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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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ラングレーの問題の内訳

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正角四角形とは、4つの角の角度(度数法)が整数の四角形であり、フランクリンの凧とも言われる。

そのなかで有名な数学の図形問題として、ラングレーの問題というものがある。

つまり、ラングレーの問題は正角四角形のうちの一つに過ぎないのだが、すべての正角四角形問題をラングレーの問題の類題として考えます。


正角四角形の総数は、自作プログラムで数えさせてみたところ、1002733個であった。
(なにぶん、arctanを使って求めているための誤差が、どこまでが誤差の範疇なのかが難しいところではあり、この値が今後の調査次第で前後することも考えられます。)


その内訳を数えてみようというのが今回の記事の目的である。


とりあえず、正角四角形ABCDは、線分ACと線分BDの交点をE、線分BCを底辺として、

値が提示されている角を
α=∠ABD
β=∠DBC
γ=∠BDA
δ=∠ACD

求めたい角を
θ=∠ADB

とする。

つまり、底辺とθを固定することで、回転解や鏡像解は別題の正角四角形であるとする。

例えば、左右鏡像であったとしても、θの位置が右隅に固定されているので、解法の途中までは同じかもしれないが、最後の詰めの計算式が異なることもあるためである。


では、数えてみよう。


一番多いのは、正角四角形が円に内接することだろう。

円に内接するということは、ラングレーの問題の条件から、α=δで簡単に判定出来る。
共通の底辺ADをもつ頂角αとδが等しいということは、円周角が等しいとなって、円に内接するのである。

数えてみると、939929個あって、正角四角形問題の約93.7%は、円に内接するということになる。

つまり、α=δであれば、θ=γとあっさり解けてしまうのである。


続いて、四角形の種類で分類してみる。


正方形は1個。
狭義の長方形(正方形を含まない)は88個、広義の長方形は89個。
狭義の菱形(正方形を含まない)は88個、広義の菱形は89個。

正方形や長方形は円に内接するが、狭義の菱形は円に内接しない。

狭義の平行四辺形(菱形、長方形、正方形を含まない)は4個、広義の平行四辺形は181個。

狭義の凧形(菱形、正方形を含まない)は15664個、広義の凧形は15753個。
円に内接する狭義の凧形は176個、円に内接する広義の凧形は177個。
円に内接しない狭義の凧形は15488個、円に内接しない広義の凧形は15576個。

AD//BCの狭義の等脚台形(長方形、正方形を含まない)は7832個、AD//BCの広義の等脚台形は7921個。
AB//DCの狭義の等脚台形(長方形、正方形を含まない)は7832個、AB//DCの広義の等脚台形は7921個。
狭義の等脚台形(長方形、正方形を含まない)は15664個、広義の等脚台形は15753個。

AD//BCの狭義の等脚台形は、錯覚によりθ=βとなるが、
AB//DCの狭義の等脚台形は、α+β+γ+δ=180˚より、AB//DCがわかり、∠BAC=∠BDCで円周角より□ABCDが円に内接することが解り、□ABCDが円に内接する台形、つまり等脚台形である。

狭義の台形(等脚台形、平行四辺形、菱形、長方形、正方形を含まない)は696個、広義の台形は16630個。


これらを踏まえて、


円に内接しないのは、狭義の菱形と、狭義の平行四辺形と、円に内接しない狭義の凧形、狭義の台形であり、

円に内接しない凸四角形は1002733-939929=62804個。

狭義の菱形88個、狭義の平行四辺形4個、円に内接しない狭義の凧形15488個、狭義の台形696個を引くと、46528個。


とりあえず表にまとめてみる。


円に内接する円に内接しない合計
正角四角形939929628041002733
正方形101
狭義の長方形88088
狭義の菱形08888
狭義の平行四辺形044
狭義の凧形1761548815664
狭義の等脚台形156640
15664
狭義の台形0
696
696
狭義の凸四角形924000
46528
970528


円に内接する円に内接しない合計
広義の長方形
89
0
89
広義の菱形
1
88
89
広義の平行四辺形
89
92
181
広義の凧形
177
15576
15753
広義の等脚台形
15753
0
15753
広義の台形
15842
788
16630
広義の凸四角形
939929
62804
1002733

円に内接するものは、いかなる四角形であったとしても、簡単にθを求めることができる。

円に内接しないものでも、菱形や凧形、つまり広義の凧形であれば、簡単にθを求めることができる。

狭義の台形のうち、AB//DCのものは、AB//DCであることだけではθを求めるまでには至らない。

残りの狭義の平行四辺形や狭義の台形は、AD//BCであることを示すことができれば、θ=βと錯覚によって求められるが、初等的に求めるのは難しいであろう。

よって、ここからは、狭義の台形の696個、狭義の凸四角形の46528個、計47224個(約4.7%)を更に分類することとする。


続いては、三角形の五心で分類してみる。


まずは、外心。

外心とは、三角形の外接円の中心である。

外心D:
△DBCがDを頂角とする二等辺三角形で、
∠BDC=2×∠BAC
ならば、
点Dは△ABCの外心となる。
これより、
DA=DB=DCとなり、
△DABもDを頂角とする二等辺三角形であり、
θ=180-2α

外心A:
点Aも同様に、△DBCの外心であれば、
AB=AC=ADとなり、
△ACDもAを頂角とする二等辺三角形であり、
θ=δ-(180-β-γ-δ)
=δ-180+β+γ+δ
=β+γ+2δ-180

