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年末のご挨拶

早いもので、今年も残すところ、あと10時間となりました。

皆々様は、いかがお過ごしでしょうか。


今年最後の記事となります。


年末の挨拶として、「良いお年を」というものがある。

この後に続く言葉はなんだろうか。


日本の挨拶には、前後に続く言葉が省略されているものがある。

「こんにちは」
今日こんにちは、良いお天気ですね。
今日こんにちは、ご機嫌いかがですか?

「さようなら」
左様さようならば、これにて御免ごめんつかまつる。

といった様な言い回しだったものと思われる。


では、「良いお年を」に続く言葉はなんだろうか。

a) 良いお年をお過ごしください。
b) 良いお年をお迎えください。
c) 良いお年をお送りください。

この三つが容易に思いつく。

「良いお年」の年は、a)は年末、b)は新年、c)は年末から年始に掛けてを、それぞれ指している。

どれが正しいのだろうか。

江戸時代は、大晦日を無事に過ごせることが重要だった。

当時は、売買の支払いは、盆暮の2回で、暮の催促は特に厳しく、取り立てる側も、取り立てられる側も、町を駆け巡り、てんやわんやたったそうです。

すべての借金を返済し、大掃除を済ませ、晴れ晴れとした状態、つまりは良い年末を過ごせることが、良い年を迎えるための条件とも言えます。

逆に、年末が良い状態で過ごせなければ、良い年を迎えることは出来ません。

そう考えると、いずれも言葉た足りないような気がしますが、どれも正しいような気がします。

例えば、言葉を足して、

d) 良いお年を過ごし、良いお年をお迎えください。

の可能性もあるということです。

これらを踏まえると、後に続く言葉が省略された「良いお年を」という挨拶は、実に理にかなっているのだと思える。



さて、もう一つ疑問がある。

「お年」と「お」をつけるのは尊敬語だと思われるが、「年(YEAR)」に「お」を付けるだろうか?

お酒、お塩、お米、お餅、お豆、など神棚にお供えするものに、敬意を払って「お」を付けることは珍しくない。

おビールとか言われてしまうと、ちょっと違和感があるのは、ビールと日本人との歴史がまだまだ浅く、お供えするという習慣が少ないからだと思う。

さて、「年」に「お」を付けるのは、どうなのだろうか。

思うに、昔は数え年が主流で、元旦とともに齢を取ったので、もしかすると、「年」ではなく「年齢」に対して、「お年」としたのではないだろうか。

それならば、相手に対しての尊敬の意味が明確に現れ、「お」が不自然ではなくなる。

などなど、最後まで妄想続きでした。



それでは、皆々様も、良いお年を。


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