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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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auの通信障害の復旧が遅れている件について思うこと

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auスマホ、auひかりユーザです。

昨日、母親がスマホで電話しようとすると、
データ通信云々というメッセージが出て、
電話出来ない。
と、私の部屋のドアを叩いた。

母親のスマホはいわゆる簡単スマホと言われるもので、
AndroidはAndroidなのだが、解っている人間からすると、
どこに何があるのか分かりづらくて使いづらい。

実際に、機種変したあと、私にアプリを入れてくれとせがんできたが、
Google Playで探せと言っても、それ自身が見えるところに存在しなかった。
結局わかる人が近くにいないと仕えない代物じゃ、どこが簡単スマホなんだか。

設定アイコン→ネットワークとインターネット→モバイルネットワークと進んで、
モバイルデータはONになっている。

にもかかわらず、OFFになっていて使えないといった状況で、
調べてみると、

 


と、7月2日未明から繋がりづらい状況が続いていて、このブログがアップされることも、おそらくまだ復旧していないかもしれません。

はやく普及して欲しいと願うばかりです。

まぁ、文句を言いたくもなるが、私は、OADGテストラボ、出向して、ネットワークOSのコールセンターのフロントラインエンジニア、バックラインエンジニア、転職して、サーバの出張修理エンジニアなんて職業柄、いずれにしてもITと関わり続け、ソフト側、ハード側、どちらのトラブルシューターを経験し、現場作業で徹夜で修理していたことも何度もありますので、現場の大変さは痛いほど解る。

世の中、便利になりすぎると、ちょっとしたトラブルで被害が大きくなってしまう。

一本化すると、その一本のどこかがトラブると、全滅しかねない。
なので、別のルートも用意しておくというのが、障害が起こっても、被害を少なくする方法です。
いわゆる冗長化システムというやつです。

幸い、電話は使えなくても、インターネットが使えているので、LINEなどでの通話は可能であって、そちらで対処することも出来る人は出来たであろうが、すべてがそういう環境に対応しているかというと、かならずしもそうはなっていない。

これは通信事業者だけの問題ではなくて、電車などでも、各社乗り入れが進むと、乗り入れた先のトラブルが、ドミノ倒しのように他に影響を与えて、被害を拡大させてしまう。

オール電化とかいって、すべてを電気にしてしてしまったことで、いざ停電してしまうと、お風呂すら沸かせない状況になってしまう。
昔の風呂は、ガスの湯沸かし器で、電気を必要としていなかった。
今は、パネルで操作していることからも解るが、電気が止まるとすべてが動かなくなってしまう。

便利になるということは、いざトラブルが起こると、便利過ぎたことが裏返って逆に不便になり、その不満を口にすると、周りも不幸になっていき、不満が増大してしまう。

大好きだったものが、ちょっとしたことで、大嫌いになってしまうような、-1を掛けるような風なことになってしまうのだ。

au使えないから、docomoやsoftbankへ乗り換えだー
とかいうのも、解らなくもないが、auだけがトラブるわけじゃなくて、docomoだろうが、softbankだろうが、同じようなトラブルが起きないわけじゃないし、実際に起こしている。

本当に仕事に影響が出るのであれば、複数のキャリアのものを使うしかない。
これが冗長化というものです。

総務省がauに対して早期復旧をするように言ったところで、現場のやる気が上がるわけでもないし、せっついたところで、はやく復旧するものでもないのです。
そんなことは百も承知で現場は頑張っています。


東京24時間待機チームのサーバー修理エンジニアだったころの地獄の日々を思い出す。

東京都内の24時間サポート契約をしている顧客に対して、24時間待機エンジニアは10人も居なかった。
一人2日連続で回して、かなりの頻度で自分の番が回ってくる。
9時17時の通常勤務が終わっても、その後も24時間待機でポケベルが鳴ると出動するという体制である。

トラブったらまずは窓口に電話が入り、症状などの詳細を聞き、同時進行で待機エンジニアにも連絡がくる。
現場に向かう前に、トラブル内容から必要になりそうなパーツの手配をして、現場へ車で向かう。
現場へ到着すると、顧客が怒っていることもしばしば。
怒っているからといって、早く復旧するとは限らない。
伺っている症状から、こんな作業をしますので、これくらい時間が掛かりますと顧客に伝え、修理が始まる。
ここで、顧客が言っていた症状と、エンジニアが実際に目の当たりにして、確認する症状が合致していれば、まだいいのだが、そうでないこともある。
そうなると、また顧客と話しをしながら、予定終了時間を概算で伝える。
必要なパーツ類が変わってきて、更に発注をすることになったりして、パーツ待ちなんてこともある。
また、届いたパーツがことごとく問題があったりしたこともあった。
そうなると、泥沼化していく。
それが夜中で、コールセンターとバックラインエンジニアのいる建屋、パーツなどを管理しているロジスティクスセンターの建屋、それぞれ数人しか動いていないので、人手が足りないことになり、各自上司などを叩き起こして、人を集めて貰う。