外心B:
△ABCがBを頂角とする二等辺三角形で、
△DBCもBを頂角とする二等辺三角形であれば、
BA=BD=BCとなり、
点Bが△ACDの外心となる。
これより、
△BDAもBを頂角とする二等辺三角形であり、
θ=(180-α)/2

外心C:
点Cについても同様に、△ABDの外心であれば、
CB=CA=CDとなり、
△CDAもCを頂角とする二等辺三角形であり、
θ=(180-δ)/2-β

それぞれ3916個ずつ存在する。


正角四角形ABCDの頂点のいずれかが外心なので、正角四角形ABCDは円に内接しない。

但し、外心を頂点ごとに分類したが、これらには共通部分が存在する。

外心Aと外心Cには、(30,30,60,60)の菱形1個が共通。

外心Bと外心Dには、(60,60,30,30)の菱形1個が共有。

となるので、A, B, C, Dのそれぞれが外心となるのは、15662個となり、うち2個は狭義の菱形と共通となる。

また、

外心Aと円に内接しない狭義の凧形と43個が共通。
外心Bと円に内接しない狭義の凧形と43個が共通。
外心Cと円に内接しない狭義の凧形と43個が共通。
外心Dと円に内接しない狭義の凧形と43個が共通。

よって、菱形でも凧形でもない外心は、それぞれ3872個なのだが、他の五心との兼ね合いもあるので、ひとまず置いておく。


続いて、傍心。

傍心とは三角形の傍接円の中心である。

傍心D:
α=βかつ2δ+γ=180ならば、
点Dは△ABCの傍心。
θ=γ/2

傍心A:
γ=δかつ2α+β=180ならば、
点Aは△BCDの傍心。
θ=90-α+γ

傍心B:
α=2δかつ2γ+δ=180ならば、
点Bは△ACDの傍心。
θ=γ-β

傍心C:
δ=2αかつ2β+α=180ならば、
点Cは△ABDの傍心。
θ=2γ

傍心もそれぞれ3916個ずつ存在し、外心とまったく同じ菱形と凧形が共通している。

更に、狭義の台形部分でも共通するところがあるが、ひとまず置いておく。


続いて、内心。

内心E:
α=β かつ γ=δ であれば、
点Eは三角形FBCの内心。

実はEが内心のみでは、θを求めるまでには至らない。

最低でももう一つなんらかの条件が必要になる。

内心Et:
α=β かつ γ=δ かつ β+γ=60˚
ならば、
∠AED=120˚、∠DFA=60˚となり、
□FAEDは、対角の和が180˚より円に内接する。
これより、円周角の定理を使い、
θ=30˚

内心Eb:
α+δ=180˚ かつ β=γ=30˚
ならば、
θ=120˚-δ

内心Er:
α<45˚ かつ α=β かつ β+γ=120˚ かつ δ=30˚
ならば、
∠AEBの二等分線と線分ABとの交点をGとすると、
□EGBCは凧形、
△ECDは点Eを頂角とする二等辺三角形より、
EG=EC=ED
□EDAGも凧形となり、
θ=180˚-γ

内心El:
δ<45˚ かつ γ=δ かつ β+γ=120˚ かつ α=30˚
ならば、
θ=β-60˚

内心Ex:
内心Et、Eb、Er、Elには当てはまらないもの。
16個だけなので以下に示す。

(6,6,36,36) (36,36,102,24) (102,24,18,132) (18,132,6,6)
(6,6,72,72) (72,72,30,24) (30,24,54,96) (54,96,6,6)
(36,36,6,6) (6,6,132,18) (132,18,24,102) (24,102,36,36)
(72,72,6,6) (6,6,96,54) (96,54,24,30) (24,30,72,72)

すべての角が6の倍数であることに何らかの理由があるのだろうか。

内心Et、Eb、Er、El、Ex以外の円に内接しない内心Eはすべて、上記の傍心に含まれている。

内心という条件だけではθは求められないが、傍心であれば求めることが出来るので、傍心の解法に含むこととする。


表にまとめてみる。


円に内接しない
狭義の台形
(AB//DC)
円に内接しない
狭義の台形
(AD//BC)
円に内接しない
狭義の凸四角形
合計
総数
348
348
46528
47224
外心Aかつ傍心B
43
0
0
43
外心Aかつ傍心D
0
43
0
43
外心Bかつ傍心A
43
0
0
43
外心Bかつ傍心C
0
43
0
43
外心Cかつ傍心B
0
43
0
43
外心Cかつ傍心D
43
0
0
43
外心Dかつ傍心A
0
43
0
43
外心Dかつ傍心C
43
0
0
43
狭義の外心A
0
0
3786
3786
狭義の外心B
0
0
3786
3786
狭義の外心C
0
0
3786
3786
狭義の外心D
0
0
3786
3786
狭義の傍心A
0
0
3786
3728
狭義の傍心B
0
0
3786
3786
狭義の傍心C
0
0
3786
3786
狭義の傍心D
0
0
3786
3728
狭義の内心Et
0
0
58
58
狭義の内心Eb
0
0
58
58
狭義の内心Er
0
0
58
58
狭義の内心El
0
0
58
58
狭義の内心Ex
0
0
16
16
更に狭義の…
176
176
15992
16344

ここまでが、既存の線分の延長線及びその交点での範囲でしょう。

16360個(約1.63%)が残りました。

あとは、何らかの補助線やらを入れなければ、初等的にθを求めることは難しいだろう。


かきかけ


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