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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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長方形に内接する三角形の面積

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午後のひとときに、算数レベルの図形問題を解く。




問題
辺の長さや面積が解らない長方形ABCDがある。
CDの中点をMとしたところ、直角三角形AMDの面積は35cm2
BC上の点Pを取ったところ、直角三角形MPCの面積は22cm2であった。
三角形APMの面積を求めよ。

だだし、今回は趣向を変えて、出来るだけ補助線の本数が少ないものを良しとする。


シンキングタ~イム


いつもいつも、図形問題のたびに、補助線が大事、補助線が大事、と言ってきた。
もう、みんな耳にタコが出来てきたと思うので、こんな企画とした。

さて、どこに補助線を引くのがベターなのか、ベストなのか。

とりあえず、4通りほど考えてみた。

パターン1

ABの中点Nを取り、NMを結び、APとの交点をQとする。
NMに対してPから垂線の足をRとする。
三角形ANMは、三角形MDAと合同であるので、面積は35となる。
三角形MRPは、三角形PCMと合同であるので、面積は22となる。
三角形QANの面積をxとすると、三角形QPRとは合同で面積はxとなる。
凹四角形APRMの面積は35となり、
35+22=57

答え 57cm2


パターン2

ABの中点Nを取り、NMを結び、APとの交点をQとする。

三角形ANQの面積をxとおくと、
三角形ABPとは相似で、
中点連結定理より、
台形NBPQの面積は3xとなる。

NMより上に着目すると、
三角形AMDと三角形MANは合同なので、
三角形AQMの面積は35-xとなる。

方や、NMより下に着目すると、
四角形ANMDの面積は、
2✕35=70
となり、四角形NBCMと合同なので、
こちらも70となる。
三角形QPMの面積は、
70-22-3x=48-3x
となる。

ここで、QMに着目すると、
三角形QMAと、三角形QMPは、
底辺も高さも等しい三角形なので、
面積が等しい。
よって、
35-x=48-3x
3x-x=48-35
2x=13
三角形APMの面積は、
(35-x)+(48-3x)=83-4x
=83-2✕2x
=83-2✕13
=83-26
=57

答え 57cm2


パターン3

PDを結び、AMとの交点をQとする。

三角形QMDの面積をyとおくと、

三角形PMDと三角形PCMの面積は、
それぞれの底辺を、MD、CMとすると、
底辺も高さも等しいことより22となり、
三角形QPMの面積は22-yとなる。

ADを底辺とみて、
三角形APDに着目すると、
三角形AMDと底辺は等しく、高さは2倍であることから、
面積も2倍ということで70となる。
三角形APQの面積は、
70-(35-y)=35+y
となる。

よって、
三角形APMの面積は、
(22-y)+(35+y)=22-y+35+y
=22+35
=57

答え 57cm2


パターン4

補助線を一切引かない。

まず、点MはCDの中点より、
MC=MDであるから、
それらを赤や青の三角形の高さとみると、
赤と青の三角形の底辺の比が35:22であると考えることが出来る。
緑の底辺をBPとすると、底辺の比は、
赤:青:緑=35:22:35-22=35:22:13
緑の高さは、赤や青の高さの2倍なので、
緑の三角形の面積は、
13✕2=26
と求まる。

長方形ABCDの面積は、赤の面積の4倍であることは明らかで、
35✕4-35-22-26=35✕3-22-26
=105-22-26
=57

答え 57cm2



補助線を引けと言っておいて、引かなくても求まるのである。
俺って意地悪だなぁw。

数学の世界に0が登場したのは、いつだろうか。
7世紀のインドの数学者、ブラーマグプタが0を発見した。
昨日の記事でも登場した、ブラーマグプタです。

数学の世界において、発見と発明、どちらを使えば良いのか、いろいろと悩むことがある。
自然界に元々あった普遍的なものは発見、それを導き出すような理論などは発明というように考えてはいる。
0は発見であり、発明ではない。
円周率πは発見であり、円周率を求める様々な方法は発明である。
という感じで考えると納得がいく。

