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2022年6月でIEのサポートが終了する

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IEとは、InternetExplorer、直訳すれば、インターネットを探検する、となるが、MicrosoftがWindowsに標準搭載していたインターネットを閲覧するためのウェブブラウザという機能を持つアプリケーションです。

インターネット黎明期、私は本職がテストプログラマだったころの話です。
何の因果か偶然か、ネットワークOSの会社に、とあるネットワークOSの動作確認のテスターとして出向することとなります。
最初はテスターとしてのお仕事でしたが、最終的には電話サポートまでやる羽目になるとは、思ってもいませんでした。
なんだかんだ、その会社には3度もお世話になり、トータル2年半以上出向しておりました。


さて、話はまだWindowsが3.1で、DOS上で動かしていた時代まで遡ります。


このころ、パソコンでインターネットに繋ごうとするには何をしなければいけなかったか。

パソコンを持っているだけでは、インターネットには繋がりません。
当時のパソコンやOSには標準でネットワークの機能はありません。

今どきのパソコンなんて、どこで買っても最初からネットワークケーブルさえ正しく接続すれば、もっと言えばWi-Fiさえ繋げられれば、インターネットに繋がりますよね。

かれこれ30年前は、これらをすべて手作業でやらねばならない時代でしたので、私のようなエンジニアは需要があったようです。

日本国内で販売されていたパソコンメーカーは、IBM、NEC、富士通、東芝、三菱、SONY、EPSON、といった面々でした。

DOSはかなり成熟していて、IBM、MS、どちらもバージョンは5.5から6といった辺りでした。
またDOS/Vというディスプレイのサイズが640x480というVGAの規格が伸びていた時代でもあります。
このDOV/Vのハードやソフトをテストするのが当時の本業でした。

拡張ボードのスロットは、ISA、EISA、PCIなど、メーカーやパソコンによって様々でしたので、自分の持っているパソコンがどんなスロットを持っているから、そのスロットが使えるネットワークインターフェイスカード(以下NIC)を買うということになります。

買っただけではどうにもなりませんので、自分でパソコンを開いて、ジャンパーピンを設定したりいろいろとやって、決められたスロットにNICを挿して、パソコンを閉じて、電源ケーブルを挿して、電源を入れて、DOSが問題なく立ち上がるのかを確認します。

さて、パソコンに装着したら勝手に使えるようになるわけではなくて、これからファイルを開いて、手作業でいくつかのファイルを編集する必要が出てきます。

NICに付属のフロッピーディスクには、そのNICの専用ドライバー(SYSファイル)が付属していますので、これを適当なフォルダなどにコピーして、CONFIG.SYSファイルを開いて、このドライバーを正しく読み込むように設定する必要があります。

そのドライバーがどこのメモリー領域を使うかといったことをしっかり設定して、他のものがそこの領域を使わないように設定したりと、いろいろと大変だったかと思います。

さて、DOSやWindows 3.1にはネットワークの概念すらありませんが、それでもインターネットに繋ぎたい企業や個人がいました。
そこで登場するのが、私が出向していたN社のソフトウェアを購入してインターネットに接続するということです。

クライアント環境が整ったら、ここからは今とあまり変わりませんね。

NICを入れて、CONFIG.SYSをいじって、win.iniをいじって、といったトライ・アンド・エラーをした人も多かったことでしょう。
インターネットに繋がらないわけですから、情報を収集出来るわけでもなく、当時にそんな優れた情報サイトがあったわけでもなく、近くに詳しい人が居ればまだしも、そういう人がいなければ、有料でもサポートを受ける他なかったということになります。


さて、Window 3.1時代のブラウザと言えば、NCSA mosaic(モザイク)というものが一番メジャーだったかと思います。

しばらくすると、Window 95が登場します。
日本では、1995年の年末だったかと思います。

Windows 95は、最初からネットワークを繋げることを想定したOSで、当然プリインストールされたパソコンは、最初からネットワークが使えるようにとNICを標準搭載したりという形で販売されていましたが、ケーブルを繋げばすぐ使えるという状態までは、まだまだ整っておらず、実際に誰の手も煩わせずに繋げば使えるというのは、もう少しあとになります。

このWindows95には、標準でIEが搭載されていて、独占禁止法に抵触するという話で盛り上がっていたように思う。
やっとIEの登場ですね。

MS以外にもNCSA mosaicの流れを組む、Netscape Navigater(ネットスケープ・ナビゲーター、以下NN)というブラウザがあり、勢力を二分するというか、IEだけでは物足りず、両方入れているユーザが多かったかと思いますというか、私の場合は仕事柄両方使う必要性があったとも言えます。

当時のウェブサイトは、IEでしかまともに閲覧出来ないとか、NNでしかまともに閲覧出来ないというような、結構いろいろとありましたので、今では考えにくいかもしれませんが、ウェブを構築した人の思想にかなり左右されやすいものでした。

それは、IEがかなり独自仕様だったことによるところが大きかったように思います。

そんなIEがウェブブラウザ市場の半分以上のシェアを持っていたのは、Windows98以降の数年の時期だったと私は記憶しているが、企業などではIE以外は使ってはダメというような変な縛りもあったかと思いますので、そういった会社のイントラネットはIEでしか閲覧出来ないような作りになっていたりします。

NNは2008年にサポートを終了して、IEは遅れること2022年6月でサポートを終了する。

という話ですが、未だにIEを使っているユーザはわずか0.57%と1%にも満たないそうです。

Windowsの標準ブラウザがEdgeになり、それでもIEほそぼそと生き延びてきたのでしょう。

私も仕事柄色々と使う必要性に駆られましたが、Edgeは起動することはあっても、いつも使うブラウザに設定することはありませんでしたし、今後も使う頻度はほぼないでしょう。

OSに標準搭載されている=基本
という言い分も解らなくはないです。

Chromeをインストールするために、IEを起動せざるを得ないということでもあります。

例えば、標準搭載されたセキュリティソフトのWindows Defenderなんて、他のセキュリティソフトを必要としないレベルになっていますので、Windows 8/8.1/10以降で、他のセキュリティソフトを使う理由は見つかりません。

残念ながらブラウザはそういうわけには行かなかったということでしょう。

デスクトップ環境では、Google Chromeが77%で、safariが8.87%、firefoxが7.69%、Edgeが5.83%です。
モバイル環境では、Google Chromeが61.9%、safariが25.6%、以降割愛。

どちらにしてもGoogle Chromeの独擅場となっていますね。

それはなぜかと言えば、検索最大手の地位にGoogleが居ることはもちろん、デスクトップ、モバイル、といった環境に依存しないで同じものを使えるということも大きな要因の一つでしょう。

当然、ブラウザとしての性能も大事であり、起動が速いこと、描画が速いこと、操作性が良いことなども、当たり前の理由としてあります。

IEの独自仕様も、なんだかんだ他のウェブブラウザへの影響力は充分にあったかと思う。

1995年12月から2022年6月という長い間、
お疲れさまでした。


ではでは


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