昨日、コマ大数学科で紹介された「素数ものさし」について書いてみる。
「素数ものさし」とは、京都大学の生協で577円で販売されている、不便極まりないグッズである。
全長18cmで、長方形の2長辺が「ものさし」として使えるようになっており、片方は端から2から17までの素数cmで目盛りが刻まれ、もう片方は端から2から179までの素数mmで目盛りが刻まれている。
はたして、このものさしで、18cm以下の自然数cm、180mm以下の自然数mmを測ることができるのかということです。
18cm以下のケースを図にしてみました。
右端の1cmを利用しているものを赤、利用していないものを青で示してあります。
右端の1cmがなくても、15cmまで測れるということが解ります。
例えば、全長奇数cmだとすると、
全長5cmのとき、4cmが計測不能
全長7cmのとき、6cmが計測不能
全長9cmのとき、8cmが計測不能
・・・
全長(2n+3)cmのとき、(2n+2)cmが計測不能 (n>0)
では、全長が偶数cmなら万全かというと、そうでもない。
全長10cmのとき、9cmが計測不能
全長16cmのとき、15cmが計測不能
全長22cmのとき、21cmが計測不能
・・・
全長(6n+4)cmのとき、(6n+3)cmが計測不能 (n>0)
これらより、全長(2n+3)cm、全長(6n+4)cmのものさしは明らかな欠陥品となる。
簡単に言えば、左端は一番小さな素数の2であるから、(全長-2)cmは計測できる。
(全長-1)cmが計測出来るようにするには、左端に1cmを刻むことは「素数ものさし」としていることから出来ないので、右端に1cmがあればよく、全長を(素数+1)cmとすることで、(素数-1)cmを計測できることとなる。
では、全長(素数+1)cmならば万全なのだろうか?
などと、数学的興味を引くわけです。