おまたせいたしました。
解答編です。
Image may be NSFW.
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前回示した補助線より、どのようなことが見えてくるのでしょうか。
まずは青線や緑線から。
これは、おそらく誰でも引いたものと思われますし、線分BDも引いたりもしたかと思います。
これで解ることは、
線分DEの延長線上に点Aがある。
もしくは、
線分DA上に点Eがある。
ということは明らかである。
数学という学問は、自明だとか、明らかだとかで余計な説明を省くことがありますね。
ここは、解答編と銘打っているので、あえて泥臭く説明をすることとします。
直線ABとACに接する円より、それぞれの接点への垂線の足をおろすと、足の長さは等しく半径となり、直線DAは角Aの二等分線となります。
ACを底辺とし、DとEから垂線の足をおろした点をそれぞれD'、E'とします。
DD':EE' = 12:3 より、
DA:DE = 12:12-3 = 12:9 = 4:3
ED = 12+3 = 15
外項の積と内項の積は等しいより、
DA = 15×4÷3 = 20
また、赤線のように、円を無限に内包するとみれば、DAは無限等比級数で求めることも可能です。
点Dを中心とする半径12の円、点Eを中心とする半径3の円。
線分DAに半径12を加えた長さは、直径24を初項とし、公比6/24=1/4とする無限等比級数である。
線分DAの長さは、
24/(1-(1/4)) - 12 = 24/(3/4) - 12 = 32 - 12 = 20
続いて、DAを斜辺とする直角三角形は、
斜辺の長さは12+3=15、高さは12-3=9より、ピタゴラスの定理で底辺の長さは、
√(15^2-9^2) = √(225-81) = √144 = 12
角Aの内角をθとおくと、
sin(θ/2)=9/15=3/5
cos(θ/2)=12/15=4/5
となり、倍角の公式より、
sin(θ)=24/25
cos(θ)=7/25
tan(θ)=24/7
が求まります。
線分ACの長さは、√(20^2-12^2)+12 = 16+12 = 28
線分BCの長さは、28×tan(θ) = 28×24/7 = 96
28×96÷2 = 1344
と面積が求まりました。
これは、あくまでも一つの解法にすぎません。
もっとスマートな解法があるかもしれませんし、これがベストというつもりもまったくありません。
数学を大分 すると、
・幾何学
・代数学
・解析学
のように三つにわけることがあるかと思います。
一般的に、図形問題というと、幾何学的なアプローチで解くものだという、おかしなマイルールを作ってしまいがちであるが、実はそんなに窮屈なものではありません。
高校の教科では、代数と幾何は代数幾何とまとめられるが、微分積分学は解析学の一分野であり、いうなれば、傾きや面積や体積ということで、図形問題でもあるわけです。
私がこの図形問題を面白いと感じたのには、
半径が示された内接円があるから、あと三辺の長さが解れば、ヘロンの公式を使わずとも面積が求まるということが、実は近道のようで遠回りであることや、二円の比から無限等比級数、すなわち解析学的アプローチのためのものなのではという直感でした。
級数が直接面積を求める道具として目に見える形で現れたことは、ちょっと衝撃的でした。
数学に分野こそあるが、そこは有って無いような壁なんですが、その壁を意識してしまっていた自分には、目から鱗でした。
数学の答えは一つだが、解き方は人の数だけ、いや人の数以上あっても不思議ではない。
道具は、論理的矛盾や飛躍がなければ、数学の分野を超えた道具を使うことも、もしくは物理学や哲学の道具でも構わない。
現に、宇宙の形を証明と言われたポアンカレ予想:単連結な三次元閉多様体は三次元球面と同相である。という証明には、物理学の道具が使われている。
解答編です。
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前回示した補助線より、どのようなことが見えてくるのでしょうか。
まずは青線や緑線から。
これは、おそらく誰でも引いたものと思われますし、線分BDも引いたりもしたかと思います。
これで解ることは、
線分DEの延長線上に点Aがある。
もしくは、
線分DA上に点Eがある。
ということは明らかである。
数学という学問は、自明だとか、明らかだとかで余計な説明を省くことがありますね。
ここは、解答編と銘打っているので、あえて泥臭く説明をすることとします。
直線ABとACに接する円より、それぞれの接点への垂線の足をおろすと、足の長さは等しく半径となり、直線DAは角Aの二等分線となります。
ACを底辺とし、DとEから垂線の足をおろした点をそれぞれD'、E'とします。
DD':EE' = 12:3 より、
DA:DE = 12:12-3 = 12:9 = 4:3
ED = 12+3 = 15
外項の積と内項の積は等しいより、
DA = 15×4÷3 = 20
また、赤線のように、円を無限に内包するとみれば、DAは無限等比級数で求めることも可能です。
点Dを中心とする半径12の円、点Eを中心とする半径3の円。
線分DAに半径12を加えた長さは、直径24を初項とし、公比6/24=1/4とする無限等比級数である。
線分DAの長さは、
24/(1-(1/4)) - 12 = 24/(3/4) - 12 = 32 - 12 = 20
続いて、DAを斜辺とする直角三角形は、
斜辺の長さは12+3=15、高さは12-3=9より、ピタゴラスの定理で底辺の長さは、
√(15^2-9^2) = √(225-81) = √144 = 12
角Aの内角をθとおくと、
sin(θ/2)=9/15=3/5
cos(θ/2)=12/15=4/5
となり、倍角の公式より、
sin(θ)=24/25
cos(θ)=7/25
tan(θ)=24/7
が求まります。
線分ACの長さは、√(20^2-12^2)+12 = 16+12 = 28
線分BCの長さは、28×tan(θ) = 28×24/7 = 96
28×96÷2 = 1344
と面積が求まりました。
これは、あくまでも一つの解法にすぎません。
もっとスマートな解法があるかもしれませんし、これがベストというつもりもまったくありません。
数学を
・幾何学
・代数学
・解析学
のように三つにわけることがあるかと思います。
一般的に、図形問題というと、幾何学的なアプローチで解くものだという、おかしなマイルールを作ってしまいがちであるが、実はそんなに窮屈なものではありません。
高校の教科では、代数と幾何は代数幾何とまとめられるが、微分積分学は解析学の一分野であり、いうなれば、傾きや面積や体積ということで、図形問題でもあるわけです。
私がこの図形問題を面白いと感じたのには、
半径が示された内接円があるから、あと三辺の長さが解れば、ヘロンの公式を使わずとも面積が求まるということが、実は近道のようで遠回りであることや、二円の比から無限等比級数、すなわち解析学的アプローチのためのものなのではという直感でした。
級数が直接面積を求める道具として目に見える形で現れたことは、ちょっと衝撃的でした。
数学に分野こそあるが、そこは有って無いような壁なんですが、その壁を意識してしまっていた自分には、目から鱗でした。
数学の答えは一つだが、解き方は人の数だけ、いや人の数以上あっても不思議ではない。
道具は、論理的矛盾や飛躍がなければ、数学の分野を超えた道具を使うことも、もしくは物理学や哲学の道具でも構わない。
現に、宇宙の形を証明と言われたポアンカレ予想:単連結な三次元閉多様体は三次元球面と同相である。という証明には、物理学の道具が使われている。