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万葉仮名

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現代仮名遣いには、ヤ行イ段、ヤ行エ段、ワ行イ段からワ行エ段が欠落している。

ワ行イ段のひらがなはゐ、カタカナはヰ。
ワ行エ段のひらがなはゑ、カタカナはヱ。

というものがあることは結構知られているが、ヤ行に関してはあまり知られていない。


現代仮名遣いでの五十音表以前は、いろは仮名四十七文字であろう。

いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす


さて、ここらへんからは持論を展開していきますよ。

上記の読みを、訓令式でローマ字で記してみます。

iro[ha/wa]nioe[to/do] tirinuruo
wa[ka/ga]yo[ta/da]re[so/zo] tunenara[mu/n]
uinookuyama keukoete
asakiyumemi[si/zi] eimose[su/zu]

まず、ハ行に着目してみる。

「いろはにほへと」の「は」をwaと読ませるのか否か。

「わかよたれそ」にwaがあることから、「いろはにほへと」の「は」はhaなのではないだろうか?
つまり、「いろはにほへと」の「は」は助詞の「てにをは」の「は」ではないと、私は考える。

漢字交じりに直すならば、色葉で「いろは」という考えを推したい。


「ほ」をo、「へ」をe、「ふ」をu、「ひ」をi、とすべてhが取り除かれている。
これはフランス語の無音のアッシュと同様の発音だと感じる。


ワ行に着目してみる。

助詞として「ちりぬるを」の「を」だが、母音省略(エリジオン)されてしまっているとも考えられる。
「るを」の部分のローマ字を抜き出してみると、ruo。
母音が省略されていたとすると、ruuoで、「を」はuo、うお、うぉ、という発音に近かったと考える。

同様にワ行イ段の「ゐ」の部分も、母音省略されていると考え、「うゐ」の部分のローマ字を抜き出してみると、ui。
母音が省略されているとすると、uuiで、「ゐ」をui、うい、うぃ、という発音に近かったと考える。

ワ行エ段の「ゑ」の部分だが、前に文字はないのでここでは何とも言えないのですが、上記二つの考えから、「ゑ」もue、うえ、うぇ、という発音に近かったと考える。



さて、ここでやっとタイトルの万葉仮名の話です。

ゐ、ヰ、ゑ、ヱ、を、ヲ、の元になった漢字はなんだろうか?

更に付け加えて、ヤ行イ段、ヤ行エ段についても記す。

い:以
イ:伊
yi:以
ゐ:為
ヰ:葦

え:衣
エ:江
ye:江
ゑ:恵
ヱ:畫

お:於
オ:於
を:遠
ヲ:緒

ここで、ア行とヤ行のイ段とエ段の奇妙な関係が見えてくる。

以という漢字から、ア行イ段のひらがなと、ヤ行イ段のひらがなとカタカナ。
江という漢字から、ア行エ段のカタカナと、ヤ行エ段のひらがなとカタカナ。

実は、Unicode 6.0.0から、
ア行エ段の衣から派生したとされるカタカナ、(U+1B000)
ヤ行エ段の江から派生したとされるひらがな、(U+1B001)
が対応されました。

とは言っても、この文字が含まれるフォントがなくては、表示出来ないことは明白である。

江から派生したとされるひらがなは、実はよく見かけたりする。



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