午後のひとときに、数学のオリジナル問題を考えます。
問題
A4用紙(210mm×297mm)に扇形と円を1つずつ使った円錐の展開図を描くとき、
以下の問いに答えよ。
但し、互いの円弧は接している必要はないものとする。
問1
表面積が最大となる展開図を示せ。
問2
体積が最大となる展開図を示せ。
シンキングタ~イム
丸一日考えた結果です。
まず、扇型の中心角の範囲で場合分けして、扇形と円のざっと配置を考えます。
タイプ1
0˚≦扇形の中心角θ≦45
母線=297mm固定
余白で取れる最大の半径Rは、θ=45˚のとき最小となる。
内接円の半径rは、R=2S/(a+b+c)より、
R≒61.5075759508
母線とθからな半径rは、母線×θ/360で求まり、
r=210×45/360=210/8=26.25
と、R>rとなり、
十分に確保出来ることが解る。
タイプ2
45˚≦扇形の中心角θ≦90˚
母線=210mm固定
余白で取れる最大の半径Rは、
R≒64.4051793034
r=210×90/360=210/4=52.5
と、R>rとなり、
十分に確保出来ることが解る。
タイプ3
ここで、タイプ2の設定のまま、R=rとなるθを求めると、
θ≒96.4036886609894018047117281081122739050074288995946035038974859495739745381763504527668618091594854257
と二分法により解析的に求めることが出来る。
90˚≦扇形の中心角θ≦96.4036886609˚
母線=210mm固定
タイプ4
タイプ2や3のまま、θを増やすと、底面となる円が取れなくなるので、
r=Rを保ったまま、母線の長さを縮めながら、θを増やすこととする。
96.4036886609˚≦扇形の中心角θ≦180˚
母線=可変
タイプ5
180˚≦扇形の中心角θ≦270˚
母線=105mm
余白で取れる最大の半径Rは、
R≒79.5290039756
r=78.75
と、十分に確保できる。
実際は、もう少し切り欠きを斜めにすると、Rをもう少し大きく取れるが、この方法でも十分であることが解るので、難しくはしない。
タイプ6
270˚≦扇形の中心角θ≦360˚
ここまで使うかは解りませんが、想定だけはしておきました。
扇形の中心角θで場合分けが出来ましたので、エクセルで表にしてみます。
タイプ1
タイプ1においては、表面積も体積も中心角θ=45˚のときでした。
まだまだ、どちらも大きくなるので、ここが最大ではありません。
タイプ2
タイプ2においては、表面積も体積も中心角θ=90˚のときでした。
まだ、これらが最大かは解りません。
タイプ3
扇形の中心角θ≒96.40369あたりで、半径r=半径Rとなり、表面積、体積、ともに最大を示しています。
タイプ4
扇形の中心角θに対して、r=Rとなるように母線の長さを縮めていった結果、表面積も体積も下り坂です。
タイプ5
母線を210/2=105に固定し、扇形の中心角に伴い求めていって、r=Rとなるように解析的に求めてみたが、表面積も体積も、タイプ3を超えることはなかった。
タイプ6
こちらも、r=Rとなるように解析的に求めてはみたが、表面積も体積も、タイプ3を超えることはなかった。
最後に、横軸を扇形の円周角θ、縦軸を表面積や体積としてグラフにしてみる。
表面積は僅差でしたが、体積は1点ですね。
問1、問2、どちらも、円錐の展開図は、
となり、
詳細は、
扇形の中心角θ≒96.40369˚
母線=210mm、
半径≒56.23549mm
表面積≒47035.55337mm2
体積≒670055.13536mm3
かなり大変でしたが、どうにかこうにか答えを出せました。
ではでは