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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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折り紙の幾何学 -面積最大-

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折り紙は一般的に正方形である。

正方形内部に正多角形を定規やペンの類を使わず、折るという操作のみで作ることを考えてきました。

正三角形、正五角形に関して、面積最大ではないにしても、出来るだけ大きく、操作が簡単な方法を示しました。

正三角形については、面積最大の方法は容易に見つけられるでしょう。

では、正五角形以降、容易に見つけられない理由はなんでしょうか。

それは、欲しい値を容易に得られないからだと考えます。

もし、その方法が知りたくて、このページに訪れたのであれば、その解答が出来るのは正三角形のみだと予めお答えしておきます。

今回の記事を書くにあたって、正方形に内接する面積最大とされる正多角形を描くプログラムを書いていて、あるルールが見出されました。

別に目新しいことではないかもしれませんが、単位正方形(1辺が1の正方形)に内接する正多角形の辺の長さを計算する方法です。

まず、面積最大になるとはどういうことなのか。

証明は出来ていませんが、

折り紙を斜めに折った線上に正多角形の内心=外心=重心=垂心が存在し、
正方形のすべての辺に最低1つ以上の正多角形の頂点が接している。

と考えられる。

のべで数えると、接する頂点の数は厳密になります。

正三角形 のべ4つ。
正方形の頂点に正三角形の頂点が接するため、その頂点を共有する2辺と考えられ、正三角形は3頂点だが、のべ4つと考えることが出来る。

正方形 のべ8つ。
これも4頂点に4頂点が接することになり、それぞれが辺と共有しているため、1辺に2つずつ、のべ8つと考えることが出来る。

これらを踏まえて、

4m型正多角形は、のべ8つ。
正方形、正八角形、正16角形、…、正(4m=n)角形は、正方形の4辺に多角形の4辺が接するため、のべ8つ。

非4m型正多角形は、のべ4つ。
正三角形、正五角形、正七角形、…、正(4m≠n)角形は、正方形の4辺に1つずつ頂点が接するため、のべ4つ。

と、場合分けが出来る。

ここで、正方形に内接する正方形だけを特別、例外だと考えると多角形にある性質が見えてきます。

それは、折り紙に付けた斜め線に直交する辺が存在するということ。

正三角形から正24角形まで描いたので、アニメGIFでお送りします。



青線に直交する辺(赤線)を左下に確認出来るかと思います。

正方形に、この性質を入れると、4m型ではなくなり、非4m型になり、面積が半分になってしまい、面積最大ではなくなってしまいます。

この直交する辺、正方形の4辺に接する頂点に着目すると、正多角形の辺の長さを計算で求めることが出来ます。


まずは、正三角形、正五角形からです。



底辺に接する赤線と外枠で出来る直角三角形に着目して下さい。

底辺の長さは1です。

赤線の正多角形の辺の長さは等しいので、底辺に接する直角三角形それぞれの、辺の長さ×cosを足せば、底辺の長さが求まります。

辺の長さをxとして、底辺の長さを計算すると、

正三角形では、
x・cos(45˚)+x・cos(75˚)=1

正五角形では、
x・cos(45˚)+x・cos(27˚)=1

と立式出来、xを求めることは可能となりますね。

正三角形は、
x・(cos(45˚)+cos(75˚))=1
x=1/(cos(45˚)+cos(75˚))
=1/((√2/2)+((√6-√2)/4))
=1/((√6+√2)/4)
=4/(√6+√2)
=4(√6-√2)/(6-2)
=√6-√2

正五角形は、
x・(cos(45˚)+cos(27˚))=1
x=1/(cos(45˚)+cos(27˚))
=1/((√2/2)+cos(27˚))

cos(27˚)を代数的に計算出来なくはないが、面倒なのでこのままとしておきます。

ここまでは、2個の和なので楽である。


続いて、正六角形、正七角形。



どんどん足さなければならないのが増えてきますので、手計算でやりたくなくなってきます。

画像は、Javascriptで計算して、HTML5のcanvasに描き、png形式で保存したものを貼っています。


正六角形を計算してみます。

まず、cosの数列を考えるのですが、cosに与える角の数列を考えてみます。

45˚を初項とすると、計算が面倒になるので、-45˚を初項とします。

正六角形を放射状に6個の二等辺三角形に分割したとして、

二等辺三角形の頂点の角は360˚/6=60˚=外角であります。

-45˚
-45˚+60˚
-45˚+60˚+60˚

と変化していきます。

これらのcosを取り、足して、a倍する。

a・(cos(-45˚)+cos(-45˚+60˚)+cos(-45˚+60˚+60˚))=1

同様に、正七角形も、

-45˚
-45˚+360˚/7
-45˚+360˚/7+360˚/7

a・(cos(-45˚)+cos(-45˚+360˚/7)+cos(-45˚+2・360˚/7)=1

手計算では面倒ですが、プログラミングであれば楽に求められる様になりました。

しかし、-45˚を初項とするにも、問題が出てきます。


正九角形



そこで、手計算では面倒ですが、プログラミングでは楽な方法を使います。

1周回して、

cos(y˚) > 0

のときだけ、足します。

Excelなら、sumif()で、第2引数に">0"を入れればよい。

もしくは、どうせ1周回すならば、

|cos(y˚)|

と絶対値を付けて、足しこんで、あとで2で割ればよい。

という考えに至ります。

出来上がった数式が、



baseは、二等辺三角形の底辺であり、正多角形の1辺の長さ
heightは、二等辺三角形の高さであり、内接円の半径
hypotenuseは、二等辺三角形の斜辺であり、外接円の半径
area of regular polygonは、正多角形の面積

ということです。

最後に、Excelで正三角形から正100角形までの値を表にまとめました。



これを見ると、

8m型正多角形は、内接円の半径が0.5
8m+4型正多角形は、外接円の半径が0.5

という法則も見えてきますね。


さて、正方形に内接する正多角形が面積最大になるには、

折り紙を斜めに折った線上に正多角形の内心=外心=重心=垂心が存在し、
正方形のすべての辺に最低1つ以上の正多角形の頂点が接している。

という条件が正しいのかは、状況証拠から直感的に正しそうだと考えるに至る。

エレガントな証明方法が思いついたら、別記事にでもします。


ではでは


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