今日は、ちょっとした数学における無限について書いてみよかと思う。
無限という言葉、幼稚園児でも使っている人がいるくらい、結構メジャーな単語なのですが、正しく理解しているのか?と言われると、勘違いしている人が結構多いかもしれません。
漢字の字面を見ると、限りが無いということです。
例えば、
0.99999…
と9が末尾に無限に続く小数と1が数学的に等しい。
とか、
例えば、
正n角形のnを無限大にすると、それは円と等しい。
正多角形と円は同じものではないが、正∞角形は円であり、円には角が無いのである。
とか、無限を扱うとパラドクスが現れやすい。
今回紹介するのは、無限に客室があるホテルの話しです。
あなたは、ホテルの支配人で、既にお泊り頂いているお客様に指示を出せる立場にあり、お客様はそれを断ることが出来ないという、ちょっと変わったシステムのホテルです。
しかし、無限に客室があるということで、必ず泊まれると噂が広まり、その安心感からか、お客が絶えません。
いくつかのケースを与えますので、支配人は既にお泊り頂いているお客様に指示を出し、新しいお客様を速やかに客室を割り当ててください。
【ケース1】
1人のお客様が泊まりたいとフロントに。
しかし、ホテルは満室です。
さて、どうしましょう。
【ケース1の解】
ある客室をn号室として、(n+1)号室に移動して頂くと、
1号室が空室となるので、
泊めることが出来ます。
【ケース2】
5人の団体客様が泊まりたいとフロントに。
しかし、ホテルは満室です。
さて、どうしましょう。
【ケース2の解】
ある客室をn号室として、(n+5)号室に移動していただくと、
1号室から5号室が空室となるので、
泊めることが出来ます。
【ケース3】
無限バス1台がホテルの駐車場に。
しかし、ホテルは満室です。
さて、どうしましょう。
【ケース3の解】
ある客室をn号室として、(2n)号室に移動して頂く。
すると、(2n-1)号室、つまり奇数号室が空室となるので、
無限バスのn番目のお客様は(2n-1)号室に、
とすることで、泊めることが出来ます。
【ケース4】
無限バス3台がホテルの駐車場に。
しかし、ホテルは満室です。
さて、どうしましょう。
【ケース4の解】
ある客室をn号室として、(4n)号室に移動して頂く。
1号車の無限バスのn人目のお客様は(1n)号室に、
2号車の無限バスのn人目のお客様は(2n)号室に、
3号車の無限バスのn人目のお客様は(3n)号室に、
とすることで、泊めることが出来ます。
【ケース5】
無限バスが無限台のホテルの駐車場に。
しかし、ホテルは満室です。
さて、どうしましょう。
【ケース5の解】
ある客室をn号室として、(2n)号室に移動して頂く。
1号車の無限バスのn人目のお客様は(3n)号室に、
2号車の無限バスのn人目のお客様は(5n)号室に、
3号車の無限バスのn人目のお客様は(7n)号室に、
4号車の無限バスのn人目のお客様は(11n)号室に、
5号車の無限バスのn人目のお客様は(13n)号室に、
…
m号車の無限バスのn人目のお客様は(Pm+1n)号室に、
…
つまり、(m+1番目の素数のn乗)号室へ、
とすることで、泊めることが出来ます。
すべてのケースにおける適切な指示が出せましたでしょうか。
無限ホテルのパラドクス、何がパラドクスかと考えてみると、無限ホテルなのに満室ってのがパラドクスなんだろう、と思える。
ではでは
↧
無限ホテルのバラドクス
↧