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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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連続した5つの整数の積が2441880であるとき

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午後のひとときに、算数の問題を解いてみる。

問題

連続した5つの整数の積が2441880であるとき、
これら5つの整数のうちの最も小さい整数は□である。


2002年灘中の入試問題である。

つまり、
小学生が解くということ、
入試なので時間との勝負であること、
を念頭において、…

シンキングターイム。


1) 大雑把に当たりを付ける

105=100000
205=25×105=32×100000=3200000

より、
2441880は、10から20までの数をいくつか使っているのだろう。
 


2) 2441880が9で割り切れるかを考える。

2+4+4+1+8+8+0=27
2+7=9
より、9で割り切れる。

9の倍数が1つあるか、
9の倍数はなく、3の倍数が2つあるか、
のどちらかである。


3) 2441880が11で割り切れるかを考える。

2-4+4-1+8-8+0=1
より、11で割り切れない。

11や22が含まれないことが確定。


4) 2441880が7で割り切れるかを考える。

2441880
2441-880=1561
1561-1001=560=7×8×10
より、7で割り切れる。

7の倍数が1つは入る。


5) 2441880が16で割り切れるかを考える。

2441880
1880÷16=117...8
より、16で割り切れない。


答え 17


解説をします。

1)
連続した5つの整数の積と、中央の整数の5乗を比較すると、
105=100000
8×9×10×11×12=95040
205=25×105=32×100000=3200000
18×19×20×21×22=3160080
あくまでも当たりを付けるためのものなので、簡単に計算出来る10や20が妥当だということが解る。

2)
9の倍数判定は、簡単に出来るので、まずはやってみる。
2+4+4+1+8+8+0=27
2+7=9
より、9で割り切れる。
なぜ、こういう計算で判定が出来るのかは、高校のmodを使って説明してもよいが、小学生には少し早いので、小学生レベルで話しを進める。
10-9=1
100-99=1
1000-999=1

より、
2441880÷9は、
2×1000000÷9=?...2
4×100000÷9=?...4
4×10000÷9=?...4
1×1000÷9=?...1
8×100÷9=?...8
8×10÷9=?...8
0×1÷9=?...0
のように考えることが出来、
2+4+4+1+8+8+0=27
まぁ、27が9の倍数であることは直ぐに解るが、
27÷9も、
20÷9=?...2
7÷9=?...7
より、
2+7=9
と出来るわけである。

3)
11の倍判定も9の倍数判定と同様に考えられるが、マイナスの余りも考える。
10÷11=0...10=1...-1
100÷11=9...+1
1000÷11=90...10 → 10÷11=1...-1
10000÷11=900...100 → 100÷11=9...+1

のようになり、余りが-1と+1が交互に現れることとなる。
末尾から奇数桁が-1倍、偶数桁が+1倍されるので、
2×1000000÷11=?...+2
4×100000÷11=?...-4
4×10000÷11=?...+4
1×1000÷11=?...-1
8×100÷11=?...+8
8×10÷11=?...-8
0×1÷11=?...+0
ということになり、
2-4+4-1+8-8+0=1
なので、
2441880÷11=?...1
となる。
もっと言えば、2連続する同じ数は打ち消せるということでもあり、
2441880と消して210

2-1+0=1
と更に素早く計算することも可能である。

4)
7の倍数判定
7×143=1001=1000+1を利用する。
2441880=2441×1000+880=2441×1001-2441+880
-(2441-880)=-(1561)
1561-1001=560
560=10×7×8

5)
いきなり16の倍数判定をやっているかのように見えますが、
4つの連続した整数は、必ず24=3×8で割り切れるという性質がありますので、
8の次の16の倍数判定ということです。

5-1)
連続した2つの整数は、必ず2で割り切れる。
これは2つの整数のうち、どちらか1方は必ず2の倍数だからです。

5-2)
同様に、
連続した3つの整数は、必ず6で割り切れる。
これは3つの整数のうち、いずれか1つは3の倍数だから、5-1)の2と3を掛けて6です。

5-3)
同様に、
連続した4つの整数は、必ず24で割り切れる。
これは4つの整数のうち、いずれか1つは4の倍数だから、5-2)の6と4を掛けて24です。

5-4)
同様に、
連続した5つの整数は、必ず120で割り切れる。


問題文に連続した5つの整数としているので、8で割り切れることは明白ですが、問題文にこのような記述がなかったとしたらどうやって判定するのか。
2で割り切れることは、下1桁が2で割り切れれば良い。
4で割り切れることは、下2桁が4で割り切れれば良い。
8で割り切れることは、下3桁が8で割り切れれば良い。
16で割り切れることは、下4桁が16で割り切れれば良い。

のように理解していればよい。
10÷2=5...0
100÷4=25...0
1000÷8=125...0
10000÷16=625...0

よって、
2441880=244×10000+1880
1880÷16=177...8


1)で大雑把ではあるが当たりを付け、
2)で9の倍数だと解かり、
3)で11の倍数ではないことが解り、12から21の間で構成されていると絞り込まれ、
4)で7の倍数は含まれることが解ったが、思ったほど絞り込みは進まず、
5)で完全に1つに絞り込まれました。

おそらく灘中に合格するような生徒であれば、4)はやらないということもある。
3)の段階で、
一番小さい場合は、12×13×14×15×16
一番大きい場合は、17×18×19×20×21
仮に2441880が7で割り切れなかったとしても、
一番小さい場合は、15×16×17×18×19
一番大きい場合は、16×17×18×19×20
の2パターンになって、もう一つ何かしらの計算をしなければならず、
2441880が15や18や20で割り切れることは明白で、
17や19の倍数判定もあるのだろうが、
16の倍数判定のほうが優先順位として高いと考えるだろう。


私は、灘中に受かるとは思えないので、受かっている人の計算スピードや瞬時の判断は計り知れない。
ある程度論理的に事を進めたと判断するならば、こんなことをやっているのだろう。
というところまでしか考えられません。

人生の時間は有限である。
その有限の時間を出来る限り有意義に過ごすためには、悔いを残さない様は瞬発的な判断も要求されるのだろう。


ではでは


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