午後のひとときに、図形問題を解いてみる。
問題
四角形ABCDが以下の条件を満たすとき、四角形ABCDの面積を求めよ。
y+z = 91cm
x-w = 35cm
∠B = ∠D = 90˚
シンキングタ~イム
連立方程式が絡んだ図形問題です。
さて、どのように解きましょうか。
有効な補助線を考えると、ACを結ぶことでしょうか。
他にも、対角の和が180˚より、円に内接するので、補助円を描くことも考えられますが、今回は必要ありません。
2つの直角三角形の和なので、
xw/2+yz/2 = (xw+yz)/2 … (1)
と、xwやyzの値が解ると、面積が求まることが解ります。
y+z = 91
x-w = 35
2つの式の両辺を2乗すると、
(y+z)2 = y2+2yz+z2 = 912 ⇒ yz = (912-y2-z2)/2
(x-w)2 = x2-2wx+w2 = 352 ⇒ -wx = (352-x2-w2)/2
ここで、補助線のACの長さをvとすると、
v2 = x2+w2
v2 = y2+z2
より、
yz = (912-v2)/2 … (2)
-wx = (352-v2)/2 … (3)
(2)-(3)を求めると、
yz+wx = (912-352)/2 … (4)
(4)式を(1)式に代入すると、
面積は、
(912-352)/4 = (8281-1225)/4 = 1764
答え 1764cm2
別解
かなり乱暴ではありますが、
w、x、y、zの長さは、連立方程式と図形の条件さえ満たしていれば自由なので、
四角形ABCDを両翼が直角の凧形と見て、
w = z
x = y
としてもよいし、
もっと言えば、
四角形ABCDを長方形と見て、
w = y
x = z
としても、なんら差し支えない。
凧形の面積は直交する対角線の長さから面積を求めることができるが、各辺の長さから求めるのはいささか面倒である。
というわけで、各辺の長さから長方形の面積の方が計算しやすいので、四角形ABCDは長方形として考える。
変数を置き換えて、2つの式の和と差から、連立方程式の解は、
(91±35)/2
(91+35)/2 = 63
(91-35)/2 = 28
と長方形の2辺の長さが求まり、
面積は、
63×28 = 1764
と容易に求まります。
答え 1764cm2
さて、解法中に出てきた、Right Kiteというワード。
日本語では「両翼が直角の凧形」と説明するしかない。
Rightにはいろいろな意味がありますが、数学では直角として使うことが多いでしょう。
直訳すると、直角凧形となりますが、直角凧形という名称をぐぐってみると、私のブログくらいしが上位にくるが、他は凧形の対角線が直交するということで検索に引っかかっているものと思われる。
また、日本人が直角凧形と聞いて、どんな凧形を連想するかという問題がある。
凧形の上部か下部のどちらかの角が直角であっても、菱形や正方形ではない狭義の凧形が作れるが、Right Kiteに含まれるかというと、含まれません。
そうなると、直訳ではダメで、数学界、算数界で公式な日本語名称が欲しいところでもありますね。
実は、今回の問題を作問する上で、異なるピタゴラス三角形を2個使い、斜辺の長さを等しくして、結合しました。
w:x:v = 5:12:13
z:y:v = 3:4:5
というピタゴラス三角形を、斜辺の13と5を掛けた65として、各辺も等倍して、
w:x:v = 25:60:65
z:y:v = 39:52:65
として、ここから連立方程式、
y+z = 52+39 = 91
x-w = 60-25 = 35
となりました。
というわけで、図も正確で、凧形にも、長方形にも見えないものとなっております。
ではでは