今日は、日本語を母語とする人々が持つ特有の感覚について書いてみようかと思う。
まずは、以下の2つの文章を見てください。
a) あそこに何かがある。
b) あそこに何かがいる。
たった1文字違うだけの文章なのですが、「何か」と不明であるのにも関わらず、「ある」を使うか、「いる」を使うか、無意識に使い分けているのです。
不思議ですよね。
では、「何か」を特定のものに置き換えて、「ある」と「いる」の使い分けルールについて探ってみましょう。
犬が(ある・いる)。
犬のぬいぐるみが(ある・いる)。
生き物か、そうでないかで使い分けしているように見えます。
木が(ある・いる)
どうやら生き物であっても、動かない草木は「ある」を使っているようです。
タクシーが(ある・いる)
どうやら生き物でなくても、動くものは「いる」を使っているようです。
壊れた車が(ある・いる)
明らかに動けない状況では「ある」を使う場合もあるようです。
駐車場に車が(ある・いる)
この場合はどちらも使えますね。
ジェットコースターが(ある・いる)
ジェットコースターは動くのに「ある」を使うことが多いのは、軌道も含めてジェットコースターとしているからだと思われる。
ロボットが(ある・いる)
ガンダムが(ある・いる)
アシモが(ある・いる)
AIBOが(ある・いる)
ペッパーくんが(ある・いる)
動きそうもないロボットは「ある」、今にも動きそうなロボットは「いる」を使うこともあるようで、かなり曖昧な状況かと思われる。
恐竜が(ある・いる)
幽霊が(ある・いる)
ミイラが(ある・いる)
死体が(ある・いる)
恐竜は現代では絶滅していないが、例え作り物で動かないものであっても「いる」を使う。
幽霊は実在するしないにかかわらず「いる」を使うようです。
ミイラはどちらも使えそうですが、死体は「ある」を使うようです。
ウィルスが(ある・いる)
腸内細菌が(ある・いる)
微生物が(ある・いる)
寄生虫が(ある・いる)
どうやら小さな生き物は、生きていても死んでいても「いる」を使うようです。
ウィルスは生物ではないが「いる」を使う。
太陽が(ある・いる)
お天道様が(ある・いる)
月が(ある・いる)
お月様が(ある・いる)
太陽や月は地球を中心としてみれば動いていると言えるが「ある」を使うが、
神格化、擬人化されると「いる」を使う。
財布の中に万札が(ある・いる)
財布の中に諭吉が(ある・いる)
お札自身は自ら動くことはないが、擬人化すると「いる」を使うことも出来る。
魚屋さんが(ある・いる)
八百屋さんが(ある・いる)
逆に名称が同じでも指しているものが違う、店舗なのか、店員なのかで使い分けている。
焼き芋屋さんが(ある・いる)
竿竹屋さんが(ある・いる)
どちらも、車による移動販売が多いからか「いる」を使うようです。
それが定位置から動かなければ「ある」を使うようです。
「ある」と「いる」、いろいろな例をあげてみました。
皆さんも、面白い例がありましたら、コメントにて教えて下さいね。
ではでは
↧
日本語ネイティブ特有の不思議な感覚
↧