午後のひとときに、数学の問題を解いてみる。
図のように、半円に円周角を取り、内接する半径4cmの2つの小円があるとき、半円の半径を求めよ。
シンキングタ~イム
ご多分に漏れず、最低限必要だと思われる補助線を引いてみる。
半円の中心Oから、小円の中心Pを通るように半円の弧まで達する。
ACとODは直行することは明らか。
また、小円の中心Qから、3つの接点へ直線を引く。
これらはすべて垂線であることは明らか。
今回は、PからABへの垂線や、点Pと点Qを結んでは居ないが、場合によっては必要な補助線だったりもするので、覚えておくように。
補助線の説明はこれくらいでよいだろう。
半円の半径をrとして、
線分ODに着目すると、OD=rであるから、
OE=r-8
ということが解る。
ACEは直径の円周角より直角であるので、
⊿AEO∽⊿ACB
AE=ECであることも明らかである。
これより、
CBの長さに着目すると、
AE:AC=1:2=EO:CB
CB=2✕(r-8)=2rー16
BG=CB-4=2r-16-4=2r-20
GB=FBも明らかで、
AF=2r-GB=2r-(2r-20)=20
AF=AHも明らかで、
AC=AH+4=20+4=24
三角形ABCに対して、ピタゴラスの定理を使うと、
242+(2r-16)2=(2r)2
576+4r2-64r+256=4r2
両辺から4r2を引いて、
576-64r+256=0
64r=832
r=13
答え 13cm
もし、ピタゴラスの定理を知らない小学生でも解けるのかと考えてみると、
このように補助線を引くことで、
外側の正方形の面積は、4つの直角三角形の面積と内側の正方形の面積の和ということを使えば解けなくもない。
但し、直角三角形であることは、直径の円周角であることから導いているので、中学の数学の範囲となってしまうのだろう。
ここからは、経済学部の受験に数学が必須とかの話しなので、読んでも読まなくても良い。
もう、小学生に円周角の定理とか、円周角と中心角の関係とか、ピタゴラスの定理を教えてしまったも良いのではないのかとさえ思えてしまう。
小学生で英語を習うのであれば、これくらいやっても良いだろう。
自分が特殊だとは思わないが、小学生だった私は素数もピタゴラスの定理も理解して使っていた。
フェルマーの最終定理の反例を見つけようと躍起になっていたくらいだからね。
とは言っても、小学生の算数の範囲は有理数に留めたいので、ピタゴラス数だけを利用すれば良い。
中学で無理数を扱うのだから、三角関数の有名角だけとか、対数関数の概念をやっちゃいましょう。
有名角だけなので、加法定理とかは高校で良いだろう。
直線の方程式は、
y=tan(θ)x+b
も覚えておけばいい。
合わせて、すべてとは言わないがギリシャ文字も覚えて置くのが良いだろう。
そうなれば、高校は複素数となって、小中高の扱う数の範囲が明確で解りやすくなったので、自然数、整数、有理数、無理数、実数、複素数という話しを小学生の早い段階に対して行って、数の広がりを先に教えてしまう。
そうすると、何が良いかって、これは中学でやるからとか、これは高校でやるからとか、先生の逃げ道も出来るし、学生は前倒しに勉強しても構わないわけである。
出来ない生徒を落ちこぼれさせないことも重要だが、出来る生徒を無視するのはやめて、先を見せてしまえば、出来る生徒は自主的に先に進んで行けます。
いや、教育学部出にそれは無理だということであれば、国語、算数、理科、社会、図工、音楽、家庭科のように専門の先生が教えれば良い。
担任の負担も減るし、雇用も生まれるし、落ちこぼれも減るし、全体的な学力も上がることだろうからいい事ずくめだろう。
小学生の段階で、ピタゴラス数も、3:4:5、5:12:13、7:24:25、くらいを知っていれば、自ずとピタゴラスの定理が見えてくるだろう。
前倒しでやったことで、高校数学は受験数学のためだけの数学ではなくて、代数、幾何、解析の3つの柱をしっかりとやれるし、今まで受験数学には出ないからとスルーされていた確率統計もちゃんと学ぶ時間が出来ることだろう。
現に数学科に進んだ私も、確率統計はほとんどやって来なかったということだ。
確率統計を知らないで、金融とか経済とかの高度な知識を学ぼうとすると、かなり難しいということです。
微分積分は未来を予測するための道具。
確率統計は過去や現在のデータを分析する道具。
三角関数は周期性を扱う道具で、指数関数も三角関数も微分積分とは親和性が高い。
他にも数学の様々なことを使って、現状のデータや過去のデータから周期性などを見出し、未来を予測して、今何をすべきかを考えるのが、金融とか経済の話しですよね。
三角関数は後回しで、金融経済を学ぼうっていうことを声高に叫んでいた方がいましたが、高度な金融経済を学ぶには、三角関数は必要不可欠であり、確率統計はデータを、微分積分は未来を予測するのです。
だから、確率偏微分方程式といったものを金融で扱わなければならないのです。
1997年、ブラック・ショールズ・モデルを完成させたフィッシャー・ブラックとマイロン・ショールズだが、ブラックは他界しており、マイロン・ショールズとこのモデルに寄与したロバート・マートンが、ノーベル経済学賞を受賞した。
このブラック・ショールズ方程式の元となったのが、日本人の伊藤清の確率微分方程式である。
金融業界に進んだとして、確率微分方程式が何なのか、ブラック・ショールズ・モデルが何なのか解らずに、値を入れたら、適正価格として求まったオプションに対して、誰もが疑いもせずに運用したことで、何が起こったかということだ。
万物は数である。
とピタゴラスは言ったとか言わなかったとか。
確率とか、統計とか、三角関数とか、解らないのに利用することが、どれだけ危険なことなのか。
微分積分は未来を予測するが、それは確定された、確約された未来ではない。
人の考えなんて千差万別。
直球勝負する人もいれば、裏をかく人もいる。
大賭する人もいれば、コツコツ賭ける人もいる。
大勝ちする人もいれば、大損する人もいる。
予想は出来ても、予想通りに行くなんてことは決して無いんですよ。
数学者はそれが解っている。
だけれども、確率を求めなければ、配当なんて計算出来ないし、あくまでも理想だけを追っている。
それで得するか損するかは別問題である。
それが経済や金融だろう。
みんながみんな得をするなんて世の中は存在しない。
誰かが得をすれば、誰かしらが少なからず割りを食っている。
win-winな関係なんていうが、その2者に対してはwinかもしれないが、それ以外で誰かしらがloseなんですよ。
では、勝者になるには何をしなければいけないのか?
お金を稼ぐことだけが幸せではないが、ある程度の幸せにはお金が必要である。
などと、誕生日に思うのであった。
ではでは
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半円の円周角に内接する2つの円
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