Kenko 800mm F8 DXを購入してから、このレンズでは月ばかりを撮影している。
別にお月様専用レンズというわけではないんだけどね。
月ぐらいの距離になると、ピントリングの調整がかなりシビアで、ピーキングを高にして、ピント拡大とかでピントの山を探ってはいるんだが、ビシっと合唱しているのかわかりにくい。
製品名にもある通り、絞り開放でF8、絞り羽根があるわけではないので、絞りの調整は出来ず、マニュアルモードでの撮影を強いられ、シャッタースピードの変更、ISOの変更、調光補正といったことで、絵を作りこんでいくことになる。
マニュアルモードでの撮影は、むしろ一眼カメラを使うならば楽しいと感じるものである。
しかし、絞りがないということは、被写界深度を浅くしたり深くしたりすることが出来ないということでもある。
被写界深度の関係を表にしてみる。
被写界深度 | 浅い←───────────→深い | |
絞り | 絞りを開く F値を小さく | 絞りを絞る F値を大きく |
レンズの焦点距離 デジタルズームは無関係 | 長い(望遠) ズームでテレ側へ | 短い(広角) ズームでワイド側へ |
被写体距離 撮像面(センサーやフィルム) から被写体までの距離 | 近い | 遠い |
大抵こんな感じに書いてあるよね。
被写界深度を計算するには、上記の3つの値と、許容錯乱円径と、撮像面の幅と高さといったものを使って求めることができるが、物理の苦手な数学科出身の私はよく解ってないw。
前方被写界深度= | 許容錯乱円径×絞り値×被写体距離^2 |
焦点距離^2+許容錯乱円径×絞り値×被写体距離 |
後方被写界深度= | 許容錯乱円径×絞り値×被写体距離^2 |
焦点距離^2-許容錯乱円径×絞り値×被写体距離 |
被写界深度=前方被写界深度+後方被写界深度 |
許容錯乱円径: 0.03mm
焦点距離: 800mm
月までの距離: 384,400,000,000mm
で、F値を変えながら計算してみると、
絞り | 前方被写界深度 | 後方被写界深度 | 被写界深度 |
F4.0 | 384394666740.662634 | -384405333407.331354 | -10666666.668720 |
F4.5 | 384395259317.725299 | -384404740799.208222 | -9481481.482924 |
F5.0 | 384395733380.690884 | -384404266714.025268 | -8533333.334385 |
F5.6 | 384396190513.943670 | -384403809561.563466 | -7619047.619796 |
F6.3 | 384396613786.443474 | -384403386273.216486 | -6772486.773012 |
F7.1 | 384396995328.650585 | -384403004718.322313 | -6009389.671729 |
F8.0 | 384397333351.832453 | -384402666685.166043 | -5333333.333590 |
F9.0 | 384397629644.246230 | -384402370384.987151 | -4740740.740921 |
F10 | 384397866678.506120 | -384402133345.172918 | -4266666.666798 |
F11 | 384398060615.845283 | -384401939403.724170 | -3878787.878887 |
F13 | 384398358981.364577 | -384401641032.646688 | -3282051.282111 |
F14 | 384398476196.516737 | -384401523815.564404 | -3047619.047667 |
F16 | 384398666671.291463 | -384401333337.958161 | -2666666.666699 |
F18 | 384398814818.468976 | -384401185188.839369 | -2370370.370393 |
F20 | 384398933336.293205 | -384401066669.626555 | -2133333.333350 |
F22 | 384399030305.476478 | -384400969699.415885 | -1939393.939406 |
F25 | 384399146668.560986 | -384400853335.227661 | -1706666.666675 |
F29 | 384399264369.223880 | -384400735633.591701 | -1471264.367821 |
F32 | 384399333334.489534 | -384400666667.822872 | -1333333.333337 |
F36 | 384399407408.320949 | -384400592593.506137 | -1185185.185188 |
F40 | 384399466667.406636 | -384400533334.073304 | -1066666.666669 |
F45 | 384399525926.510593 | -384400474074.658742 | -948148.148150 |
後方被写界深度が負数になるってのは、数学的には分母が0を下回ったことを意味し、いろんなサイトでは∞となって、被写界深度も∞になっている。
F8とただでさえ暗いというのに、更に絞ってというのが現実的にどうなのかというのはある。
しかも、このレンズには絞り羽根はないので、無い袖は振れない。
ここで、タイトルの無いならば付ければいいじゃんとなる。
どうやって付けるかというと、マウントアダプターに付いてる物を探せば良い。
というわけで、見つかりました。
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カメラ側はSONY Eマウントで、レンズ側はCANON EFマウントのものがみつかりました。
キヤノンのレンズには絞り羽根がないものが多いのかな?
Kenko 800mm F8 DXはTマウントなので、
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で良いのかな?
絞り羽根付きのマウントアダプターには、電子接点がありませんので、マニュアルモードで使うということは代わりません。
また、この絞り環を見る限り、カチカチとまわるのではなく、スムースにまわるので、絞りを何段とかそういう使い方ではなさそうである。
安く手に入れられるのであれば使ってみたいな。