日本語と日本語以外の言語を比較する。
とは言っても、私自身が日本語以外の言語が達者なわけではない。
というよりも、明らかに苦手である。
今回の切り口は、日本語の自由度の高さです。
この自由度の高さが、私が外国の言語への変換・翻訳が難しい、故に英語が苦手な日本人が多いという考えに至っている要因の一つとだと思っています。
では、どんなものを取り上げて、自由度の話しをしようかと思って見つけたのが、これです。
漬物の名前
日本人なら察しがついたり、いくつかの漬物の名前や情景が瞬時に脳裏を巡ったかと思います。
~漬け(~zuke)と連濁して漬物名を表すのが、日本の漬物の名前のスタンダードなものだと思われます。
~に当たるところには、どのような単語(ワード)が現れるのでしょうか。
漬物が何たるか解らない場合もあるので、一応書いておきます。
漬物とは、野菜などを、塩水や酢につけて、味付けしたり、長期保存を可能にしたりした加工食品の総称です。
日本以外の漬物では、中国のザーサイ、韓国のキムチ、ドイツのザワークラウト、欧米のピクルスとかでしょうか、
名前付けで一番スタンダードでポピュラーなものは、
大根漬け
蕪漬け
野沢菜漬け
わさび漬け
と食べるものの名前+漬けですね。
逆に漬ける側の素材もありますね。
塩漬け
醤油漬け
味噌漬け
酢漬け
甘酢漬け
のような調味料に漬け込まれ、調味料なので味付けされたり、
糠漬け
粕漬け
糠漬けにしろ、粕漬けにしろ、乳酸菌や酵素の知識があったわけでもないのに、長期保存が可能になるという知恵が生まれるわけですよね。
柴漬け
これは紫葉、つまり赤紫蘇を一緒に漬けたことで、赤い色が出ているんですよね。
他にも、
浅漬け
深漬け
一夜漬け
のように、漬けこむ時間だったり、
壺漬け
樽漬け
のように、漬けこむ容器だったり、
千枚漬け
のように、調理方法としての千枚の、薄く切ってから漬けた形状だったり、
べったら漬け
のように、砂糖の入った酒粕に漬けたことで、べとべとした感触だったり、
はりはり漬け
のように、ぱりぱりという食感や音だったり、
山海漬け
のように、海の幸と山の幸が入っていたり、
沖漬け
奈良漬け
松前漬け
のように、場所、地名や藩の名前が付いたり、
たくあん漬け
のように、考案した人や広めた人の名前だったり、
福神漬け
のように、七品目入った漬物なので、七福神にちなんだ駄洒落だったり、
~漬けという基本ルール以外は、ルール無用な自由度の高さだということがわかります。
このように、いろいろな漬物の名前を列挙してみましたが、日本人であれば、名前をみて実物を想像できたのではないでしょうか?
つまり、ある程度完成されたイメージが既にあるわけです。
例えば、糠漬けとか浅漬けでは、漬け方ですので、何が漬けられているのかまでは判りません。
それぞれの食材によって向き不向きはあるかとは思います。
料理屋さんで、漬物と漠然と書いてあるだけで、写真とかがなければ、何が出てくるかは判りませんね。
そういった場合、より限定するために、
きゅうりの糠漬け
なすの浅漬け
といった使い方をする。
例外的に、
らっきょう
とか、~漬けとなっていないのに、甘酢漬けをイメージしてしまうものもあります。
高菜や野沢菜も次点としてあげておきましょうか。
また、
いぶりがっこ
のように、方言から特定の地域まで限定されてしまうものまでありますね。
ただ、日本も東西に長いので、地方地方によってはイメージの違いを生み出していることもあるでしょう。
また、個々によって家庭の味であったりもしますので、定番や好き嫌いは違ってきたりします。
例えば、
奈良漬けだと、一般的には瓜、大根、生姜となりますが、どれが定番とか好きかは人それぞれだとか、
柴漬けのきゅうりじゃなくて、みょうがが好きとか、
わさび漬けにカズノコが入っていないととか、いやカズノコは邪道だとか、
皆さんの好きなお漬物、教えてくださいね。
ではでは
↧
日本語の自由度の高さを語るもの
↧