午後のひとときに、数学の問題を作ったので考えてみる。
問題
A4用紙に正方形を6つ使った立方体の展開図を描くとき、
体積が最大となるものを示せ。
但し、6面はいずれかの辺で必ず接しており、辺のみで折ることとする。
シンキングタ~イム
解答編です。
まず、正方形6つで作る立方体の展開図は、回転解、鏡像解を除くと、全部で11種類あります。
全部について、調べていくと大変なので、早い段階で絞り込みが出来るのが良いでしょう。
11種類を分類すると、3行×4列で表せるもの10種類、2行×5列で表せるもの1種類に分けられます。
まずは、3行×4列を考えましょうか。
210÷3=70mm
297÷4=74.25mm
ということで、1辺の長さは短い70mmということになります。
余白を左右に作ります。
すべての正方形に名前を付けました。
この板チョコ状態のものを、重心で時計回りに回転することをイメージします。
すると、A、D、I、Lの4角が取れ、続いて、B、Kが取れ、C、E、F、G、H、J、が残ります。
これで、かなり絞られましたね。
EFGHの対角線が297mmとなるように、収めました。
正方形の1辺をxとすると、三平方の定理より、
(4x)2+(1x)2=2972
x=297/√17≒72.0330806358mm
と、先の70mmよりも大きくなりました。
図では解りにくいですが、上に余白があります。
下辺に、1:2:√5の直角三角形があります。
1辺をxとおくと、
9x÷√5=297
x=297×√5÷9≒73.7902432575mm
と更に長くなりました。
上にまだ余白があるので、まだ回転出来ますね。
1辺をxとおくと、
4x・cos(θ)+1x・sin(θ)=297
1x・cos(θ)+4x・sin(θ)=210
という連立方程式を作ることが出来、
これを解くと、
x=√139037/5≒74.5753310418mm
と更に長くなりました。
これが、この形での最大ですので、
体積≒414749.2120825714mm3
一応、上記のように斜めに配置して連立方程式で解く、他の点対称なパターンそれぞれの1辺の長さxの最大を計算すると、先の連立方程式と係数が違えど、やっていることは同じで、
点対称な3行×4列ならば、
4x・oos(θ)±3x・sin(θ)=297
3x・cos(θ)∓4x・sin(θ)=210
x=3√14701/5≒72.7486082341
3x・oos(θ)±4x・sin(θ)=297
1x・cos(θ)∓4x・sin(θ)=210
x=3√25777/8≒60.2070645772
2行×5列ならば、
5x・oos(θ)±2x・sin(θ)=297
2x・cos(θ)∓5x・sin(θ)=210
x=3√14701/29≒67.5453870397
複号同順で、このようになります。
符号の付き方は、回転したり、逆回転したり、裏返したりという違いに過ぎませんが、θは異なりますが、xについては同じ値になります。
正確な図を描くのであれば、θを求める必要がありますが、図を描く必要がなければ、θを求める必要もありません。
残りは、3行×4列の点対称ではない、7パターンの展開図です。
上記手法によるそれぞれの1辺の長さxの最大を計算すると、
4x・oos(θ)+0x・sin(θ)=297
3x・cos(θ)+4x・sin(θ)=210
x=3√157105/16≒74.3183870671
4x・oos(θ)+1x・sin(θ)=297
2x・cos(θ)+3x・sin(θ)=210
x=3√58253/10≒72.4069748022
4x・oos(θ)+2x・sin(θ)=297
3x・cos(θ)+0x・sin(θ)=210
x=√19889/2≒70.5141829705
4x・oos(θ)+2x・sin(θ)=297
2x・cos(θ)+4x・sin(θ)=210
x=√18065/2≒67.2030505260
4x・oos(θ)+2x・sin(θ)=297
1x・cos(θ)+4x・sin(θ)=210
x=3√98297/14≒67.1836122511
4x・oos(θ)+2x・sin(θ)=297
2x・cos(θ)+3x・sin(θ)=210
x=3√31373/8≒66.4215938156
※この値になるのが2つあります。
という結果になりました。
点対称では、加減算の連立になっていましたが、残りは加算のみの連立となっていることが、1辺の長さが大きくならない要因かと思われます。
11パターンすべての図は、時間があればあとから追加しておきます。
ではでは