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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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立体ができない!?

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https://twitter.com/wiitakato10/status/707153626779635712

まず、大前提として算数や数学の問題に示される図形は正確である必要はない。

むしろ、正確な図形を描いてしまうと、長さや角度はものさしや分度器で計測出来てしまうからである。

そもそも、算数や数学の公理や定義に従うと、紙の上に正確な図形を描くことは不可能である。


算数や数学の試験問題に限らないかもしれないが、示された値から、他の値を計算なり論理なりで導き解くものであり、値が示されていないものは未知であると考えるのである。


では、問題文から見てみましょう。

次の展開図を見て、立体の名前を書きましょう。

であるから、答えは立体の名前であるべきで、それ以外は論外であることになります。


では、展開図を見てみましょう。

示されているのは、4cm、6cm、8cmという値と、その展開図が正しいとして立体にしようとすると、明らかに余ってしまう部分が出来てしまうものである。


こういう縮尺がずさんな展開図では、先生も生徒も困ってしまうことは確かである。

この解答者は、「立体ができない」と解答しているが、余ったとしても立体は出来てしまうので、これが正しいとは言えないし、立体の名前でもない。


また、この展開図には角度が一つも示されていない。

そういう意味でもずさんな展開図ではあるのだが、実は難しい問題を秘めている。


上の展開図を6枚の面に分けると、いずれも「長方形」には見えるように描かているということ。

「広義の長方形」であれば、「正方形」も含むことになることはいうまでもない。

角度が示されていないので、「平行四辺形」ではなく「長方形」と言い切るには厳しいのだが、ここは百歩譲って「長方形」だとしよう。

下の展開図の「円らしきもの」も、横の径が10cmであることを示してはいるが、それが「真円」であることは明示していない。

つまり、私は「真円」ではなく「楕円」、もっといえば「広義の楕円」と考える。


もし、下の展開図の答えが円柱であるならば、円柱の側面になる長方形の横の長さを正確にしなければならないが、それをやることが不可能であることは、円周率が無理数であり、超越数であるからである。

そもそも、算数や数学の世界において、点は大きさを持たない、線は太さを持たない、面は厚みを持たない、という公理ないし定義があり、それを踏まえてしまうと紙の上に展開図を描くことは不可能であり、しいてはこのような問題文を作ることも不可能となる。


ただ、私がこの問題が難しい問題を秘めていると書いたのは、下の展開図の答えに「楕円柱」という解答をしたとしたら、先生は「円柱」と赤を入れるだろうか?ということである。


この試験問題において展開図の縦横の縮尺が、等しいのか、等しくないのか、これは未知である。

下の展開図の答えが、「円柱」もしくは「真円柱」を正解だとするならば、下の展開図も縮尺はずさんである。

上の解答に先生が赤を入れたことから考えて、展開図の縮尺がずさんではあるが、問題文や展開図に不備はないということだとするならば、私の結論として下の問題は「広義の楕円柱」が模範的な解答だと考えるに至った。

それでも先生は「広義の楕円柱」を×にし、「円柱」と赤を入れるのだろうか。


算数や数学の問題を作るということは、大変難しい問題ある。

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