午後のひとときに、Twitterで紹介されていた微分の問題について考えてみたい。
【問題】
— 数学 for 大学受験 (@Mathworld4) August 25, 2021
教員を目指している大学生にも考えてほしい問題。#mathworld4 #数学III #微分法 pic.twitter.com/TqGHCZS9dP
問題
『y=log|sin(x)|を微分せよ。』
という問に対する教科書の解答は以下である。
[解答]
y'= | (sin(x))' sin(x) | = | cos(x) sin(x) | ……(答) |
ここで、教科書の解答が | 1 tan(x) | ではなく、 |
cos(x) sin(x) | で止めている理由を説明せよ。 |
シンキングタ~イム
教員を目指している大学生に考えてもらいたい問題ということもあるが、高校生以上ならば考えてみる価値がある問題です。
普通に考えると、tan(x)=sin(x)/cos(x)は習うし、教科書にもそのように定義されている。
にも関わらず、教科書では1/tan(x)とせずに、sin(x)/cos(x)で止めたのだろか。
私の考える答えは、sin(x)、cos(x)は連続した関数だが、tan(x)は不連続だからだと考えます。
これは三角関数のグラフを描いたらすぐに解りますね。
不連続だと何がまずいのか、それは不連続なところで微分が出来ないからです。
それでは困るので、不連続な部分を除いた定義域というものを使います。
tan(x)の定義域は、-π/2<x<π/2
sin(x)やcos(x)には定義域はないが、log|sin(x)|には定義域があります。
X=|sin(x)|として、
logXの定義域は、0<X
となるので、
log|sin(x)|の定義域は、0<x<π
となります。
cos(x)/sin(x)であれば、この定義域で連続なので、問題はありません。
しかし、
1/tan(x)としてしまうと、x=π/2のとき、tan(x)は不連続で微分が出来ない。
高校生まではこういった解釈で良いかと思いますが、大学生ならばxを実数ではなく複素数まで拡張して考えたりも出来、解析接続で1/tan(x)を良しとする考えも出来ます。
また、高校生だとしても、limを使えば、1/tan(x)のx=π/2傾きを求めることは出来るだろうし、証明も出来るかと思うが、その辺はどうなんだろうか。
微分とは何かを考えなおす良問だと思いました。
ではでは