なんで高校数学ってこうも除外したがるんでしょうかね。
「三角関数よりも金融経済を学ぶべきではないか」
— 藤巻健太 衆議院議員 (@Kenta_Fujimaki) May 17, 2022
金融教育をテーマに、財務金融委員会で議論させて頂きました。 pic.twitter.com/aUmlrvSaKv
三角関数よりも金融経済を学ぶべき?
慶応大学の経済学部を出て、みずほ銀行で働いていて、何を見てきたのだろうか?
金融経済を学ぶって、数学不要ですか?
経済学部に入学するのに数学が不要だった時代はそろそろ終わる。
解るかな?
入試の時に数学が必要ではなかった学部の方々は、高校で理系コースに行かない人もいるわけで、高校の数学を教わらずに、大学でも数学が必須ではないということで、大学を卒業して社会に出ていくことになる。
せめて、高校時代に通らなかった高校数学くらいは大学の一般教養として必須科目にするべきだと私は思う。
文系とか理系とかそういう分け方をしても良いが、こういう輩が出てくる度に、大学でも数学を必須科目にするべきだと思うし、文理関わらずに数学を入れるべき学科もあると思う。
特に、経済学部は入試に数学を入れなければいけない理由は、経済や金融を学ぶのに、数学が必要だからに他なりません。
デリバティブ、先物、オプション、スワップとか、いろいろな言葉があるよね。
例えばオプションってあるじゃないですか。
これって、ブラック・ショールズ・モデルってのがあって、ブラック・ショールズ方程式という数式を使ってオプション価格を求めるのですよ。
ブラック・ショールズ方程式は、1997年のノーベル経済学賞を受賞しているので、経済学部にいたら知っていてもおかしくはないでしょう。
ノーベル賞を取るような方程式ですからね。
ノーベル賞に数学賞がないのに、数式一つで経済学賞ですよ。
この方程式は偏微分方程式なのですが、
伊藤の公式という確率微分方程式が元となっています。
確率微分方程式ですよ。
名前を見ただけで、微分積分やらないとならないし、確率統計やらなければならないってことは解るのは、高校数学でそういうことをやっているからに他ならないですよね。
確かに代数幾何学的なものは名前には含まれていないが、微分積分を学ぶにあたって三角関数は最も良い教材である。
sin(x)をxで微分したらcos(x)、cos(x)をxで微分したら-sin(x)、…
こんなに微分積分と親和性の高いものは、三角関数以外には考えにくいですよね。
他にも指数関数とか対数関数とか、微分積分には登場しますね。
確か、ブラック・ショールズ方程式の条件にはlogが出てきますので、対数関数ですね。
確率統計で使う関数だと階乗とか、ガンマ関数とか。
金融経済を学ぶにしても、数学は必須だし、数学を使いこなすにはそれなりの練習というか訓練が必要であり、その教材としてみても三角関数は良い教材なのですよ。
この議員さん、三角関数でよっぽど痛い目にでもあったのでしょうかね?
さて、おそらくこの議員さんが言いたいのは、三角関数とかを学ぶなというわけではなくて、難しいところ、専門性の高いところは大学でやればいいんじゃないの?
ということで、いわゆる先送りしてもいいのでは?ってことなんだと理解しました。
仮に、三角関数を高校でやらずに、大学に先送りしましょうか。
その空いたスペースに金融経済の授業を組み込むわけですね。
上手く行けば、金融経済おもしろい、大学で経済学部目指そう、という学生が増えてくるのは良いかもしれませんね。
で、大学に進んだら進んだで、先のオプションの話しになって、ブラック・ショールズ・モデルってのがあって、こんな数式を使うことで求めることが出来ます。
程度の浅い知識で、数式の内容に付いては詳しくは語られることはないのでしょうね。
さて、大学へ先送りされた三角関数。
文理関わらず一般教養科目の必須科目にしましょうかね。
だって、もともと高校の数学にあったものですから、いままで高校生がやっていたものを大学生ならば一般教養レベルで知らないとまずいですよね。
あと、微分積分も、確率統計も、一般教養科目の必須科目にしましょうかね。
当然、経済学部生は、金融経済を学ぶわけですから、偏微分方程式、確率微分方程式を扱わないといけないので、それも専門的にですから、これらは必須ですよね。
そういうことであれば、諸手を挙げてどうぞどうぞですね。
大学って専門的なことを広く深く学ぶところですよね。
場合によっては狭く深くかもしれません。
その数式が持つ意味を知らないで、上っ面の知識だけで数式に値を入れて出たものを疑わずに使い回して、それでいいわけないですよね。
確率って付いている時点で察しが付くかと思うが、確率なんてものに絶対はないんですよ。
つまり、経済がどう転ぶかなんてのは予想は出来ても、実際にその通りになるのかは解らないって話しです。
それなのに、その確率微分方程式を使えば、オプションの価格を求めることが出来ます。
って皆が信じて、あるいは穴があると逆張りをしたりするのが、投資とかの世界じゃないですかね。
そんなの個々の思惑で動くものだから、予想出来るものじゃないんですよ。
それが予想出来たら、それこそ全員が全員ボロ儲け出来てしまいます。
あくまでも確率の話しだってことですね。
こういうことを書くと、なんで数学者はそんな中途半端なものを経済に持ち込んだとかいう輩が出てきたりしますが、ちゃんと理解していないのが悪いって話しです。
さて、三角関数が抜けた隙間を、金融経済やったところで、そこまでの知識が備わるかというと、三角関数をやるとの大差ないということです。
ならば、三角関数だけではなくて、代数幾何も、基礎解析も、微分積分も、確率統計も抜きましょうか?
