午後のひとときに、チョコレートケーキの三等分問題を考える。
ケーキというと、様々な種類があるかと思いますが、今回問題とするケーキは上面と側面をチョコレートでコーティングされたケーキを、ケーキの体積はもとより、表面のチョコレートの面積も等しく分けることを想定した立体物の三等分問題となっております。
今回は4種類の四角柱に限定して、三等分の仕方を考えます。
計算が楽なように、外周を30cmに統一してあります。
問題
それぞれのチョコレートコーティングケーキを、ケーキの体積はもとより、上面と側面のチョコレートの表面積も等しく、三等分する方法を考えよ。
シンキングタ~イム
それでは、一つずつやっていきましょう。
まず、一番単純な15cm、15cm、7cmの四角柱です。
単純なので、答えも単純です。
上面を見て、各辺を底辺として、同じ高さの三角形をイメージします。
チョコレートだけを剥ぎ取って、展開図を作ると、
外周が30cm、高さが7cmの帯の上に、直角二等辺三角形が4つ並んでいるものとなるでしょう。
帯の部分を三等分した上で、上辺の切断線から、三角形の頂点へ切り込むことで、チョコレートの表面積も等しく、ケーキの体積も等しく、三等分することが出来ます。
とりあえず、3個中2個が合同(ただし、鏡像体)なものになるように分割するものを描いてみました。
この正四角柱については、外周を三等分して、中心を通るように、垂直にカットするだけなので、それほど難しく考える必要はなく、最初の切込みをどこから始めたとしても、問題なく体積もチョコレートの表面積も三等分することが出来るでしょう。
因みに、角度が三等分(120˚ずつに)されるわけではないので、間違わないように。
続いては、12cm、18cm、7cmの直方体にしましょうか。
考えやすいように、今回も切断後の3個中2個が合同(鏡像体)となるようなカットの仕方です。
上面が正方形ではないので、中心としても、各辺からの高さが異なるため、うまくいきません。
長辺18cmの中点から、重心に向かってxcm切り込みを入れると考えると、
半分の9cmなので、折れ曲がって11cmのところにもう1つの切込みが入り、逆周りの対辺も同様です。
合同な立体は、上面、下面ともに台形となります。
台形の面積は、(上底+下底)×高さ÷2より、
(11+x)×9÷2
1つだけ合同ではないホームベース型は、
1cm×18cmの長方形と、底辺18cmの直角二等辺三角形と考えると、
1×18+18×(11-x)÷2
これらの面積が等しいので、
(11+x)×9÷2=1×18+18×(11-x)÷2
x=5
と、最初の切り込みの長さは5cmとなります。
あとは、その点に向って、外周が20cmずつになるように分割するだけということです。
続いては、10cm、20cm、7cmの直方体にしましょうか。
この直方体の特徴は、長辺が20cmと外周の丁度1/3となっている点です。
先の問題と同様に、長辺の半分からの何cm切り込むかを考えます。
(10+x)×10÷2=20×(10-x)÷2
x=10/3
最後に、8cm、22cm、7cmの直方体です。
もう説明は不要ですね。
1×8+(8+x)×7÷2=20×(10-x)÷2
x=32/15
さて、ここに上げたカットの方法は一例にしかすぎません。
今回は、3個中2個は合同(ただし、鏡像体)となるような分割としましたが、問題によっては、切断面が最小になるようにとか、一つの切込みは角からとか、条件を付けることで答えがユニークになるように作り込まれることも考えられます。
ホールケーキは円柱形なので、何等分であろうと、扇形にカットすればよいので、中心と外周を等分すれば良いので、四角柱よりは簡単ですね。
あと、数学としての問題ですので、実際は表面のチョコレートは厚みがあるので、チョコレート体積が正確に等しく分けられるわけではないことはご了承ください。
最後に、このケーキの一般的な名称は何なのだろうかということ。
ご存知でしたら、コメントにてお待ちしております。
ではでは
PS:この問題を妹家族に出題したら、ミキサーに掛けると言われましたw
確かに三等分はしやすいが、食べる気になるかは別問題ですね。