たまには算数や数学の記事を書くよ。
私は小中高校生のころ、算数や数学の授業はただ単に黒板を眺めているだけで、ノートを一切取らないというひどい学生でした。
ノートには、黒板の文字よりも落書きばかりである。
だからといって、算数や数学の授業中に絵を描いているわけには行かないので、何かしら算数や数学に近いことをやっていた。
その1つに、最小公倍数を求めるというものがあった。
なんでこんなことをしていたのか、ふと思い返してみると、分度器との出会いがきっかけだった。
まず、分度器という名称であるが、角度を表わす単位である、度・分・秒の分と度ではなく、角度を分けるということ。
分度器は、半円形の180度まであるタイプのもの、円形の360度まであるタイプのもの、どちらにしても、円周は360度ということ。
つまり、円周を360に分けたことに興味があったからなのだ。
以前にも書いたかもしれないが、まだ暦が不完全だったころ、一年を360日としていたこともあったのだろう。
人間が10進数を使うのは、手の指が両手あわせて10本だから。
360という数は、2でも3でも4でも5でも6でも8でも9でも10でも割り切れるとても便利な数である。
がしかし7で割り切れないから、1週間を7日にしたのかも。
などと子どもながらに考えていた。
そんなことがきっかけで、1から100までの最小公倍数はいくつなんだろうと、手計算しようなどと途方も無いことを考えていた。
その途中に登場するのが、タイトルの360360である。
なんだ、360を2つ連ねただけじゃないかと思うかもしれない。
しかし逆説的に解けば、
360360 / 360 = 1001 = 7 * 11 * 13
ということであり、先ほど割り切れなかった7、11、13が加わっている。
では、実際に多倍長演算プログラムで求めてみる。
LCM(1 , ... , 2) = 2
LCM(1 , ... , 3) = 6
LCM(1 , ... , 4) = 12
LCM(1 , ... , 5) = 60
LCM(1 , ... , 6) = 60
LCM(1 , ... , 7) = 420
LCM(1 , ... , 8) = 840
LCM(1 , ... , 9) = 2520
LCM(1 , ... , 10) = 2520
LCM(1 , ... , 11) = 27720
LCM(1 , ... , 12) = 27720
LCM(1 , ... , 13) = 360360
LCM(1 , ... , 14) = 360360
LCM(1 , ... , 15) = 360360
LCM(1 , ... , 16) = 720720
LCM(1 , ... , 17) = 12252240
LCM(1 , ... , 18) = 12252240
LCM(1 , ... , 19) = 232792560
LCM(1 , ... , 20) = 232792560
LCM(1 , ... , 21) = 232792560
LCM(1 , ... , 22) = 232792560
LCM(1 , ... , 23) = 5354228880
LCM(1 , ... , 24) = 5354228880
LCM(1 , ... , 25) = 26771144400
LCM(1 , ... , 26) = 26771144400
LCM(1 , ... , 27) = 80313433200
LCM(1 , ... , 28) = 80313433200
LCM(1 , ... , 29) = 2329089562800
LCM(1 , ... , 30) = 2329089562800
LCM(1 , ... , 31) = 72201776446800
LCM(1 , ... , 32) = 144403552893600
LCM(1 , ... , 33) = 144403552893600
LCM(1 , ... , 34) = 144403552893600
LCM(1 , ... , 35) = 144403552893600
LCM(1 , ... , 36) = 144403552893600
LCM(1 , ... , 37) = 5342931457063200
LCM(1 , ... , 38) = 5342931457063200
LCM(1 , ... , 39) = 5342931457063200
LCM(1 , ... , 40) = 5342931457063200
LCM(1 , ... , 41) = 219060189739591200
LCM(1 , ... , 42) = 219060189739591200
LCM(1 , ... , 43) = 9419588158802421600
LCM(1 , ... , 44) = 9419588158802421600
LCM(1 , ... , 45) = 9419588158802421600
LCM(1 , ... , 46) = 9419588158802421600
LCM(1 , ... , 47) = 442720643463713815200
LCM(1 , ... , 48) = 442720643463713815200
LCM(1 , ... , 49) = 3099044504245996706400
LCM(1 , ... , 50) = 3099044504245996706400
LCM(1 , ... , 51) = 3099044504245996706400
LCM(1 , ... , 52) = 3099044504245996706400
LCM(1 , ... , 53) = 164249358725037825439200
LCM(1 , ... , 54) = 164249358725037825439200
LCM(1 , ... , 55) = 164249358725037825439200
LCM(1 , ... , 56) = 164249358725037825439200
LCM(1 , ... , 57) = 164249358725037825439200
LCM(1 , ... , 58) = 164249358725037825439200
LCM(1 , ... , 59) = 9690712164777231700912800
LCM(1 , ... , 60) = 9690712164777231700912800
LCM(1 , ... , 61) = 591133442051411133755680800
LCM(1 , ... , 62) = 591133442051411133755680800
LCM(1 , ... , 63) = 591133442051411133755680800
LCM(1 , ... , 64) = 1182266884102822267511361600
LCM(1 , ... , 65) = 1182266884102822267511361600
LCM(1 , ... , 66) = 1182266884102822267511361600
LCM(1 , ... , 67) = 79211881234889091923261227200
LCM(1 , ... , 68) = 79211881234889091923261227200
LCM(1 , ... , 69) = 79211881234889091923261227200
LCM(1 , ... , 70) = 79211881234889091923261227200
