表題の通り、Excelで計算していきます。
こんな感じの対応表を作りました。
各セルの設定は、以下の通り。
目に見えるものしか信じない人は、こういう実データを見るのがよいでしょう。
行列の積とは、すなわち連立方程式を解くことと同義である。
I3、I4セルに、値を入力すると、他のセルは一気に計算されます。
とりあえず、2、1を入れてみよう。
(m, n)=(2, 1)は互いに素の3進木の根であるので、P3、P4セルの(0, 1)と親ベクトルが互いに素ではなくなる。
三つ子のそれぞれのベクトルは、互いに素を継承している。
ピタゴラス数のQ、R、S列は互いに素を保っているが、
アイゼンシュタイン数のR、S列は3を約数に持っている。
ここが、先の記事で書いた、(m, n)が互いに素でも、アイゼンシュタイン数は互いに素になるとは限らないということ。
互いに素な(m, n)
m-n≡0 (mod 3)
mn≡1 (mod 3)
となるようなケースにおいて、アイゼンシュタイン数
(a, b, c)=(m2-n2, 2mn+n2, m2+mn+n2)
は3を約数に持ってしまうようである。
m2-n2≡0 (mod 3)
(m+n)(m-n)≡0 (mod 3)
m-n≡0 (mod 3)より自明
//
2mn+n2≡0 (mod 3)
mn≡1 (mod 3)より、
n2≡-2 (mod 3)
n2≡1 (mod 3)
n≡0 (mod 3)のとき、n2≡0 (mod 3)となるが、
m≡0 (mod 3)なので、m, nが互いに素に反する。
n≢0 (mod 3)のとき、
n=3x+1のとき、(3x+1)2=9x2+6x+1≡1 (mod 3)
n=3x+2のとき、(3x+2)2=9x2+12x+4≡1 (mod 3)
より、
n2≡1 (mod 3)
//
m2+mn+n2≡0 (mod 3)
m2+mn+n2-3mn≡0 (mod 3)
m2-2mn+n2≡0 (mod 3)
(m-n)2≡0 (mod)で自明
//
とりあえず、この記事ではExcelの対応表を作ることが目的でしたが、結果的に互いに素でないアイゼンシュタイン数が出来てしまう事例も解明できました。
他にもあるかもしれないが、それは見つかり次第、考えることとする。
ちなみに、本当に(m, n)が互いに素であれば、既約ピタゴラス数なのか、アイゼンシュタイン数なのか、怪しいという意見もあるかと思うので、
I5セルに、=GCD(I2:I4)
I5セルをコピーして、Q5からS5までを選択してペースト。
I16セルに、=GCD(I13:I15)
I17セルに、=DEGREES(ACOS((I15^2-I13^2-I14^2)/(-2*I13*I14)))
I16からI17までを選択してコピーして、Q16からS16までを選択してペースト。
I16からS17までを選択してコピーして、I28にペースト。
17行が、すべて90という値を示していれば、∠C=90˚ということなのでピタゴラス数である。
29行が、すべて120という値を示していれば、∠C=120˚ということなのでアイゼンシュタイン数である。
5行、16行、28行は、最大公約数を求めている。
互いに素とピタゴラス数は、遺伝的に継承するが、この記事でも書いているとおりの現象がアイゼンシュタイン数には起こるということがわかる。
最後に、Excelのワークシート関数のMMULT
何の略だからわかりにくいですね。
推測するに、
M : Matrix
MULT : MULTiplication = 乗算
だと思われる。
ではでは