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中学受験問題に物申す

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午後のひとときに、中学受験問題について考えてみる。

注意:リンク動画は、問題を解いたあとで見てください。

経緯から、
Youtubeを見ていたら、

 



なんか気持ちが悪い問題だなと思って、オリジナルに近いものを探してみる。
 

https://labo-g.net/archives/1711


こちらも動画がありました。

 


こんな問題を中学受験で出題するのか。

すごいなぁ。
ではなくて、気持ち悪いなぁ。
という印象なんです。

解説している人達が気持ち悪いわけではありません。
ちゃんと解説をしています。

私は人間が出来ていないので、小学生当時にこの問題に直面していたら発狂していたことでしょう。
今はもうおっさんですので、発狂まではしませんが、見ていて気持ち悪いという感情が湧きましたので、私が何に気持ち悪いと感じたのかが解るように改題を合わせて出題します。

オリジナル問題

約数をすべてたすと 195 となり,
約数の逆数をすべてたすと 2
17
24
 となる整数は     です.


改題

約数をすべてたすと 2976 となり,
約数の逆数をすべてたすと 2
16
23
 となる整数は     です.


改題といっても、数値をちょっといじっただけです。

皆さんには、動画を見ずに、オリジナル問題と改題を解いてみてください。


シンキングタ~イム


さて、皆さん解けましたでしょうか?

やっぱり中学入試問題は難しかったですか?

もしかしたら、オリジナル問題は解けなかったけど、改題ならば解けた人もいるかもしれません。

そうなんです。

改題は解けたがオリジナルは解けなかった。
そこにあるのです。

何を言っているんだコイツは?

とお思いでしょうが、もしかしたら私と同様に気持ち悪さに気がついた方もいるかもしれません。

気持ち悪さの原因は中学受験問題に帯分数が使われていることです。

中学受験するということは、通常の勉強に加えて、進学塾に通って猛勉強したことでしょう。
おそらく多少は中学の範疇に入る部分も前倒しで勉強してきたことでしょう。

それが仇になるかもしれない問題ということです。

オリジナル問題も改題も、解法に違いはありません。

手始めに、ある整数が6ならば、どのように計算するのかを考えてみます。

6の約数は、1、2、3、6の4つです。
1+2+3+6=12
これが約数の総和です。
約数の逆数の総和は、

1
1
1
2
1
3
1
6
6
6
3
6
2
6
1
6
6+3+2+1
6
12
6
=2

このように、通分して足すという計算になります。
さて、通分した際の分母はいくつでしょうか?
6の約数の最大の約数6、つまり6自身です。
通分した際の分子はいくつでしょうか?
6の約数の総和ですね。
この関係を利用して解きます。

オリジナル問題の解法
ある整数を□とすると、
約数の総和が195、
約数の逆数の総和が2と24ぶんの17(昔は2か24ぶんの17)、
ということが解り、
帯分数を仮分数に直したものが、約数の総和を□で割ったものと等しいので、

2
17
24
2×24+17
24
65
24
195
□=
195×24
65
=3×24=72

答え 72

改題の解法
ある整数を□とすると、
約数の総和が2976、
約数の逆数の総和が2と23ぶんの16(昔は2か23ぶんの16)、
ということが解り、
帯分数を仮分数に直したものが、約数の総和を□で割ったものと等しいので、

2
16
23
2×23+16
23
62
23
2976
□=
2976×23
62
=48×23=1104

答え 1104

改題しても、数値的に整合性が取れていれば解けますね。

さて、私は何で改題したのでしょうか?

そうです、帯分数表記が気持ち悪かったんです。

もし、帯分数表記を帯分数だと思わなかったら、どうなっていたでしょうか?

改題の解法の誤解
ある整数を□とすると、
約数の総和が2976、
約数の逆数の総和が2かける23ぶんの16、
ということが解り、

2
16
23
2×16
23
32
23
2976
□=
2976×23
32
=93×23=2139

答え 2139

と、答えが出てしまうのです。
オリジナル問題では、このようなに計算すると、□は整数になりませんので、もしかしたら帯分数だということに気がつくかもしれません。

オリジナル問題が解けなくて、改題が解けた方は、おそらくこちらの答えを導いてしまったのではないでしょうか?

理由は、日本において帯分数をほとんど見かけないし、中学、高校と数学をやっていくと、その表記方法が別の使われ方をしていることを知っているからに他なりません。

では、なぜ小学校で帯分数を教えるのでしょうか。

算数は数学と違って、現実社会で生活していく上で具体的に必要な計算を学ぶので、中学以降の数学は現実世界というよりも抽象的に物事を考えるように変化します。

算数や数学という学問は、もしかすると先生が居なくても、教科書を読んで正しく理解させできれば、かなり先に進むことが出来てしまう学問だと思います。

そういったこともあってか、小学生なのに大学生でも解くのに苦労しそうな問題を解いてしまったりする神童が現れたりもします。

数学、音楽、図工、体育といった科目ならば、神童と称されることがあるかとは思いますが、他の教科ではあまり耳にすることはないでしょう。

今回の問題は、せっかくの出来る子を数学嫌いにしてしまいかねない問題だと、私は思っていますし、出題者側がこの問題に帯分数を使う理由を知りたいところです。

変に読み取れば、勘違いして解いて間違ってしまえ、という悪意すら感じられてしまう。

本当に賢い子は、こんなところじゃ躓かないよ、ということなのでしょうか?

出来ない子を出来るように導くのは良い。
でも、出来る子を露頭に迷わすような問題ってどうなんだろうか。
算数や数学が楽しくて楽しくて、どんどんと先へ進んでいく生徒。
そういう出来る生徒からの質問に答えられない先生、出来る子は放おっておいても出来るから完全スルーする先生とか。

小学校の学問は、その学問に少しでも興味を持って貰えることを念頭に授業をするべきだと思う。
当然、出来ない子は、出来るようになるまで、興味が持てるようになるまでサポートするべきで、出来る子は素直に伸ばしてあげられるように、ちょっと先を見据えた良問をどんどんと与えられるように準備しておくとか。

さて、問題の帯分数ですが、皆さん日常で目にする機会ってありますか?

私は50年生きてきて、帯分数表記されたものなんて、数えるほどしかなかったし、あっても分数部分は1/2くらいで、明らかに掛けてはいけないと解るものに対してしか使われていました。

例えば、靴のサイズとか、帽子のサイズとか、特に海外製が多かったように思います。
おそらくインチ(約2.54cm)なので、1/2インチとかの単位にしないとフィットしないとかそういうことなのだろうが、海外の事情までは解らない。

グローバル社会ですから、たとえ日本では利用頻度が低かろうと、海外では一般的な表記方法の可能性もあるので、帯分数を教える意義は十二分にあるのだけれども、この表記方法にも利点もあれば、欠点もあることをちゃんと教えてあげて欲しいし、現実世界でこのような表記方法がどういったところで使われているのかを生徒に身を持って知っておいて欲しい。

算数の授業はある程度までいったら、中学や高校の数学でどんな数を扱うとか、そういう先の話しをしても構わないとさえ思っています。

また、昔の日本では尺貫法を使っていたとか、アメリカはヤード・ポンド法を使っているとか、数の単位についても教えてもいいかと思うし、それらの換算の仕方とかもグローバル社会で生きていくならば必要なことだろう。

別に共感を求めているわけでもないが、私と同じモヤモヤした気持ち悪さの原因に気づいて少しはスッキリ出来る可能性もあると考えて、記事にしてみました。


ではでは

 

 


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