午後のひとときに、数学の問題を解いてみる。
問題
x3 = xyz+1
y3 = xyz+2
z3 = xyz-3
のとき、実数解(x, y, z)を求めよ。
シンキングタ~イム
以前、3元の連立方程式について、全部足すパターンと、全部掛けるパターンというのをやりましたね。
今回はどちらでしょうか。
x3 = xyz+1 … (1)
y3 = xyz+2 … (2)
z3 = xyz-3 … (3)
全部足してみると、
x3+y3+z3 = 3xyz
右辺を移項して、因数分解すると、
(x+y+z)(x2+y2+z2-xy-yz-zx) = 0
より、
x+y+z = 0 … (4)
かつ、または
x2+y2+z2-xy-yz-zx = 0 … (5)
となり、(5)式を更に変形すると、
x2+y2+z2-xy-yz-zx = {(x-y)2+(y-z)2+(z-x)2}/2
となり、分子が2乗の和の形になるため、実数解においては、
{(x-y)2+(y-z)2+(z-x)2}/2 ≧ 0
ということが解り、その中でイコール0となるのは、
x = y = z … (6)
のときに限られる。
(6)式を(1)~(3)式のいずれかに代入しても、
x3 = xyz+1 ⇒ x3 = x3+1
y3 = xyz+2 ⇒ y3 = y3+2
z3 = xyz-3 ⇒ z3 = z3-3
となり、等式が成り立たず不適である。
よって、(4)式が成り立つ必要があるが、このままでは利用が難しい。
というわけで、全部掛けてみます。
x3y3z3 = (xyz+1)(xyz+2)(xyz-3)
xyz = tとおくと、
t3 = (t+1)(t+2)(t-3)
= t3+(1+2-3)t2+(2・-3+1・-3+1・2)t+1・2・-3
= t3-7t-6
移項すると、t3が消え、1次式になり、
7t = -6
t = -6/7
xyz = -6/7 … (7)
(7)式を(1)~(3)式に代入すると、
x3 = -6/7+1 ⇒ x3 = 1/7 ⇒ x = 1/3√7 … (8)
y3 = -6/7+2 ⇒ y3 = 8/7 ⇒ y = 2/3√7 … (9)
z3 = -6/7-3 ⇒ z3 = -27/7 ⇒ z = -3/3√7 … (10)
となり、(4)式を満たしていることも解る。
答え (x, y, z) = (1/3√7, 2/3√7, -3/3√7)
答えは結果的には3乗根になるけれども、よく出来た問題です。
分母の有理化をやる必要があるだろうと言われるかもしれないので、やってみよう。
(8)~(10)式の分母を、
3√7+0
とみると、
a3+b3 = (a+b)(a2-ab+b2)
の展開公式のa+bの部分だと考え、分母分子に掛ける数はa2-ab+b2だということが解ります。
bは0なので、分母は7+0 = 7となり、分子は72/3を、(8)~(10)式のそれぞれの分子に掛ける必要があり、分母の7で約分して、結果的には72/3/7 = 7-1/3を分子に掛けることになり、結果的に見ると、分母の71/3の逆数である7-1/3を掛けるだけなので、あまり意味を見出せません。
もし、分母のbに0以外が入っているならば、分母の有理化をすることで約分できる可能性もあることでしょうから、3乗根の有理化も覚えておいて損はないかと思います。
ではでは