ≒ 2.2360679 < 3なので、√の中身が負となります。

cos6˚ = (ω^3・(√(10+2√(5))+√(-6+2√(5)))^(1/3) + ω^3・(√(10+2√(5))-√(-6+2√(5)))^(1/3))/(32)^(1/3)

cos126˚ = (ω^1・(√(10+2√(5))+√(-6+2√(5)))^(1/3) + ω^2・(√(10+2√(5))-√(-6+2√(5)))^(1/3))/(32)^(1/3)

cos246˚ = (ω^2・(√(10+2√(5))+√(-6+2√(5)))^(1/3) + ω^1・(√(10+2√(5))-√(-6+2√(5)))^(1/3))/(32)^(1/3)

やりかたがわかったかな?

かなり噛み砕いたから、高校生でも、中学生でも、はたまた強者小学生なら理解出来るだろう。

って、自分で文字に起こしてみて、三倍角の定型が出来ていることにも気が付きました。

やっぱり、他人に教えようとするのには、かなりの力が必要で、それによって自分も新たな発見があったりするわけだな。


さて、全部書くのは、別の記事にしましょう。

前の記事が5度系のまとめで、次の記事は6度系のまとめになります。

なんか、恐ろしいことの前振りになっているんだけど、分かる人には分かるだろうな。


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