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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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(1+9^(-4^(6*7)))^(3^(2^85))

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午後のひとときに、ネイピア数の小町算による近似式を紹介する。

 


リンク記事のタイトルを翻訳すると、
「定数eの最初の18 TRILLION TRILLION桁を得ることができる式は、本当に素晴らしいです!!」

その式は、

(1+9-46×7)3285

こんな式です。

このブログの読者ならば、この式をみてあることに気がつく人もいることだろう。

小町算だ!

小町算とは、
1から9までの整数をすべて使って出来る計算式のことです。


この計算式をそのまま電卓で計算しようものならば、途中計算が1になってしまったりして、正しい計算をしてくれない。

私の使っている多倍長演算電卓でも、この数式すべてを入れてしまうと、うまくいかないので、部分的な計算しか出来ない。

というわけで、Wolframにお願いする。

(1+9^(-4^(6*7)))^(3^(2^85))
これをコピーして、Wolframにペースト。



入力の[表示桁数を増やす]を押して、最大まで増やしたら、下の[プレーンテキスト]を押して、下に出た値をコピーする。
そのデータを小数点以下10桁毎にスペース、50桁毎に改行を入れたのが以下の通り。
※式の*が消えていたので補正しておく。

(1+9^(-4^(6*7)))^(3^(2^85))≈2.
7182818284 5904523536 0287471352 6624977572 4709369995
9574966967 6277240766 3035354759 4571382178 5251664274
2746639193 2003059921 8174135966 2904357290 0334295260
5956307381 3232862794 3490763233 8298807531 9525101901
1573834187 9307021540 8914993488 4167509244 7614606680
8226480016 8477411853 7423454424 3710753907 7744992069
5517027618 3860626133 1384583000 7520449338 2656029760
6737113200 7093287091 2744374704 7230696977 2093101416
9283681902 5515108657 4637721112 5238978442 5056953696
7707854499 6996794686 4454905987 9316368892 3009879312
7736178215 4249992295 7635148220 8269895193 6680331825
2886939849 6465105820 9392398294 8879332036 2509443117
3012381970 6841614039 7019837679 3206832823 7646480429
5311802328 7825098194 5581530175 6717361332 0698112509
9618188159 3041690351 5988885193 4580727386 6738589422
8792284998 9208680582 5749279610 4841984443 6346324496
8487560233 6248270419 7862320900 2160990235 3043699418
4914631409 3431738143 6405462531 5209618369 0888707016
7683964243 7814059271 4563549061 3031072085 1038375051
0115747704 1718986106 8739696552 1267154688 9570350354
0212340784 9819334321

小数点以下1020桁分のデータです。
出力された値は多倍長演算で出力したものと比較して、差異はありませんでした。

とりあえず、1020桁は正しい値を出力しているということは解った。


ここからは、手計算と多倍長演算電卓で、どこまで迫れるかをやってみる。

ネイピア数eの定義は、

e=
lim
x→∞

1+
1
x

x
 


今回とりあげた式もこの式の形に似ている。


今回の式は、指数が連なっており、括弧などで優先順位が示されていない場合は、一番右肩と二番目とを計算して、どんどん下がってくるように計算するということを間違ってはいけません。

例えば、235の場合、35を先に計算するということです。

正しく表記すると、文字が小さくなりすぎるので、文字サイズは通常サイズのままで、
指数には^記号を使います。
また、計算の優先順位を解りやすくするために括弧演算子を使います。
log計算にて、底の部分と真数を通常サイズの文字で表示するため、log底(真数) のように表記します。

括弧内の1/xに当たる部分は、
1/x=9^(-4^(6*7))
x=9^(4^(6*7))
=9^(4^42)
=9^19342813113834066795298816

方や括弧の外のxはyとして、
y=3^(2^85)
=3^38685626227668133590597632

x、y、共に底を3とするlogを取ってみる。

x=9^19342813113834066795298816
log3(x)=19342813113834066795298816・log3(9)
=19342813113834066795298816・log3(32)
=2・19342813113834066795298816・log3(3)
=38685626227668133590597632

y=3^38685626227668133590597632
log3(y)=38685626227668133590597632・log3(3)
=38685626227668133590597632


