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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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総和が平方数になるには

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午後のひとときに、数学の問題を自作したので紹介します。


問題
nは1以上5以下の自然数、kは2以上の自然数として、
各nにおいて、

x2 =
k
Σ
m=1
mn

を満たす自然数xが存在するならば最小のxを、
存在しないのであればそれを示せ。


シンキングタ~イム


自作しておきながら、こんな風に解けるかなというのは考えているが、どうなるかやってみる。

まず、各nについて総和の厳密値を書いてみる。

 

x2 =
k
Σ
m=1
m1 =
k(k+1)
2
x2 =
k
Σ
m=1
m2 =
k(k+1)(2k+1)
6
x2 =
k
Σ
m=1
m3 =
k2(k+1)2
4
x2 =
k
Σ
m=1
m4 =
k(k+1)(2k+1)(3k2+3k-1)
30
x2 =
k
Σ
m=1
m5 =
k2(k+1)2(2k2+2k-1)
12

 

これらを踏まえて、分母分子に着目する。

n=1のとき、
 kとk+1は連続する自然数なので、どちらか一方は偶数であり、必ず分母の2で割り切れる。
 仮にkが2で割り切れて、商が平方数で、k+1も平方数のものを考えると、
 k=8で成り立つ。
 仮にk+1が2で割り切れて、商が平方数で、kも平方数のものを考えると、
 k=8までに見つからない。
 よって、k=8のとき、x=6で最小。

n=2のとき、
 kとk+1は連続する自然数で、2k+1は奇数。
 分母の6は偶数なので、2k+1は平方数である必要がある。
 k=4のとき、2k+1=9となり、4×(4+1)が6の倍数でないので不適。
 k=12のとき、2k+1=25となり、12×(12+1)÷6=26と平方数でないので不適。
 k=24のとき、2k+1=49となり、24×(24+1)÷6=100と平方数。
 よって、k=24のとき、x=70で最小。

n=3のとき、
 分子のk2、(k+1)2ともに平方数である。
 また、k、k+1は連続する自然数なので、どちらか一方が偶数で、もう一方は奇数。
 偶数の2乗は偶数、奇数の2乗は奇数なので、分母の4は偶数の2乗で割り切れ、
 商が平方数である必要がある。
 k=2のとき、22(2+1)2÷4=4・9/4=9で平方数。
 よって、k=2のとき、x=3で最小。


とりあえず、ここまでやってみる。

ここで、それぞれの厳密値の式の違いに着目すると、

n=1とn=2の式の違いは、

k(k+1)
2
2k+1
3
k(k+1)(2k+1)
6

のように、(2k+1)/3という条件が追加されたと捉えられ、
n=1の解は、

k=
(3-22)m+(3+22)m-2
4

mが自然数ということで、kは無限に存在することを示せます。
しかし、n=2の解は、n=1よりも条件が厳しくなり、
自明なk=1と、非自明なk=24のとき、x=70を見つけることは出来るが、これら以外に非自明な解があるのかは、現時点でkの一般項が示せていないので不明。

n=2とn=4の式の違いは、

k(k+1)(2k+1)
6
3k2+3k-1
5
k(k+1)(2k+1)(3k2+3k-1)
30

のように、(3k2+3k-1)/5という条件が追加されたと捉えられ、
n=2の時点で、非自明な解が1個しか見つけられていないので、更に条件が追加され厳しくなっていることで、n=3の解は、自明なk=1しか見つけられない。

n=3とn=5の違いは、

k2(k+1)2
4
2k2+2k-1
3
k2(k+1)2(2k2+2k-1)
12

のように、(2k2+2k-1)/3という条件が追加されたと捉えられ、
n=3は、すべての自然数kにおいて成り立つので、解は無限に存在する。
よって、n=5になって条件が一つ増えたところで、
自明なk=1と、非自明なk=13のとき、x=1001が見つかる。
こちらは、非自明な解がもっと見つかっているが、一般項が解れば追記する予定。


証明は全然出来ていないが、n=4以外のときには非自明な解が1個以上見つかり、n=4のときには非自明な解が見つけられないというところである。
証明は難しそうですので、私の作問した未解決問題ということですかね。


ではでは

 

 


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