午後のひとときに、タイトルのような問題の類題を作って解いてみる。
問1
1!+2!+3!+…+n!
が平方数となるすべてのnを求めよ。
問2
0!+1!+2!+…+n!
が平方数となるすべてのnを求めよ。
シンキングタ~イム
数学屋って、ちょっと数値を変えたりした類題を作っては、自分で解くということをやっている。
しかも、それが必ずしも解けるという保証がないのにです。
問1
1!=1
2!=2
3!=6
4!=24
5!=120
6!=720
7!=5040
…
と試してみると、5!以降の一の位が0になることが解る。
これは、
5!=5×4×3×2×1
=(4×3×1)×(5×2)
=(4×3×1)×10
ということで、5!以降は常に一の位が0ということが確定するからです。
つまり、総和であっても、5以降は一の位が変化しなくなるということでもあります。
1!=1 平方数
1+2!=3
3+3!=9 平方数
9+4!=33
33+5!=153
153+6!=873
873+7!=5913
…
というように、5!の一個前の4!を足したときの一の位の3が残るということです。、
方や平方数は、
12=1
22=4
32=9
42=16
52=25
62=36
72=49
82=64
92=81
102=100
となって、一の位に着目すると、
1, 4, 9, 6, 5, 6, 9, 4, 1, 0, …
と循環していることが解り、
一の位に該当するのは、
0, 1, 4, 5, 6, 9
と絞られます。
これより、平方数の一の位が3になることはないので、nは3までを調べれば十分であることが解ります。
よって、
n=1のとき、3
n=2のとき、3 不適
n=3のとき、9
答え n=1, 3
問2
問1同様に、
0!=1 平方数
1+1!=2
2+2!=4 平方数
4+3!=10
10+4!=34
33+5!=154
153+6!=874
873+7!=5914
…
と、n=4以降は一の位が4となる。
平方数の一の位の循環に4は含まれており、
先の解法が使えないということになります。
さて、どうしましょうか。
一の位でどうにも出来ないのであれば、十の位までを考えてみましょう。
4+3!=10
10+4!=34
33+5!=154
153+6!=874
873+7!=5914
5914+8!=46234
46234+9!=409114
409114+10!=4037914
4037914+11!=43954714
43954714+12!=522956314
…
9!を足したところから、下二桁が14に固定されています。
これは、9!の次の10!を足す段階で、
10!=10×9×8×7×6×5×4×3×2×1
=(2×5)×(32)×(23)×(7)×(2×3)×(5)×(22)×(3)×(2)×(1)
=28×34×52×7
=(26×34×7)×(22×52)
=(26×34×7)×100
と100の倍数になって、常に下2桁が00ということによるものです。
これより、下2桁はn=9以降は14に固定される。
また、それ以前であっても、十の位は1, 3, 5, 7, 9と奇数しか現れていない。
方や、n2の一の位が4になるには、
(10m+2)2=100m2+40m+4=m2×100+4m×10+4
(10m+8)2=100m2+160m+64=100m2+100m+60m+60+4
=(m+1)×m×100+(m+1)×6×10+4
と、nの一の位は2か8に限られ、
その際、十の位は必ず偶数となり、n=3以降の十の位は常に奇数なので、n=2までを調べれば十分である。
n=0のとき、1
n=1のとき、2 不適
n=2のとき、4
答え n=0, 2
問2は問1を踏まえた上で、多少問題が難しくなるが、それでも範囲が絞られましたね。
例えば、n!から(n+m)!までの総和が平方数といったことにしたら、解はどれくらい見つかるのだろうか、
立法数ならどうだろうか、
などなど、数学屋の興味は続くのであった。
ではでは