だって数学は専門的すぎるから、大学生がやればいいんだよって話しになるんですよね。
でもね、大学行ってまで数学をやっていた私の意見としては、高校数学なんて、数学の基礎中の基礎なんですよ。
大学でやる本当の意味での専門的な数学ってのは、高校までのそれとは違いすぎて話になりません。
なので、高校時代に学年トップとかの数学が出来た生徒も、大学で挫折するとかって結構あるんですよ。
それくらい、大学の数学と高校の数学って違うんです。
まぁ、数学科の話しはこれくらいにしておきますね。
三角関数とか、指数とか、対数とか、確率統計とか、階乗とか、今どき手計算でガリガリとやることって、ほぼないかなとは思う。
コンピュータを使えば、間違いなく答えを出してくれる。
ということは、計算はコンピュータに任せても良い時代ですよね。
では、人間は何をするべきなのか?
それはコンピュータとの対話だと思う。
では、どんな対話をすればいいのだろうか?
計算はしてくれるのだから、正しい式を提示する必要があるわけで、立式は人間が行わなければなりません。
立式さえ出来ていれば、後はパラメータを入れるだけで、計算はコンピュータがやってくれる。
では、立式が出来ない人はどうするべきなのだろうか?
簡単にいえば、得体の知れないものに、わけも解らずに数字を入力して、出力された結果を微塵も疑わないということ。
最後の人、やばいでしょ。
だけど、立式も出来ない、式の意味も解らないって人って、結局そういうことなんですよ。
上手く行っているうちは良いけれども、ちょっとしたトラブルが起こると、大損したり、パニックしてしまうでしょうね。
車の運転の仕方を知らない人が車を運転するのは危険ですよね。
運転免許を持っていても、車の構造の隅々まですべて理解している人は少ないかと思う。
でも、エンジンとか、アクセルとか、ブレーキとかは最低でも解っていないとダメですよね。
車を運転する場合の基礎ってのは、最低限の車の知識がないとダメなのは明白ですよね。
数式の隅々まで理解しろとは言わないけれども、確率微分方程式ってのは、文字通り確率なんだよ、微分方程式なんだよ、微分とか積分とかってのは、未来を予想することが出来るツールかもしれないけれども、その未来は数学の計算式の様に絶対的に約束された未来ではないのですよ。
それは確率や統計が絡んでいて、様々な事柄を考慮して、時には無視しているものもあるんだよ。
なんてことを最低でも理解していないとダメなんです。
では、三角関数を使う業界や業種を考えてみる。
自分が思い浮かぶのが、ゲームプログラマとか、測量とか、建築とか、回転するものや周期性があるものを研究したり、解析したりするような分野全般を思い浮かべることが出来る。
おそらくそういう業界にいれば三角関数は基礎中の基礎だと思うわけで、数学は科学技術の基礎的な役割を果たしているんですよね。
でもそういう分野にみんながみんな進むわけではないので、他の教科の実利を考えてみると、英語とかの方が外国人が増えるにつれて高まるかもしれないけど、日本にいる分には日本語だよなってなる。
では、現代文とか、古文とか、漢文とか、歴史とか、地学とか、物理とか、化学とか、音楽とか、美術とか、考えてしまうことになるよね。
金融経済という授業が高校の課程に含まれたとして、簡単に言えば未来予想なわけで微分積分であり、確率統計であり、って数学不要ではいられないんですよ。
数学抜きで金融経済を学べるならば良いんだろうけど、立式出来ない人、式の意味を理解できていない人が、出てきた数字を何も疑わずに活用して、損しないようにしましょうって話しをするってことですよね。
でもね、それって矛盾しているんですよ。
誰かが儲ければ、誰かしらは損をしているんですよ。
それが金融ってものでしょう?
win-winの関係ってのはあるけれども、それ以外のところで損しているところがあるのです。
みんながみんな儲かるなんてのは現実ではありえないんです。
だから、損をしない、リスクを分散するとかそういう話しですよね。
結局未来予想なんですよ。
それが一週間後なのか、一ヶ月後なのか、半年後なのか、一年後なのか、五年後なのか、十年後なのか、どこまで予想できますか?
プランを立てることは出来るかもしれませんが、その通りに事が運ぶ人なんて一握りだと思いますよ。
結局、確率の話しなんですよね。
さて、高校数学から三角関数抜いていいことあるんかな?
日常生活で一切使うことがない!と言ってしまったら、いかなる学問もそれに該当して、結局学校不要論になるよ。
先送りにするならば、大学進学率を80~90%超えるくらいにしないとね。
50%ちょいくらいじゃ、既に諸外国に負けているんだよね。
詰め込み教育が良いとは言わないけれども、悪いとも言えないと思う。
先送りも場合によっては必要なんだろうけど、大学進学率が低いとなると、まったく通らない人が増える一方ってことですよね。
なんで毎回毎回数学が槍玉に挙げられるんだろうね。
みんな、数学でつらい目にあったのかなぁ。
ではでは