午後のひとときに、今取り組んでいる数学の問題を紹介する。
問題
a 2 | + | b 3 | + | c 5 | + | d 7 | = | 1 abcd |
左辺の分母が素数で、分子が0ではない整数のとき、
右辺の分母の絶対値が最小となる組を求めよ。
という問題について、左辺の項数を増やしていくことを考えている。
前回の時点で11項までは何らかの解を見つけた。
項数 | 左辺分子 | 右辺分母の絶対値 |
2 | 1,-1 | 1 |
3 | -1, 1, 1 | 1 |
4 | 1, 1,-2,-3 | 6 |
5 | 1,-1,-2, 1, 1 | 2 |
6 | 1,-1, 1,-1,-5, 3 | 15 |
7 | -1, 1,-2, 2, 1, 4,-2 | 32 |
8 | -1, 1, 2,-1,-4, 5,-1, -1 | 40 |
9 | 1.-1,-1, 3,-4, 7,-3, -5, -3 | 3780 |
10 | -1, 1, 1, 3, 1,-2, 4,-10,-12,12 | 34560 |
11 | -1, 1, 1, 1, 5,-3,-7, -4, 10, 6,-13 | 327600 |
さて、前回はループを多少改善する方法を見つけたが、今回の進捗は法則が少しだけ垣間見えたということ。
分母が素数の分数の和なので、通分をすることになるのだが、
項数が3のとき、通分すると、
15a+10b+6c 30 | = | 1 abc |
項数が4のとき、通分すると、
105a+70b+42c+30d 210 | = | 1 abcd |
項数が5のとき、通分すると、
1155a+770b+462c+330d+210e 2310 | = | 1 abcde |
項数が6のとき、通分すると、
15015a+10010b+6006c+4290d+2730e+2310f 30030 | = | 1 abcdef |
項数が7のとき、通分すると、
255255a+170170b+102102c+72930d+46410e+39270f+30030g 510510 | = | 1 abcdefg |
のようになっていくのだが、
左辺の分母分子に着目すると、
分母は10の倍数となり、
分子で10の倍数ではないのが、aの係数とcの係数で、他の係数は10の倍数である。
つまり、1の位に1を作れるのはaとcの係数でしかなく、他の係数は10の位以上しか干渉出来ない。
cの係数の1の位に着目すると、
2、4、6、8
の4通りに絞られる。
左辺の分子の1の位は1なので、
xa+2c≡1 (mod 10)
xa+4c≡1 (mod 10)
xa+6c≡1 (mod 10)
xa+8c≡1 (mod 10)
を考えれば良く、
x≡5 (mod 10)
なので、
aは±奇数でなければ、5 (mod 10)を残せない。
とはいっても、aの係数は他の係数よりも一番大きいので、a=±1であることが望ましい。
仮にa=±1とすると、
cの係数のmod 10が2のとき、c=-2
cの係数のmod 10が4のとき、c=-1
cの係数のmod 10が6のとき、c=+1
cの係数のmod 10が8のとき、c=+2
とaによってcの条件が絞られるということです。
これによって、初めてまともな枝刈りがプログラムに投入されることとなった。
さて、12項目が求まるのはいつになることやら。