よって、

log3(x)=log3(y)
x=y

となりました。
これにより、eの定義通りにxにかなり大きな値を与えていることが解りました。

さて、log3(x)は10進数で何桁あるのでしょうか。

log3(x)=38685626227668133590597632
ということは、3進数で[38685626227668133590597632+1]桁ということです。
10進数の桁数を知りたいので、
38685626227668133590597632・log10(3)
≒18457734525360901453873569.8283816056…

10進数での桁数なので、天井関数を使って、
18457734525360901453873570桁
ということです。


これはxの桁数であるが、ネイピア数の精度に直結しているということです。

x=10^0=1のとき、(1+1/1)^1=2
x=10^1=10のとき、(1+1/10)^10=2.5937424601
x=10^2=100のとき、(1+1/100)^100≒2.7048138294
x=10^3=1000のとき、(1+1/1000)^1000≒2.7169239322
x=10^4=10000のとき、(1+1/10000)^10000≒2.7181459268
x=10^5=100000のとき、(1+1/100000)^100000≒2.7182682371
x=10^6=1000000のとき、(1+1/1000000)^1000000≒2.7182804693
x=10^7=10000000のとき、(1+1/10000000)^10000000≒2.7182816925
x=10^8=100000000のとき、(1+1/100000000)^100000000≒2.7182818148
x=10^9=1000000000のとき、(1+1/1000000000)^1000000000≒2.7182818270
x=10^10=10000000000のとき、(1+1/10000000000)^10000000000≒2.7182818283

10の指数表記した場合の指数桁分は、最右辺の先頭からの桁数について、ネイピア数eの精度を満たしていることが解ります。


さて、18 TRILLION TRILLION桁とは一体何桁のか、

英語圏での数は3桁毎に単位が変わるので、下から3桁毎にカンマで区切る。
18,457,734,525,360,901,453,873,570
million=10^6 なので、18,457,734,525,360,901,453 million digits
billion=10^9 なので、18,457,734,525,360,901 billion digits
trillion=10^12 なので、18,457,734,525,360 trillion digits
quadrillion=10^15 なので、18,457,734,525 quadrillion digits
quintillion=10^18 なので、18,457,734 quintillion digits
sextillion=10^21 なので、18,457 sextillion digits
septillion=10^24 なので、18 septillion digits

※あくまでも今現在一般的に使われている命名法を使用しています。

日本では4桁毎に単位が変わるので、下から4桁毎にカンマで区切る。
18,4577,3452,5360,9014,5387,3570桁
18,4577,3452,5360,9014,5387万桁
18,4577,3452,5360,9014億桁
18,4577,3452,5360兆桁
18,4577,3452京桁
18,4577垓桁
18𥝱桁


18 TRILLION TRILLION DIGITSは、18𥝱桁ってことでいいのかな?

Google翻訳やDeepLで翻訳すると、18兆兆桁と訳されてしまいます。

trillion=10^12 なので、
trillion trillion=10^24 ってことなのかな?

英語圏での大数は、short scaleとlong scaleとがあって、1974年以前と以後では異なった解釈がされていたりしており、更に国によって様々であったりするので、これらをすべて理解することはとても難しい。

同じ漢字圏の日本と中国でも、大数の命名法が同じかというと、必ずしも合致しているわけではないですから、英語圏も国によって大数の命名法が違ってもおかしくはありません。

時代や国、はたまた文献によって、大数の命名や解釈に揺れがあるということは覚えておく必要がありますが、我々は現在の日本の命名と解釈くらいにとどめておくのが良さそうです。

対数と大数の話しになってしまったな。

今回のtrillion trillion digitsが誤字なのか、それとも、その国ではこの表記で正しいのか、その辺りはよく解りませんが、数学の計算部分については、嘘偽りがないと思うので、そこは信じて良いかと思う。

その計算を信じて貰えないのであれば、自身で計算するしかないでしょう。


ではでは

 

 


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