午後のひとときに、解けたらIQ180?と言われる確率の問題を解いてみる。
問題
ここに十分な大きさの袋があり、
中には有限個の玉が入っている。
玉は白玉と黒玉の2種類があって、
袋の中の内訳は、白玉が0ではない偶数個、黒玉が奇数個である。
また、手元には、十分な数の白玉と黒玉があります。
袋から同時に2個取り出して、取り出した2個を袋に戻さず、
取り出した2個が同じ色ならば、白玉1個を袋に入れ、
取り出した2個が違う色ならば、黒玉1個を袋に入れる。
この作業を袋の中の玉の個数が1個になるまで続けたとして、
最後に残った1個の玉の色と確率を求めよ。
当然だが、白玉、黒玉は色が違うだけで、大きさ、重さ、形状、手触りといった差はなく、袋の中に入っているものは見えないとします。
シンキングタ~イム
この問題が解けたとして、IQ180は行き過ぎかと思います。
さて、どのように考えれば解けるのでしょうか。
例えば、最終局面間近の袋の中に玉が2個のパターンは、
白玉が2個
黒玉が2個
白玉と黒玉が1個ずつ
の3パターンしかないのだから、最後の1個の玉は袋に入れる玉なので、
白玉になる確率が2/3、黒玉になる確率が1/3
と考えてしまうかもしれませんが、…
考え方としてはそこまで悪くないのですが、これは間違いです。
なぜかというと、次の解説を読むことで納得出来るかと思います。
袋の中から2個取り出して、1個戻すので、袋の中では玉の個数は必ず1個ずつ減ります。
というわけで、袋の中の白玉、黒玉の増減に着目します。
白玉が2個の場合、白玉を1個入れ、袋の中では白玉が1個減った。
黒玉が2個の場合、白玉を1個入れ、袋の中では黒玉が2個減って白玉が1個増えた。
白玉と黒玉が1個ずつの場合、黒玉を1個入れ、袋の中では白玉が1個減った。
となります。
ここで、袋の中では、
白玉は、1個減ることもあれば、1個増えることもある。
黒玉は、増えることはなく、減るとしたら必ず2個ずつ減る。
ということが解ります。
よって、初期状態の黒玉は奇数個なので、黒玉が減るとしても2個ずつなので、どんな局面であっても黒玉は常に奇数個ということになり、最後の1個は100%黒玉ということになります。
つまり、先の考えでは、
最終局面間近の袋の中の玉が2個のときは、
白玉が2個
黒玉が2個
白玉と黒玉が1個ずつ
の3パターンとしましたが、実はこれが大きな間違いで、
白玉と黒玉
の1パターンしか有りえません。
よって、最後の1個となる玉は、戻す玉である黒玉ということになり、100%黒玉が残るということです。
白玉の初期の個数は偶数個でも奇数子でも構わないということではありますが、あえて白玉と黒玉が奇数個入っている設定にしたりしても面白いかもしれません。
今回の問題では、白玉を偶数個、黒玉を奇数個と、抽象的な値にしましたが、具体的な値であっても条件さえ変更しなければ、結果は同じになります。
例えば、玉の個数を有限個と値が解っていると、全パターンを考えてしまったりして、逆に土壺にハマる可能性もあります。
有限個、偶数個、奇数個といった抽象的な値であったことから、全パターンを考えるのは時間の無駄と諦めて、別の解法を模索出来るという利点もあったかもしれません。
実際に同じ環境を作って、手品や予言のようなことができそうですよね。
ではでは