LCM(1 , ... , 71) = 5624043567677125526551547131200
LCM(1 , ... , 72) = 5624043567677125526551547131200
LCM(1 , ... , 73) = 410555180440430163438262940577600
LCM(1 , ... , 74) = 410555180440430163438262940577600
LCM(1 , ... , 75) = 410555180440430163438262940577600
LCM(1 , ... , 76) = 410555180440430163438262940577600
LCM(1 , ... , 77) = 410555180440430163438262940577600
LCM(1 , ... , 78) = 410555180440430163438262940577600
LCM(1 , ... , 79) = 32433859254793982911622772305630400
LCM(1 , ... , 80) = 32433859254793982911622772305630400
LCM(1 , ... , 81) = 97301577764381948734868316916891200
LCM(1 , ... , 82) = 97301577764381948734868316916891200
LCM(1 , ... , 83) = 8076030954443701744994070304101969600
LCM(1 , ... , 84) = 8076030954443701744994070304101969600
LCM(1 , ... , 85) = 8076030954443701744994070304101969600
LCM(1 , ... , 86) = 8076030954443701744994070304101969600
LCM(1 , ... , 87) = 8076030954443701744994070304101969600
LCM(1 , ... , 88) = 8076030954443701744994070304101969600
LCM(1 , ... , 89) = 718766754945489455304472257065075294400
LCM(1 , ... , 90) = 718766754945489455304472257065075294400
LCM(1 , ... , 91) = 718766754945489455304472257065075294400
LCM(1 , ... , 92) = 718766754945489455304472257065075294400
LCM(1 , ... , 93) = 718766754945489455304472257065075294400
LCM(1 , ... , 94) = 718766754945489455304472257065075294400
LCM(1 , ... , 95) = 718766754945489455304472257065075294400
LCM(1 , ... , 96) = 718766754945489455304472257065075294400
LCM(1 , ... , 97) = 69720375229712477164533808935312303556800
LCM(1 , ... , 98) = 69720375229712477164533808935312303556800
LCM(1 , ... , 99) = 69720375229712477164533808935312303556800
LCM(1 , ... , 100) = 69720375229712477164533808935312303556800
因みに
1000までは、
10000までは、
これ以上は、アメブロの文字数制限に引っかかるからやめておこう。
多倍長演算プログラムを書けるようになった今であれば、こんな計算は他愛もないのだが、私が小学生のころのコンピュータのイメージは、バビル二世のコンピュータのようなものですからね。
円周を整数で等分するということは、ある程度は必要なのだろうが、それほど大きな整数で等分する必要性はないのかもしれない。
だが、正17角形は直定規とコンパスだけで作図できることは、1800年ごろに、ヨハン・カール・ルイードリヒ・ガウスが発見し、ヨハネス・エルチンゲルによって作図方法が示されている。
円周は、度数法では360度、弧度法では2πである。
正17角形ということは、三角関数の変数として2π/17が与えられた時、この値を有理数と平方根のみの式で表せることにほかならない。
cos(2*π/17) = (-1+√(17)+√(34-2*√(17))+2*√(17+3*√(17)-√(170+38*√(17))))/16
例えば、任意の幅をコンパスで取り、それを半径として円を描き、その円に内接する正多角形を描くということなのだが、正六角形ならば簡単に描けてしまう。
しかし、それが奇数、もっといえば素数、と考えを深めていくと、素数pにおいて、正p角形が作図可能なのは、p=3, 5, 17, 257, 65537の5通りしか見つかっていない。
この5つの素数は、いずれもフェルマー数に含まれる。
フェルマー数とは、
F[n] = 2^(2^n) + 1
で表さられる擬素数である。
F[0] = 2^1 + 1 = 3
F[1] = 2^2 + 1 = 5
F[2] = 2^4 + 1 = 17
F[3] = 2^8 + 1 = 257
F[4] = 2^16 + 1 = 65537
F[5] = 2^32 + 1 = 4294967297
F[6] = 2^64 + 1 = 18446744073709551617
F[7] = 2^128 + 1 = 340282366920938463463374607431768211457
...
と続くのだが、先に書いたとおり擬素数であるから、中には合成数も含まれており、
F[5] = 641 * 6700417
F[6] = 274177 * 67280421310721
F[7] = 59649589127497217 * 5704689200685129054721
の様に素因数分解出来てしまうものがある。
フェルマー数のなかで合成数でないものを、フェルマー素数と言ったりもします。
また、面白いことに、フェルマー数が合成数のとき、その素因数にも法則があったりします。
641 = 10×2^6 + 1
6700417 = 52347×2^7 + 1
274177 = 1071×2^8 + 1
67280421310721 = 262814145745×2^8 + 1
59649589127497217 = 116503103764643×2^9 + 1
5704689200685129054721 = 11141971095088142685×2^9 + 1
いずれも、1を引くと何らかの2のべき乗で割り切れるようです。
不思議ですねぇ。
といったように、どんどん数学の奥深いところへと行ってしまうわけです。
そういえば、私の愛読書のマンガに、正17角形が作図できることに関係する話しがありましたので紹介します。
- Q.E.D.―証明終了―(38) (月刊少年マガジンコミックス)/講談社
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数話完結のミステリー漫画ですので、どこから読んでも楽しめますよ。