さて、今回の問題のように、補助線の場所、補助線の有無によって、解法の違いをみてみました。

どれを数学的に美しいと感じるかは人それぞれだろうが、今回は出題時に補助線の本数が少ないものを良しとすると言っているので、パターン4に軍配が上がることは間違いの無い事実である。

でも、パターン1の補助線2本引いたものは、代数的にみると簡単に計算されている。
補助線の本数が多いと混乱する場合もあるが、計算が楽になることもあるので、TPOに応じてということになるのだろう。

解き方は、人の数だけ、いや一人で何通りも考えられるのだから、いやいや違う人でも同じ解法を見つけるのだから交点の二乗の半分くらいはあるのだろうか、いや垂直線だとか平行線だとかを考えると無数にあると考えて良いだろう。

算数や数学は論理学の基礎であり、論理力を磨くための道具でもある。

人はなんらかの優劣を付けて物事を判断する生き物である。
それが直感による無意識の判断だとしても、何かしら気が付かないレベルの違いで優劣を付けていると考える。

今回の問題で、3つの直角三角形に赤、青、緑、正確なHTMLの色名で言えば、 pink  skyblue  lightgreen で色を付けた。

もし、これらが近しい色、 red  orangered  tomato だったりすると、区別がし辛いだろう。

目に優しいパステル調で、それぞれの色が区別し易いものを選んだに過ぎない。

人間の肌の色だって、白や黒や黄色、白にしたって、黒にしたって、黄色にしたって、更に微妙な違いがある。

確かに色の区別は付くが、そこは差別ではない。

クレヨンや色鉛筆や絵の具の肌色が問題視され、文具メーカーは自主的に色名を変更したりもした。
だが、これは差別があるということを理解した、つまりそこに差別があると考えてしまったわけでもある。
みんなの認識する肌色が違っても構わないのに、クレヨンや色鉛筆や絵の具の肌色と違う。
それでイジメられることを想像してしまったのだろうか。
でも、これは言葉狩りに繋がったりして、結局別の問題にすり替わっていく。

肌色という言葉は無ければならない言葉であるが、特定の色を指してはいけないということなのだろうか?
日本の諺に「色の白いは七癖隠す」なんてものがある。
やれ日本人は白人至上主義だとか、黒人を差別しているとか、言う人がいる。
そういうことじゃないんだけどねぇ。

黒人音楽に憧れていたシャネルズ(ラッツ・アンド・スター)のメンバーは、当初は靴炭を顔や手に塗ってまで、黒人をリスペクトし、その精神に近づこうとしたが、その行為はアメリカでは差別的だとかで、おかしな様相を呈してしまった。

一方でドラゴンボールのアニメが世界中に配信されるも、ミスターポポの肌の色を黒から青に変えたアメリカ。
これは靴炭を塗る行為と同じではあるが、方やリスペクトというポジティブなものであったが、もう片方は一見すると差別問題を事前に回避しているかのようなポジティブなものにも見えなくもないが、作者を侮辱し、キャラクターを侮辱したことにならないのだろうか?
これがいわゆるダブルスタンダードということか?

身長が高い低い、太っている痩せている、外見もある程度は大事だったりするのは、
見た目が違うことで、個人を識別しやすいからである。
双子が見分けがつきにくいが、容姿以外での違いを見つけるにはそれなりに時間が掛かるだろう。

つまり本質を知るには時間が掛かる。
直感が頼りにならないこともある。

なんてことを考えても良いのかもしれないが、そこまでは考えて問題を作ってはいない。
目に優しいとかは、一応考えてはいる。
昔の記事では、どぎつい原色が多かったかと思う。
それくらいは気を使っているということですかね。

でも、問題の解法は容赦なく厳しく見るかもしれませんけどね。

そこに論理的矛盾、論理的飛躍がなければ、あとは数学的な美しさだけが基準である。

さて、美しさの基準とは何だろうか。
難しい問題が残ってしまったな。


ではでは


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