午後のひとときに、デュードニーのパズルの解の1つ、リンドグレンの解を紹介します。
リンドグレンというと、競走馬や『長くつ下のピッピ』の作者やサッカー選手を思い浮かべてしまうかもしれないが、残念ながら名字が同じだけのようです。
ネットには、それらしき画像はあることはあるのですが、どうも正確性が怪しいので、自分なりに各ピースの長さや角度などをちゃんと計算して描いてみました。
図を見て解る通り、正三角形、正方形、正六角形のいずれにも組み換え可能な分割となっており、それもたった9ピースという少なさとなっております。
さて、この解はリンドグレンという人物の解なのですが、リンドグレンの情報がほとんどありません。
やっとみつけたのが、ウィキペディアの英語のページです。
ハリー・リンドグレンは、1912年生まれのイギリス出身のオーストラリア人で職業はエンジニア、言語学者、アマチュア数学者。
1964年に彼の書いた書籍が、
DeepLにタイトルを翻訳させると、『幾何学的断面におけるレクリエーション問題とその解決法』となる。
おそらく、この図形が掲載されているのだろうか。
さて、この図形の各ピースの辺の長さや角度などを求める取っ掛かりはどこなのだろうか。
大胆にも、正六角形の2頂点で真っ二つに分けるところから始まる。
この図形は、等脚台形であり、上底と脚の長さも等しいので、名前をつけるとしたら三等辺等脚台形だろうか。
この三等辺等脚台形の中に、正方形の1辺の長さを取る。
これがオレンジ色のピースとなって、この3辺の長さ、角度が決定される。
正方形の中でオレンジ色のピースと接するスカイブルー色の三角形(正三角形ではない)の3辺の長さや角度が完全に解明される。
この三等辺等脚台形を正三角形の一辺に下底が接するように配置すると、トマト色の四角形(平行四辺形ではない)の1辺の長さが正六角形の辺の長さだと判明し、その対辺はスカイブルー色の三角形の辺の長さと等しく、最短辺の長さは、正三角形の辺の長さから、スカイブルー色とオレンジ色のピースの辺の長さを引くことで求めることが出来、角度から最後の辺の長さを求めることが出来、トマト色のピースが完全に解明される。
正六角形におけるトマト色のピースの下に出来る図形は、トマト色の辺の長さが正六角形の1辺の長さから、平行四辺形であることが判明する。
ピンク色のピースに着目すると、正六角形ではオレンジ色のピースと錯角の関係にあるので、正方形に配置すると、平行線が出来、トマト色のピースから、ピンク色のピースの1辺の長さが判明し、辺の長さと角度から、ピンク色のピースが完全に解明される。
ライトグリーン色のピースに着目すると、正三角形や正六角形において、ピンク色のピースと辺を共有するので、その辺の長さ、角度から、ライトグリーン色のピースが完全に解明される。
といったように、ドミノ倒しのように長さや角度が判明していくことになるのですが、…
私はコンピュータを使って計算させているので、立式さえ出来れば値を求めるのは容易であるが、リンドグレンは年代的にコンピュータを使ったとは考えにくく、正三角形、正方形、正六角形を重なるように配置して、コンパスなどを使って、幾何学的に長さや角度を求めていったことだろう。
それにしても9ピースで3つの正多角形とは恐れ入ったし、このパズルの解き方の1つを垣間見えたことが、今回の一連の記事において、正五角形や正六角形が更新されたことに繋がっているのでした。
正五角形に関しては、大胆な一本目の分割線で出来る二等辺三角形を、更に分けて組み替えて出来る三等辺等脚台形が鍵でした。
残りは、デュードニーの正三角形のやり方になぞらえて、他のピースを導いたということですね。
前の記事にも書いたが、ボヤイの定理によって、面積の等しい多角形は、有限個のピースの分割及び組み換えによって合同な図形に組み直し出来る。
つまり、上記の図形では描いていない、正七角形であろうが、正九角形であろうが、正十角形であろうが、正十一角形であろうが、正方形に組み換えできるのです。
ただ、そういった情報をネットで画像検索しても、上図に示した正十二角形すら出てきません。
人気がないのか?
誰も求めていないのか?
そこまでは解りかねますが、この記事を上げることで、この図がネットに晒されることで、知名度が上がってくれればよいのです。
今現在、正七角形に取り組んでいますが、まだまだ大胆な分割線にたどり着けていません。
そこが決まれば、自ずと道は開けるかと信じてやっております。
ただ、私の性格上、集中できる時間は限られており、すぐに別のことに着手したりしてしまうので、正七角形の解明よりも先に、これらの変形プロセスのアニメGIFとかに取り組んでしまうかもしれません。
まぁ、この研究は図形的に面白いし、現実のパズルとしても遊べますので、実際に手作りしてみるのもやらなければならないですね。
ではでは