こちらも意外にちゃんとした論理パズルです。 pic.twitter.com/U9dtTMzYnP
— 池田洋介 (@ikeikey) June 24, 2022
太郎くんと花子さんが以下の会話をしている。
花子: | 「昨日6人でじゃんけんをしたらね、1回で勝ちと負けが分かれたの! 私は負けちゃったんだけど、勝ったのは何人だと思う?」 |
太郎: | 「何かヒントがなくちゃ分からないよ」 |
花子: | 「そうねぇ、そのとき6人が出した手の「伸びている指の本数」 を合わせたら、ちょうど太郎君の弟の年齢と同じになるわ」 |
太郎: | 「ふむふむ…(しばらく考える)…やっぱり分からないや」 |
花子: | 「ちなみに、すみれちゃんも負けたよ」 |
太郎: | 「そうか、分かった。勝ったのは ア 人だね」 |
花子: | 「当たり~!」 |
ア に入る数を答えよ。
シンキングタ~イム
とりあえず、全パターン、それに伴う伸びている指の本数を出してみましょうか。
グーが勝った場合、
グーが1人、チョキが5人:1✕0+5✕2=10
グーが2人、チョキが4人:2✕0+4✕2=8
グーが3人、チョキが3人:3✕0+3✕2=6
グーが4人、チョキが2人:4✕0+2✕2=4
グーが5人、チョキが1人:5✕0+1✕2=2
チョキが勝った場合
チョキが1人、パーが5人:1✕2+5✕5=27
チョキが2人、パーが4人:2✕4+4✕5=24
チョキが3人、パーが3人:3✕6+3✕5=21
チョキが4人、パーが2人:4✕8+2✕5=18
チョキが5人、パーが1人:5✕10+1✕5=15
パーが勝った場合
パーが1人、グーが5人:1✕5+5✕0=5
パーが2人、グーが4人:2✕5+4✕0=10
パーが3人、グーが3人:3✕5+3✕0=15
パーが4人、グーが2人:4✕5+2✕0=20
パーが5人、グーが1人:5✕5+1✕0=25
まず、最初のヒント「伸びている指の本数が弟の年齢と同じ」では太郎くんは答えを出せなかった。
つまり、答えが一意でなかったということになりますので、それらをピックアップしてみます。
グーが1人、チョキが5人:1✕0+5✕2=10
パーが2人、グーが4人:2✕5+4✕0=10
パーが3人、グーが3人:3✕5+3✕0=15
チョキが5人、パーが1人:5✕10+1✕5=15
太郎くん自身であれば、弟の年齢はヒントになって2つまたは4つになっているが、我々読者には分からない情報なので、4つにしか絞られていません。
太郎くん自身も読者同様に4つにしか絞られないパターンは、10歳と15歳の弟が両方いるパターンや、他にも弟が居るパターンということになります。
続いて、次のヒント「すみれちゃんも負けた」ということです。
これにより、花子さんとすみれちゃんの2人の負けが確定し、最低でも2人以上の負けがいることが分かりました。
グーが1人、チョキが5人:1✕0+5✕2=10
パーが2人、グーが4人:2✕5+4✕0=10
パーが3人、グーが3人:3✕5+3✕0=15
と、絞られた段階で、太郎くんは答えが分かったというのが、読者にとってのヒントとなります。
もし、太郎くんの弟の年齢が10歳であったならば、まだ太郎くんは答えを出せていないはずですが、しかし答えを出せています。
つまり、答えが出せたということは、太郎くんの弟の年齢は15歳であることが確定します。
パーが3人、グーが3人:3✕5+3✕0=15
答え 3
論理パズルは、論理的に物事を考えて解くことになります。
ときには数学の知識も必要になることもあるのは、数学も論理学の一つと考えられるからです。
小中高と算数、数学を学ぶが、論理学という科目は出てきません。
大学に行くと、あるところにはあります。
残念ながら、私の通っていた大学には論理学の一般教養科目はありませんでした。
小中高で論理学を学ばないというわけではなくて、代わりに算数や数学を学ぶことで、間接的にですが論理学を学ぶことになります。
世間一般的にみると、なんでも理詰めで解決出来るとは限りません。
しかし、物事を論理的に考えるということは、効率、平等、公平などを考えるには必要だったりします。
算数だけで生きていけるという人も、物事を何かの基準で分けて取捨選択をしているのです。
その何か解らないモヤモヤとした基準で、自分の人生を左右しても良いというのであれば、それはそれで良いのだろうが、明確な理由が必要な人も居るでしょう。
数学を学ぶということは、そういうことなんだと思います。
ではでは