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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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立って半畳寝て一畳

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午後のひとときに、単位について考えてみようかと思う。


今日本で使われている一般的な単位というと、大体がメートルを基準にしたものが多いだろう。

1cm3の量を1ccとか、
1cm3の水の重さを1gとか、
1gの水を1度上げるのに必要なエネルギーを1カロリーとか、

では、メートルはどこから持ってきた単位なのかというと、時代ととともに変化している。

元々は、北極点と赤道との海抜0における子午線の長さの百万分の1を1メートルとしたとか、
今現在は、1秒の299792458分の1の時間に光が真空中を伝わる距離を1メートルとしている。

では、1秒はという話しになるが、
元々は1日の長さの86400分の1を1秒としたが、
今現在は、セシウム原子時計によって決められている。
日本においては、国立天文台にあるセシウム原子時計が日本の時刻を決めているわけで、そのハードウェアを作った会社に私は勤めていたわけで、国立天文台にも仕事で何度か訪れたこともあるが、そのハードウェアの現物を見たことはない。

距離、面積、体積や容積、重さ、エネルギー、いずれもメートルが関わっているわけです。

例えば、ゴルフとかを見ていると距離の単位はヤード、ボーリングの球の重さはポンド、工具はインチ、などなど、日本に置いても名前としては知っているが実際の値は?と聞かれるとなかなか困ってしまう。


日本では尺貫法といって、長さは尺、寸、といった単位が、重さは貫、体積や容積は升や合といった単位があったが、今はなかなか目や耳にする機会が減ってしまったと思う。

実は、これらの単位って、人間の体の一部を反映させたりしているので、身体尺とか、身度尺とか呼ばれていて、これらが結構面白いんです。

人間の体が基準とされているので、個体差によるもので多少のズレが生じたりはするが、どんぶり勘定で考える場合は、結構理にかなっていたりする。

1フィート=12インチ=30.48cm
1尺=10寸=1000/33m≒30.30cm

という換算になるが、1フィートと1尺はかなり親しい値であることが解る。

1ヤード=3フィート=36インチ=91.44cm
1マイル=1760ヤード=5280フィート=63360インチ=160934.4cm=1609.344m

1間=1歩=6尺=6000/33m≒181.81cm
1町=60歩=360尺≒109.090m
1里=36町=2160歩=12960尺≒3.92727km


といったように換算されていくが、面白いことにどちらも36倍していたりすること。

例えば、赤道を一周すると1万里くらいになる。

尺貫法が一般的に使われていたころ、身長は5尺何寸何分という長さになるためか、5尺を省いて何寸何分と言っていたらしく、現代においても、1m何cmの1メートルを省いて何cmと言うのと同じことですね。

ポンドは重さの単位だが、これは成人が1日に摂取する小麦の量ということなので、肉などを買うときに、食べる人の人数によって何ポンドという計算が楽に出来る。

パウンドケーキは、小麦、砂糖、バター、卵といった素材をそれぞれ1ポンドずつ使うからとか。
マクドナルドのハンバーガーにクオーターパウンダーというのがあるが、1/4ポンドということですね。

日本の体積や容積は升を使って計測していたのですが、お米1合は成人の1食分のご飯の量と考えられているので、今でも合を使うが1日3食のライフスタイルだが、昔は朝餉、夕餉という言葉があった通り、1日2食のライフスタイルですね


合は容積だが、お米を計測した場合の重さで比較してみると、

1ポンド=453.59237g
お米3合≒450g

と、これも親しい値になる。

人間の体を基準にした単位系なので、こういうことが起こるのは偶然というよりも必然なのでしょう。

アメリカがヤード・ポンド法を使い続けているのを、メートル法に直せという人が多くいるようですが、日本も尺貫法の一部を畳の大きさや米の量などで使い続けているので、これをやめるというのは、体に染み付いているのでやめるのは難しいのでしょう。


ではでは

 

 


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