昨日の灘中の問題で、様々な倍数判定を紹介しましたが、あの問題に特化した倍数判定しか説明していません。
というわけで、今日はいろいろな倍数判定を考えてみようという趣向です。
【2の倍数判定】
下1桁が2の倍数である。
【4の倍数判定】
下2桁が4の倍数である。
【8の倍数判定】
下3桁が8の倍数である。
…
【2nの倍数判定】
下n桁が2nの倍数である。
のように、2の冪乗の倍数判定となります。
【3の倍数判定】
各桁の合計が3の倍数である。
【9の倍数判定】
各桁の合計が9の倍数である。
これも昨日やりましたが、3の倍数判定は特に言及しませんでした。
では、33=27の倍数判定はどうすればよいのでしょうか。
【27の倍数判定】
27×37=999を利用する。
昨日の2441880が27で割り切れるかを考えてみます。
2441880=2441×1000+880
=2441×999+2441+880
=2441×27×37+2441+880
2441×27×37が27の倍数であることは明らかですね。
ですので、2441+380が27の倍数であるかを考えれば良いということです。
2441+880=3321
3321=3×1000+321
=3×999+3+321
=3×27×37+3+321
3+321=324
324÷27=12...0
というわけで、27で割り切れましたね。
同様に、割る数を37にすれば、37の倍数判定でも使えます。
【5の倍数判定】
下1桁が0か5である。
【25の倍数判定】
下2桁が00、25、50、75である。
【7の倍数判定】
7×11×13=1001を利用します。
昨日の2441880が7で割り切れるかを考えます。
2441880=2441×1000+880
=2441×1001-2441+880
=2441×7×11×13-2441+880
-2441+880が7で割り切れれば良い。
2441-880=1561=1×1000+561=1×1001-1+561=560
560÷7=80...0
より7で割り切れる。
560÷11=50...10
より11で割り切れない。
560÷13=43...1
より13で割り切れない。
7、11、13という素数3個分の判定が出来るので、これは覚えて置くべきでしょうね。
では、それよりも大きな素数の倍数判定はどうでしょうか。
9…9
10…01
のような数を素因数分解できれば良さそうですね。
【17の倍数判定】
17×5882353=100000001=108+1
というものがありますが、かなり大きな数の判定であれば有効でしょうが、昨日の2441880では使えませんね。
というわけで、別の方法です。
2441880が17で割り切れるかを考えます。
244188-5×0=244188
24418-5×8=24378
2437-5×8=2397
239-5×7=204
20-5×4=0
これは解説が必要ですね。
2441880を244188と0に分けます。
後者を5倍した値と前者との差が17で割り切れれば良い。
x=10a+b
両辺を5倍する
5x=50a+5b
=51a-a+5b
=(3×17)a-a+5b
つまり、下1桁を削った数と、下1桁の5倍の数の差が、17で割り切れれば良い。
【19の倍数判定】
19×7×11×13×52579=1000000001=109+1
というものがありますが、これも17の倍数判定同様に、かなり大きな数の判定であれば有効でしょうが、昨日の2441880では使えませんね。
というわけで、別の方法です。
2441880が19で割り切れるかを考えます。
244188+2×0=244188
24418+2×8=24434
2443+2×4=2451
245+2×1=247
24+2×7=38 ←この辺で19の倍数だと解るでしょう。
3+2×8=19
これも解説が必要ですね。
x=10a+b
両辺を2倍する
2x=20a+2b
2x=19a+a+2b
つまり、下1桁を削った数と、下1桁の2倍の和が、19の倍数であれば良い。
【23の倍数判定】
17や19のやり方で考えてみましょう。
x=10a+b
両辺を7倍する。
7x=70a+7b
=69a+a+7b
=(3×23)a+a+7b
つまり、下1を削った数と、下1桁の7倍の和が、23の倍数であれば良い。
【29の倍数判定】
x=10a+b
両辺を3倍する。
3x=30a+3b
=29a+a+3b
つまり、下1を削った数と、下1桁の3倍の和が、29の倍数であれば良い。
【31の倍数判定】
x=10a+b
両辺を3倍する。
3x=30a+3b
=31a-a+3b
つまり、下1を削った数と、下1桁の3倍の差が、31の倍数であれば良い。
【37の倍数判定】
27の倍数判定を参照。
【41の倍数判定】
x=10a+b
両辺を4倍する。
4x=40a+4b
=41a-a+4b
【43の倍数判定】
x=10a+b
両辺を13倍する。
13x=130a+13b
=129a+a+13b
=(3×43)a+a+13b
【47の倍数判定】
x=10a+b
両辺を14倍する。
14x=140a+14b
=141a-a+14b
=(3×47)a-a+14b
【49の倍数判定】
7×7=49なので、素数ではないけれども、同様の方法が使えます。
x=10a+b
両辺を5倍する。
5x=50a+5b
=49a+a+5b
50以下の素数はとりあえず網羅してみました。
ただし、43や47は九九の範囲ではなく、2桁の掛け算をしなければならないので、現実的ではないかもしれません。
他にも判定方法はありますので、今回はこのへんで。
ではでは
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倍数判定を考える
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