昨日の記事の続きといえば続きだが、続きじゃないといえば続きじゃない。
十面体サイコロの展開図を考えてみる。
十面体サイコロの面の形は凧形です。
どんな凧形でも十面体が作れるかと言われると条件がある。
その辺りを考えていく。
凧形であると言っている時点で、線対称であることは自明ですが、角度、短辺と長辺の長さの比を決めたいが、これがなかなか難航している。
というわけで、他のサイコロのルールに従うのが良いと考えました。
他のサイコロは、正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体、と正多面体であり、正多面体はこの5種類しか存在しないことは、オイラーの多面体定理より解る。
では、正多面体ではない十面体を、サイコロということを念頭に考えるわけです。
正多面体のルールを出来る限り分けて考えると、
1) 各面が平面である。
2) 各面が合同な正多角形である。
3) 各辺の長さが等しい。
4) 二面角(二面の共通辺が成す角度)が等しい。
5) 各頂点を含む辺の数が等しい。
6) 各頂点を含む面の数が等しい。
7) 各面は真円に内接しており多角形と真円の重心が等しい。
8) 各頂点は真球に内接しており多面体と真球の重心が等しい。
こういったルールがあるから、サイコロとして成立していると考える。
これを踏まえて、十面体サイコロの面の形状である凧形を考えることにする。
面が凧形である時点で、2)、3)の条件を満たすことは出来ず、
また、5)、6)については、十面体サイコロは満たしているので、
1)、4)、7)、8)について、出来る限りルールを満たすことがサイコロとして望ましいと考える。
1)については、サイコロとして考えれば、ある程度当たり前のルールなので、これは満たすこととする。
まぁ、サイコロにも面が曲面になっているものも無くはないのですが、一般的なことを考えれば満たされるべきものだとしました。
残すは4)、7)、8)ですが、7)は8)を満たすための必要条件で、十分条件ではないという関係がある。
そこで、他にもサイコロとして存在しないのかをググってみる。
すると、面が菱形の菱形多面体、面が凧形の凧形多面体を見つけるに至る。
しかし、凧形多面体は、凧形六十面体と凧形二十四面体というワードしか見つからず、凧形十面体はウィキペディアにも存在しない。
凧形六十面体の面の形状:
短辺:長辺=1: | 7+√5 6 |
鋭角=86.97˚
鈍角=118.27˚
凧形二十四面体の面の形状:
短辺:長辺=1: | 4-√2 2 |
3つの鈍角が等しく、
鋭角≒81.58˚
鈍角≒115.26˚
これらから、凧形六十面体も、凧形二十四面体も、8)を満たしていないことが解った。
なぜかというと、凧系の両翼が90˚でないことから、凧系は真円に内接していない。
つまり、8)の必要条件である7)を満たしていないので、8)を満たしていないということです。
他にも、凧形二十四面体には、二面角はすべて138.12˚となっています。
つまり、凧形二十四面体は4)を満たしている。ということになります。
さて、十面体サイコロで4)を満たすことは可能なのだろうかを考えると、これは計算が難しそうである。
一番簡単なのは、7)を満たすことです。
凧形が真円に内接するならば、両翼が90˚の凧形ということが確定します。
両翼が90˚に定まったからと言って、まだ凧形が定まったわけではありません。
残り2角を定めるか、短辺と長辺の比を定めるかする必要があるということです。
推し進めるとしたら、8)を満たすことなので、二分法などを使って解析していくしかないのだろうか。
まぁ、4)、8)のどちらも満たさないものであれば、展開図は作図出来るというところまでは来ています。
ここからどうするかというのは、考えがまとまったら別の記事で。
凧形多面体のサイコロです。
これらの展開図はウィキペディアの情報から描けますね。
ではでは