午後のひとときに、自作の数学の問題を解いてみる。
問題
外周が60、各辺の長さが自然数の三角形ABCがある。
内角のいずれか一つ以上が自然数となる三角形をすべて求めよ。
シンキングタ~イム
今回の問題は余弦定理を使う。
c2=a2+b2-2ab・cos(θ)
a, b, c, θ(度数法における)がすべて自然数となるような三角形ということです。
θに入る値は限られますよね。
0˚<θ<180˚
というレンジで、cos(θ)が有理数ということです。
cos(60˚)=1/2
cos(90˚)=0
cos(120˚)=-1/2
ということで、
60˚、90˚、120˚の3種類だけです。
さて、ここまでは解ったとしても、どうすれば効率よく解けるのか。
ピタゴラス数として、
m>n>0
として、
a=m2-n2
b=2mn
c=m2+n2
は知っている人はいるが、60˚や120˚のときを考える必要があります。
60˚のとき、
a=m2-n2
b=2mn-n2
c=m2-mn+n2
120˚のとき、
a=m2-n2
b=2mn+n2
c=m2+mn+n2
とすることが出来ます。
また、
g=gcd(a, b, c)として、
ga+gb+gc=60
を考える必要があります。
これらを踏まえて、
θ=90˚のとき、
g(m2-n2)+g(2mn)+g(m2+n2)=2gm2+2gmn=2gm(m+n)=60
gm(m+n)=30=2×3×5
m<m+nを踏まえると、
g=1のとき、
5×6: (m, n)=(5, 1) ⇒ (a, b, c)=(24, 10, 26)
3×10: 不適
2×15: 不適
1×30: 不適
g=2のとき、
3×5: (m, n)=(3, 2) ⇒ (a, b, c)=(10, 24, 26)
1×15: 不適
g=3のとき、
2×5: (m, n)=(2, 3) 不適
1×10: 不適
g=5のとき、
2×3: (m, n)=(2, 1) ⇒ (a, b, c)=(15, 20, 25)
1×6: 不適
θ=120˚のとき、
g(m2-n2)+g(2mn+n2)+g(m2+mn+n2)=2gm2+3gmn+gn2
=g(2m+n)(m+n)=60=22×3×5
2m+n>m+nを踏まえると、
g=1のとき、
20×3: 不適
15×4: 不適
12×5: 不適
10×6: (m, n)=(4, 2) ⇒ (a, b, c)=(12, 20, 28)
g=2のとき、不適
g=3のとき、不適
g=4のとき、
5×3: (m, n)=(2, 1) ⇒ (a, b, c)=(12, 20, 28)
g≧5のとき、不適
θ=60˚のとき、
g(m2-n2)+g(2mn-n2)+g(m2-mn+n2)=2gm2+gmn-gn2
=g(2m-n)(m+n)=60=22×3×5
g=1のとき、不適
g=2のとき、不適
g=3のとき、
20×1: 不適
10×2: 不適
5×4: (m, n)=(3, 1) ⇒ (a, b, c)=(24, 15, 21)
4×5: 不適
2×10: 不適
1×20: 不適
g≧4のとき、不適
よって、
a≦b≦cとして、
(a, b, c)=
(10, 24, 26),
(12, 20, 28),
(15, 20, 25),
(15, 21, 24)
と4つが見つかるが、正三角形の
(20, 20, 20)
が漏れている。
漏れなく見つけるというのは結構大変という問題でした。
ではでは