午後のひとときに、数学の問題を解いてみる。
問題
3cm、4cm、5cmの直角三角形の斜辺に沿って、図のように接する合同な3つの円がある。
半径rを求めよ。
シンキングタ~イム
円が出たらやることは決まってますよね。
中心、接点、これらを結ぶ。
更に、中心と頂点を結ぶ。
すると、3つの三角形と1つの台形が出来ます。
青線が半径rですので、rを使った式で面積を求められればよいということが解ります。
2つの三角形と、台形は高さがrなので、rを使って面積が求まりますが、残った1つの三角形の底辺を4rとした高さを求める必要が出てきます。
直角三角形の面積は、3×4÷2=6と求まりますので、底辺を5とした高さを求めると、
6×2÷5=12/5となり、rを引いたものが、先の残った1つの三角形の高さということになり、
3r/2+4r/2+(5+4r)r/2+4r(12/5-r)/2=6
3r/2+4r/2+5r/2+4r2/2+4r(12/5)/2-4r2/2=6
3r+4r+5r+(48/5)r=12
15r+20r+25r+48r=60
108r=60
r=5/9
答え 5/9cm
まぁ、これでもまったく問題はないのですが、もっと簡単に求める方法があります。
直角三角形に内接する円(オレンジ)を描き、同様に補助線を引きます。
すると、左下に相似な凧形、右下に相似な凧形があることが解ります。
つまり、相似比が使えるということです。
三角形に内接する円の半径をRとすると、内接円の公式より、
R=2S/(a+b+c)=(2×3×4÷2)/(3+4+5)=12/12=1
つまり、直角三角形の直角と青線で出来る正方形の1辺が1cmということになり、
左下の凧系のRではない方の辺の長さは、3-1=2
右下の凧系のRではない方の辺の長さは、4-1=3
それぞれの辺がRを使って比で表せますね。
これを踏まえて、左下の凧形、右下の凧形はそれぞれ相似なので、rでも比は同じとなり、
底辺をこのように分割すると、左から2r、4r、3rとなることが解り、
2r+4r+3r=5
9r=5
r=5/9
という圧倒的に少ない計算量で求めることが出来ます。
類題1
5cm、12cm、13cmの直角三角形に3つの円が斜辺に沿って内接しているならば、
R=2S/(a+b+c)=(5×12)/(5+12+13)=60/30=2
(5-2)r+4r+(12-2)r=13
3r+4r+10r=13
17r=13
r=13/17
類題2
3cm、4cm、5cmの直角三角形にn個の円が斜辺に沿って内接しているならば、
R=2S/(a+b+c)=(3×4)/(3+4+5)=12/12=1
(3-1)r+(2n-2)r+(4-1)r=5
(2n+3)r=5
r=5/(2n+3)
といったように、値が変化しても難なく解けてしまいますね。
この解法は是非とも覚えておいて欲しいですね。
ではでは