元に戻ったところで、現場の人間に感謝の声を掛けてくる顧客は少ない。
まぁ、居ないわけではない。
とある大手飲料メーカーに修理に行って、作業終わりにキンキンに冷えた瓶コーラの栓を抜いて、どうぞとごちそうになった。
さすが大手は違うなと思った。
そもそもトラブル対応エンジニアってのは、顧客との出会いは最悪のマイナス・スタートであり、元通りになったとて所詮ゼロになるだけで、プラスになることはない。
感謝されるためにやっているわけではないが、先の大手飲料メーカーのような対応をされると、日本も捨てたものじゃないなと思えてくる。

待機中に、何件も修理に出向くこともあった。
ここ終わったよとコールセンターに報告して、自宅に帰っている途中にポケベルが鳴って、また都心に向かうとか、最大7件さばいた日もあって、明けの日の通常業務が出来ないくらいヘロヘロになってしまい、そのまま休みを申請するなんてこともある。
外資系なので、仕事量は自己管理しないといけないのです。
待機手当なんてのも付くし、通常業務時間外の業務なので残業手当も付くし、土日ならば休日手当、更に夜中ならば1.25倍、1.5倍と跳ね上がっていく。
更にいうと、ポケベルが鳴って家に帰るまでが業務をしていることになるので、移動時間も業務となります。
そういう意味では働いた分だけお給料に上乗せされるので、お金がすべての人に取っては良いかもしれないが、現実問題として体が持たない。

高い給料貰っているんだから、文句の一つも言われても文句を言うなととか、ちょっと違う。

形あるものは必ず壊れる運命にある。
それが世の常である。
壊れてもらっては困るというシステムならば、もっともっとお金を掛ける必要がある。
それをしないで、文句を言われても、こちらも困るのだ。

コスパ的に見合わなければ、別の会社に乗り換えてくれて結構です。
だからと言って、乗り換えた先も同じことが起こらないわけではない。
そういうことです。

電話とかネットとかも、もう社会から切り離せないくらいのインフラの一つになってしまっている。
電気、水道、ガス、通信(電話、ネット)、交通(電車、バス、飛行機、船、…)、…
様々なインフラがある。

便利になればなるほど、それが使えなくなったときの不便さは、負で何倍もの怒りへと転換されてしまう。

怒ったところで、イライラしたところで、それが早く復旧するわけでもないし、むしろ現場の人間に怒号を浴びせたところで、その人のメンタルがやられたら復旧はむしろ遅くなるのである。

なので、代替案は備えておくべきなんだろうが、それは自身で揃えるもので、インフラ事業社が自社以外の異なるインフラを提案することは難しい。
交通インフラであれば、他社へと誘導出来るが、通信インフラは、他のキャリアのものを借りるか、公衆電話などを使うかするしかない。
停電すればろうそくや懐中電灯の明かりで、食事は非常食で、風呂は風呂屋がやっていればそちらへ、ということだ。
代替案があるだけマシと考えられるか。
日々こういう事態に備えているか。

一度享受してしまった便利さからは逃れられないのだろう。
簡単に言えば、江戸時代の生活に戻せるか?ということだ。
難しいよなぁ。
生まれたときからパソコンがあってネットがある。
火を観たことがないなんて世代もいる。
これ幸いなのか、マッチを擦れるし、黒電話も掛けられるし、公衆電話の使い方も解る。
だからと言って、そこら中でマッチが売っているのか?、公衆電話はあるのか?という状況である。
だからと言っても、江戸時代の生活まで戻せるか?と言われると難しいってことは誰もが解っているはずである。
北の国からの黒岩五郎も解っていたのかは解らないがw

こういうトラブルが起こると、現場を知っているだけに、つらくなるんだよなぁ。

トラブってるときこそ、落ち着いてください。
怒りに任せて行動すると、その負のエネルギーが周りを侵食していって、負の連鎖が起こります。
とにかく、おちついて代替案を考えましょう。


ではでは


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