午後のひとときに、図形問題を解いてみる。
問題
四角形ABCDは正方形、
MはADの中点、
∠BCP=15˚、
∠CPB=90˚のとき、
∠AMP=θを求めよ。
シンキングタ~イム
まぁ、いろいろな解き方があるだろうが、小学生でも解けるのだろうか、チャレンジしてみます。
図形問題って補助線で90%決まると思っています。
それは、小学生でも中学生でも高校生でも変わらず同じです。
ただ思うに、その補助線で進めて答えにたどり着けるのか?というのが重要であり、小学生より中学生、中学生より高校生と、使える道具が増えるのだが、それらの道具ばかりに頼っていては、数学は面白くないのである。
今回、自分がひねり出した補助線は、
NPとNMの2本。
ただし、これらの線をどうやって引いたのかを、ちゃんと記す必要がある。
線分BC上の点Nを、∠CPN=15˚となるように取る。
すると、⊿NCPはNを頂角とし、底角15˚の二等辺三角形となる。
また、∠CPN=15˚より、∠NPB=90˚-15˚=75˚となり、
⊿NPBはNを頂角とし、底角75˚の二等辺三角形となる。
これらより、NC=NP=NBということが解り、補助線MNを引く。
線分MNは、正方形ABCDの辺ADや辺BCの二等分点を結んでいることから、
MN//AB//DCとなり、∠MNP=∠MNB-∠PNB=90˚-30˚=60˚
仮に、NP=1とすると、NM=2となり、挟む角が60˚より、
⊿MPNの他の内角は、∠MPN=90˚、∠NMP=30˚ということが解る。
∠AMP=∠AMN-∠NMP=90˚-30˚=60˚
答え 60˚
さて、Nの取り方をBCの中点としてしまうと、小学生では解けなくなってしまいます。
これが、この図形問題の難しいところであり、面白いところでもある。
中学生であれば、
BCの中点をNとして、Nを中心に半径NBの円を描く。
すると、点B、C、Pはそれぞれ円周上にあることが、∠BPC=90˚より解る。
弧PBの円周角は15˚より、中心角は2倍の30˚、つまり∠BNP=30˚となる。
後は、先の解き方と同じ。
というように、円周角や中心角の知識が必要になってしまいます。
そう考えると、直角三角形が出てきたら、円周角、中心角を視野に入れて、円弧を補助線とする場合もあるということである。
他にも、三角関数を使って解く方法、座標を使って解く方法などもあるが、上記2つの方法より計算が面倒、つまり数学的にエレファントなので、割愛する。
数学の世界、特に大学で数学をやっていると、美しい解法はエレガント、そうでない解法はエレファントという言葉を、先生や生徒たちは使うのである。
というわけで、エレファントな補助線の一例を示す。
Mを通り、線分PCに並行な線を引き、CDとの交点をQとする。
□MQCPが等脚台形であることが示せれば良いのだが、そこにたどり着くには長い道のりが必要になるので、途中で失敗と判断した。
補助線として、平行線を引くということは、別に悪いことではないので、果敢に攻めてみるのも良いだろう。
ただし、15˚が出てくるような図形問題は、15˚は有名角というには難しいが、準有名角であり、30˚や45˚や60˚を作り出すような操作をするのが良いのだろう。
なので、今回のように、二等辺三角形を作ったり、正三角形を作ったり、というのが基本であり、等脚台形を作ることで解けるような問題もあるのかもしれないが、それはおそらく円が絡んでくることになるだろう。
円に内接する台形は等脚台形であるとか、円に2点で交わる2直線が平行であるとき、それら4点で出来る図形は等脚台形であるとか、そんな感じになるのだろうか。
そんな問題があったらあったで面白いのだが、小学生では解けない問題になりそうですね。
補助線っていくらでも考えられるので、いろいろと模索するのは、それはそれで楽しいのではあるのだが、その辺が個人個人の感覚の違いで、そこをつまらないと感じる人もいるだろう。
ではでは
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図形問題の補助線の取り方
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