zip、lha、tarなどなど、様々な圧縮形式がある。
若者は、圧縮に対して解凍という言葉に違和感を持つらしい。
ハードディスクの大容量化、ネットの高速化、これらによって、わざわざファイルを圧縮して保持したり配布したりという意味が薄れてきている。
私がパソコンを始めた1980年代の後半、初めて買ったパソコンの本体価格は60万円で、HDDは40MBで8万円くらいしたかと思う。
CDドライブやUSBメモリなんてなく、データのやり取りは5インチの1.44MBのFD(フロッピーディスク)である。
Windowsはあるにはあったのかもしれないが、バージョンは2.11とかで、メモリが1.6MBしかなかったので、もっぱらシングルタスクのDOS全盛の時代である。
その頃から、プログラムは作っていて、科学技術計算やら、ゲームやら、ちょっとした手間を省くためのツールやら、いろいろ作りました。
ファイルサイズがそのままでは不便だからと、圧縮して配布するというのは当たり前でした。
今となっては、圧縮ツールは複数のファイルをまとめることも含まれてしまっていますね。
パソコン創生期のツールは、使えるメモリが少なかったからか、余計な機能は省いて、単体の機能に特化したものが多く、複数のファイルを一つのファイルにする、つまりアーカイブ(書庫という意味)は、圧縮ツールとはまた別のツールだったりしました。
圧縮とアーカイブは、そもそも別の発想です。
また、FD1枚に入りきらないものを分割するツールもありましたが、昨今ファイルを分割するという需要はなくなりつつあるんではないでしょうか。
分割⇔結合
アーカイブ化⇔展開
ここまでは若者も納得でしょう。
圧縮⇔解凍
これが腑に落ちないんでしょうね。
圧縮⇔伸張
冷凍⇔解凍
というのが、おそらくは正しい日本語の対義語なんでしょう。
コンピュータ用語は得てして英語のそのままを持ってくることもあるのですが、日本人には理解しづらいものが適当に和訳されたものや新語に置き換わったりします。
zip⇔unzip
compress⇔decompress
freeze⇔unfreeze
の様に英語では接頭語でunやdeを付けることで対義語としやすかったりします。
また、プログラム名にも、アルファベットですからそのまま使えます。
私がパソコンを始めた当時からzip形式はあって、pkzipは有料でした。
そんなこともあって、日本ではLHarcという日本人作の無料の圧縮ツールが広まっていきます。
圧縮とアーカイブが一つのツールで実現されているわけです。
アーカイブを書庫化と日本語化する以前に、圧縮ツールにアーカイブ機能が備わっていたため、圧縮という言葉にアーカイブという言葉は飲み込まれてしまったんだろう。
時代はDOSからWindows3.1へと流れ、Windows95が登場するころには、マニアだけではなく一般人もコンピュータを持つ割合が増えてくる。
そんなこともあってか、圧縮形式のまま配布しても、解凍ツールが必要だということすら解らない一般人が多かったことでしょう。
そういうことを見越してか、圧縮形式から実行形式のexeへと変換するツールも登場し、初心者でも簡単に解凍できるようになる。
逆に、アーカイブ化されたファイルを簡単に解凍出来ないようにと、パスワードロックするということもできるように進化していきます。
つまり、パスワード付きアーカイブは、日本語だと凍結に近い意味合いがあったりします。
凍結⇔解凍
(パスワードロック付きアーカイブ化)
昨今のデータは、動画にしろ、静止画にしろ、すでになんらかの圧縮がほどこされた形式のものもあり、圧縮ツールによる再圧縮は、ほとんど意味をなしません。
つまり、アーカイブ化に意味はあっても、圧縮する必要性は無くなったとも言えます。
アーカイブ化⇔展開
そんな時代を生きてきたからか、
圧縮⇔解凍
(アーカイブ化および、パスワードロック付きアーカイブ化を含む)
という流れで、ある意味納得していたりする。
これが私なりの解答である。
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圧縮⇔解凍に対する僕なりの解答
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