午後のひとときに、自作の数学の問題の解答編です。
問題
n桁の自然数Nがあり、Nの各桁が逆順となったRがある。
m×N=Rとなる自然数mが存在するとき、
mが平方数であることを示すか、平方数でなければ反例を示せ。
という問題を作問しました。
シンキングタ~イム
かなり場合分けが多くなってしまった。
m×N=R、m≧1であるから、
N≧Rとなり、Nの一の位は1以上である。
NとRの桁数は等しいので、m≦9である。
これより、mは1桁の自然数と解る。
mが平方数でないと仮定すると、
m={2,3,5,6,7,8}のいずれか。
m=2のとき、
2N=Rとなり、Nの最上位は{1,2,3,4}のいずれかである。
Nの最上位が1のとき、
Rの最上位が{2,3}のいずれかであり、
これはNの一の位である。
Rの一の位はmN=Rより、2×2=4で4、2×3=6で6となり、
Nの最上位が1と異なり矛盾。
Nの最上位が2のとき、
Rの最上位が{4,5}のいずれかであり、
これはNの一の位である。
Rの一の位はmN=Rより、2×4=8で8、2×5=10で0となり、
Nの最上位が2と異なり矛盾。
Nの最上位が3のとき、
Rの最上位が{6,7}のいずれかであり、
これはNの一の位である。
Rの一の位はmN=Rより、2×6=12で2、2×7=14で4となり、
Nの最上位が3と異なり矛盾。
Nの最上位が4のとき、
Rの最上位が{8,9}のいずれかであり、
これはNの一の位である。
Rの一の位はmN=Rより、2×8=16で6、2×9=18で8となり、
Nの最上位が4と異なり矛盾。
m=3のとき、
3N=Rとなり、Nの最上位は{1,2,3}のいずれかである。
Nの最上位が1のとき、
Rの最上位は{3,4,5}のいずれかであり、
これはNの一の位である。
Rの一の位はmN=Rより、3×3=9で9、3×4=12で2、3×5=15で5となり、
Nの最上位が1と異なり矛盾。
Nの最上位が2のとき、
Rの最上位は{6,7,8}のいずれかであり、
これはNの一の位である。
Rの一の位はmN=Rより、3×6=18で8、3×7=21で1、3×8=24で4となり、
Nの最上位が2と異なり矛盾。
Nの最上位が3のとき、
Rの最上位は9であり、これはNの一の位である。
Rの一の位はmN=Rより、3×9=27で7となり、
Nの最上位が3と異なり矛盾。
m=5のとき、
5N=Rとなり、Nの最上位は1、Rの一の位は1、5Nは5の倍数より矛盾。
m=6のとき、
6N=Rとなり、Nの最上位は1、Rの一の位は1、6Nは偶数より矛盾。
m=7のとき、
7N=Rとなり、Nの最上位は1、Rの最上位は{7,8,9}のいずれかであり、
これはNの一の位である。
Rの一の位はmN=Rより、7×7=49で9、7×8=56で6、7×9=63で3となり、
Nの最上位が1と異なり矛盾。
m=8のとき、
8N=Rとなり、Nの最上位は1、Rの一の位は1、8Nは偶数より矛盾。
これらより、mは{2,3,5,6,7,8}ではない。
よって、m={1,4,9}のいずれかであり、mは平方数である。
Q.E.D.
さて、m×N=Rが成り立つNについて、
m=1は回分数なので、たくさんありすぎるので記述は控える。
m=4は、
4×2178=8712
4×21978=87912
4×219978=879912
4×2199978=8799912
4×21782178=87128712
4×21999978=87999912
4×217802178=871208712
4×219999978=879999912
4×2178002178=8712008712
4×2197821978=8791287912
4×2199999978=8799999912
…
m=9は、
9×1089=9801
9×10989=98901
9×109989=989901
9×1099989=9899901
9×10891089=98019801
9×10999989=98999901
9×108901089=980109801
9×109999989=989999901
9×1089001089=9801009801
9×1098910989=9890198901
9×1099999989=9899999901
…
といったように法則性が見えてくる。
法則1
間に9や0を挟み込む
4×2178=8712
4×21978=87912
4×219978=879912
4×219…978=879…912
…
9×1089=9801
9×10989=98901
9×109989=989901
9×109…989=989…901
…
4×21782178=87128712
4×217802178=871208712
4×2178002178=8712008712
4×21780…02178=87120…08712
…
9×10891089=98019801
9×108901089=980109801
9×1089001089=9801009801
9×10890…01089=98010…09801
…
法則2
ブロックの連結
4×2178=87128712
4×21782178=87128712
4×217821782178=871287128712
…
9×1089=9801
9×10891089=98019801
9×108910891089=980198019801
…
法則3
法則2と法則1の複合
これらの法則に則った解は自明とするならば、非自明な解は存在するのだろうか。
などと、新たな疑問が湧いてくる。
まぁ、これが数学なんだろう。
ではでは